スマホの中身も「遺品」です-デジタル相続入門 (中公新書ラクレ 675)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121506757

作品紹介・あらすじ

スマホやパソコンなどのデジタル機器に遺された、故人の情報を意味する「デジタル遺品」。実際に金銭的価値を持つものが増えた一方、他人では詳細が分からないものが多く、相続の場で問題化し始めている。SNSにネット銀行、生体認証、サブスクサービスの浸透を前に、私たちはどう対応し、準備すべき? 契約者以外がログインすれば違法? 契約者が亡くなれば〇〇ペイの残高は消える? そのスマホ、もはや放置は許されません!

感想・レビュー・書評

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  • ●なぜデジタル遺品は厄介なのか。
    ● ①家タイプ。デジタルデータが収納されている機器のこと。スマホやパソコン、外付けハードディスクUSBメモリーなど。
    ②家の中タイプ。保存されたデータそのもの。③家の外タイプ。SNS上にあるアップロードした書き込みや写真。オンラインストレージなど。
    ●テロリストの遺品のiPhone。FBIの要請に対してもアップルはロックを解除しなかった。技術的には不可能ではない。
    ●個人のデジタル口座を探すときは、アクセス履歴やアプリ、ブックマークなどを調べることになります。
    ●休眠口座の額は年間700億円を超える。
    ●遺品整理中に紙の株式が見つかることもがありますが、紙のままでは相続できない決まりになっているため、電子化することになります。
    ●仮想通貨は、遺族がパスワードを知らなかったとしても相続税がかかってしまう。
    ● Appleのホームページには、志望した家族のAppleアカウントへのアクセスをリクエストする方法、と言う項目があります。
    ●電子書籍や動画音楽などのコンテンツ。このタイプのサービスの多くは一身専属性をとっています。つまり相続できないケースの方が一般的。
    ● FacebookとInstagram「追悼アカウント」
    ● LINEのアカウントは電話番号に紐付いているので、電話番号を手放した時点でページの閲覧・編集権は失われます。
    ●アンドロイド端末のスマートロック。BluetoothやGPSで位置を特定し、条件に合致するエリアに入るとパスワード等を解さずに使えると言う仕組み。
    ● 4000件以上の故人のサイトを追跡調査してきましたが、死後に放置され、10年以上残っていたケースは半数はありません。
    ●スマホのスペアキーを作る。パスワードを記載して、修正テープを使ってスクラッチカードを自作する。はがした跡が残るので、盗見されれば容易に発覚する。
    ●デジタル対応の死後事務委任契約。SNSの解約やパソコンの廃棄といったオプションを提供しているところがある。
    ●一身専属すると決めてサービスを提供していても、絶対とは言えない。世界全体でこの流れは止められない。類似の判決は過去に何度か下されている。

  • 勉強になった。お金の絡むものにおいては、何があるか書き記しておけばOKなのかなと思った。

  • 漠然とは理解しているつもりだが、やはりほっては置けなかった。そのタイミングになると、購入したい。
    1、I PHONE 設定によっては10回パスワード間違えると、中身が全て消える。
    2,個人のPCは簡単に破棄せず、ログインにチャレンジしてみる。ブックマークから口座のあるネット銀行を突き止める事が出来る。休眠口座は一旦公益活動に使われる。のちに請求したら引出し可能。
    3、故人のFX取引追証のリスク 証拠金割れの場合素早く回収するシステムになっている。400倍→25倍迄減少。
    4、〇〇PAY契約者が亡くなった時点で、権利消滅と書いてある規約が多い。請求すれば支払ってくれるが手続き面倒。一身専属性。LINEは、LINE PAYの所有権が消滅すると書いてある。
    5、定額サービスは、口座を凍結するのは最後の手段。
     支払い義務が残る事もあり得る。
    6、遺族に伝えたい情報は、デスクトップにショートカットを置く。
    7、スマホは、音声ガイドを起動してアクセスする事が可能
     ・最近掛けた通話先?
     ・よく使うアプリを起動して
    8,googleは、家族の要請で審査を行ってくれる。

  • 電子情報やネット金融などの死後の管理について現状を伝えている。自分は全く考えていないが。

  • 仕事含め、プライベートでもインターネットやPCがなくてはならない私が死んだ後、残される家族の迷惑にならないよう、色々を考えさせられる一冊だった。
    本書を参考に、今から準備を始めたい。

  •  本書は、死後に自分の携帯電話やパソコンなどの機器やクラウドサービス上に残される、“デジタル遺品”をどう探し、残すか、を解説した現代人必携の一冊。
     銀行口座、証券口座、仮想通貨、メール、SNS、ストレージ……、さまざまな情報がデジタル化され、中にはデジタルだけでサービスが完結しているものもある。明日突然死んじゃったら、何がどこにあるのか、探すのは至難の業だ。
     SNSなど、デジタル発のサービスには契約者が死んだときの扱いがはっきりしていないものも多い。
     では、ローカルのパソコンにすべて保存しておけばよいかというとそうでもないようだ。本書によれば、ハードディスクの寿命は数年程度だとか。定期的に更新しておかないと、取り出せなくなるリスクもある(コピーでデータが壊れたりすることもあるけど…)。
     一時期、「現代の紙の耐久性に問題があり、将来、残らない文献が出てくる」と言われていたが、デジタルでも同じなのだ。「大切な写真はプリントしておく」の方がよいのかも。なんだか退化した気分だ。

  • ◯◯ペイの残高、私物PCを持ち込んで利用していた場合の業務ファイルなどは、確かに引き継ぎが厄介だと思いました。目に見える物の整理は物量次第で終わりが見えるものの、デジタル相続は難しい。誰かに気が付いて欲しいデータと、そのまま消えてかまわないデータは、デジタルデータをこさえる時点で意識しておく必要があると感じました。

  • ネット銀行やネット証券、〇〇ペイ、生体認証などを前に複雑化するデジタル遺品をどう相続するのか? もはや放置は許されない!

  • 東2法経図・6F開架:B1/5A/675/K

  • 文化放送
    「村上信五くんと経済クン」
    ゲスト 古田雄介 さん
    (2020年2月8日放送)

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著者プロフィール

古田雄介

1977年名古屋市生まれ。記者・ライター。名古屋工業大学卒業後に上京し、建設工事現場監督と葬儀社スタッフを経て、2002年に編集プロダクション入社。07年以降フリーランスの記者として活動。16年から一般社団法人デジタル遺品研究会ルクシー代表理事を務めた。著書に『ここが知りたい! デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)、『中の人』(KADOKAWA)など。

「2020年 『スマホの中身も「遺品」です』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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