日本の国会議員-政治改革後の限界と可能性 (中公新書, 2691)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121026910

作品紹介・あらすじ

国会議員への不信が高まっている。1990年代以降の一連の政治改革を経ても、議員の活動・役割は見えにくい。本書は、人材、選挙、政策形成、価値観、資金、国際比較など、あらゆる観点から国会議員の実態をデータに基づき描く。世襲や秘書出身者の増加、少数の女性議員、なお不透明な政治資金、憲法・安全保障とは異なる社会経済政策を巡る対立軸の不在など、多くの問題と原因を指摘。日本政治に何が必要か改革の方向性を示す。

感想・レビュー・書評

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  • 現在の政治資金に関する問題に興味を持ち読んだ。
    政治家の仕事について知ることができ、お金がかかることは理解できた。
    また立法制度や現在の議会の制度について専門家である筆者からの意見もあり新たな視点から見ることができた。

  • ■議員立法の副産物
     野党提出の議員立法は殆ど審議されず、成立する可能性もほぼないが、提出することには様々な副産物がある。
     第一に法案の形成自体が議員の教育機会となること。議員立法を国会に提出するには労力を必要とするが、政党では議員立法を議員の能力形成の機会として重視してきた。
     第二に議員立法が政党のアピール、公約の充実、政権担当能力の評価につながること。
     第三に議員立法は官僚制への問題提起になること。法案の問題意識や内容が官僚に検討を促し、閣法として部分的に盛り込まれ、後の国会で成立していく場合もある。
     第四に議員立方は議員の等へのアピールになる。
     議員に立法には政党、選挙、官僚、議員個人にとって様々なメリットがある。

  • 【請求記号:314 ハ】

  • ふむ

  • 国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11524353

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000056992

  • 第1章 誰が政治家になるのか
    公認候補までの道程ー選抜の多様な壁
    議員の傾向ー地方議員・秘書出身者の増加
    日本の特質ー減らない世襲、少数の女性
    機会格差の是正ークオータ制と公募の可能性と限界

    第2章 当選に向けた活動とは
    日常活動ー減少する陳情と後援会
    秘書の体制ー平均6人の運命共同体
    強まる政党の影響、求められる自助努力
    政党・政策本位に転換したか

    第3章 立法過程への参画ー議員の仕事
    政党内での役割ー事前審査制
    族議員の弱体化ー進むジェネラリスト化
    国会内の活動ー強まる多数主義
    進まない国会改革ー審議充実のためには

    第4章 不安定な議員ー政党制の問題
    政策の対立軸ー社会経済政策とイデオロギー
    強い党議拘束ー代表の選択と造反
    頻発する政党間移動ー背後の制度
    政党の一体性

    第5章 政治資金ー政治家とカネの問題
    法の厳格化と政党助成金
    日本の政治資金制度
    変遷
    制度改革の方向性

    終章 政治改革後の国会議員とは

  •  立候補から選挙活動、立法過程、政党制、政治資金まで、制度と構造を中心に解説。国会議員自身や議員事務所、政治部記者なら常識かもしれないが、日々の報道の背景や用語がよく分かる。
     世襲の多さ、秘書(これも親族か)出身の増加、団体の影響力低下などはよく言われるとおり。
     特に90年代の政治改革後、有権者の政党重視、議員の政策・立法活動増加、官邸主導の政策決定、造反や政党間移動の増加、という変化を本書は指摘。一方、憲法や安全保障と異なり社会経済政策での対立軸の弱さ、政党組織や地方組織の不十分さ(及び今も続く個人中心の集票活動)、政策決定と政治資金の透明性を高める必要性、という課題も挙げている。

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著者プロフィール

大阪大学大学院法学研究科准教授。2009年、筑波大学大学院人文社会科学研究科博士課程修了。博士(政治学)

「2024年 『政務調査会と日本の政党政治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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