- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121027283
作品紹介・あらすじ
兵法書・戦略論の古典として知られる『孫子』。二千数百年前から読み継がれてきたが、現在読まれている版が三国志の英雄・曹操の注釈にもとづくことはあまり知られていない。本書はまず、孫武と孫ぴんのどちらが主な著者かという成立の謎と、曹操の解釈を解き明かす。そして、『孫子』の特徴を合理性・先進性・実践性・普遍性に分けて追究し、今日に活かすヒントを探る。巻末に『孫子』全十三篇の現代語訳を収録。
感想・レビュー・書評
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『孫子』の背景から特徴まで、曹操を中心に見ていく感じ。『孫子』の本質が13篇をまたいで解説されていて、それぞれの篇の繋がりとか、『孫子』全体が言わんとしていることへの理解が深められたと思う。あと章の構成がわかりやすくて、読みやすかった。
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《良かった点》
▼ 立体性
原文の書き下し、曹操による註釈、著者による考察の3点を同時に記している
《学んだこと》
▼ 戦わずして勝つことこそ善
戦争をすることで国益の損失は甚だしい
戦争の目的は勝つこと
平和になれないから(やむを得ず)戦争をするのであって、戦いに良いも悪いもない、とにかく勝つために何ができるか
現実に照らし合わせると、目的を明確化し、「戦い」をその手段たる選択肢として見つめることである。
▼ 詭道
戦いの本質は騙し合い
敵に、敵が「実」(優勢な状況)で自らを「虚」(不利な状況)である、と思わせる
しかし実際は、自らが「実」で敵が「虚」である
現在においても、相手に小利を握らせて自らが大利を得ることが有効かもしれない
▼ 廟算による予測
敵を知り己を知る
→敵の実情と己の戦力の実を把握して、計算により、勝敗を予測することができる
天と地を知る
→勝敗は、実力だけでなく、地の利など環境によっても左右される
もっとも勝利を予測することはできても、現実として実際に勝てるとは限らない
▼ 勝利の型などない
相手に合わせて戦略を変えることしか勝利をもたらさない
《ぐっときたフレーズ》
「彼を知り己を知らば、百戦して殆(あやう)からず」
《これからの行動指針》
▼ 情報と戦略
「彼(対象)」
「己(自分自信)」
「天(世の流れ)」
「地(自身が置かれている状況や環境)」
を知る。
そのための情報収集を徹底する。
その上で、目的を達成するための最善策を考え続ける。
勝利(成功)に決まった形などなく、水のように形を変えて闘う。 -
【請求記号:399 ワ】
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孫子をわかりやすく読み解く。現代にも生かせるヒントもある。
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第1章 二人の孫子と二冊の『孫子』-孫武と孫〓/第2章 曹操による十三篇の確立ー孫武十三篇に注す/第3章 戦いとは何かー兵なる者は詭道なり/第4章 合理性ー戦はずして廟算して勝つ/第5章 先進性ー三軍も気を奪ふ可し/第6章 実践性ー日に千金を費やす/第7章 普遍性ー君命に受けざる所有り/終章 『孫子』の生かし方/附章 『孫子』現代語訳
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『孫子』の内容が曹操の解釈を使ってよくわかった
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女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000060335
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東2法経図・6F開架:B1/5/2728/K