開業医の正体-患者、看護師、お金のすべて (中公新書ラクレ 809)
- 中央公論新社 (2024年2月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121508096
感想・レビュー・書評
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いま快調に売れているようだが、それもうなずける、大変よくできた本である。
クリニックを開業して18年目の著者が、開業医という仕事の舞台裏を赤裸々に綴っている。
タイトルから連想されるような暴露本ないし告発本的な色合いはなく、真摯な内容だ。
著者は作家兼業の医師で、小学館ノンフィクション大賞に輝き、『1文が書ければ2000字の文章は書ける』という文章術の著書まであるほどだから、文章がうまい。
ゆえに、本書は実用書的な側面もありつつ、エッセイとしても読み応えがある。
一例を挙げれば、最後の項目「開業医が虐待を発見したとき」は、見事な一編のエッセイになっている。
それでいて、実用書的な機能もきっちり果たす内容になっている。
開業医を目指す人にとっては最高の「開業入門」になるだろうが、それはまあ、読者のごく一部だろう。
私も含めた大部分の読者にとっては、かかりつけの開業医との賢いつきあい方を教えてくれるという意味で実用的なのだ。
「患者学」という新しい学問分野があって、それは医療者と患者が互いについて学び合うものなのだそうだが、本書も一般向けの「患者学」の試みだと思った(ただし、本書に「患者学」という言葉は出てこない)。
著者は昨年、『患者が知らない開業医の本音』(新潮新書)という本を上梓しており、私はそちらも読んだ。
テーマが重なり、同じ新書というフォーマットでもあるので、ヘタをすれば二番煎じになりかねない。
しかし、著者はエピソードの重複を避け、2冊をきちんと書き分けている。その点も誠実だと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何冊か書いてらっしゃるのか。寡聞にして、存じ上げなかった。
読みやすい文章で好感。
小児外科医で、大学病院、一般病院の勤務と、開業医の違いも含めて披露していただく。もちろん、一番気になる収入の辺もそうだが、この先生が、ご本人の著を信じれば「算盤より仁」であるのだけど、それでも一般ピーからすると色々違う。まあ、命預かってるし当然の報酬と思いながら、そこまで使命感持ってやってる人と、そうでない方、ここはどう見分けるのだろう。
若い先生は、患者志向、みたいに仰っている点もあったと思うが、最近あった先生の、患者を奨励としか見ない感じもあって、人それぞれだと思った。
開業するときの苦労、特に人を集めるところとか面白かったな。
かかりつけ医の大事さも理解出来たと思うが、かかりつけ医がクソかどうかなんか患者側からしたら全然分からないわけで、一旦決めたら信じろみたいなのはどうか。
そんな、理想的な駐在さんみたいな先生、どんだけおるの。
その辺が、医師が信じられてないところだと思う。
信じられるかどうかすら分からないのに信じないとしょうがない患者の気持ちもわかって欲しいのだ。
個人的に色々あって。
開業医の仕事は、診療ではなく診断、という言葉は至言。 -
【本学OPACへのリンク☟】
https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/713656 -
開業医のことが少し分かったような気になった。
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開業医の舞台裏を、包み隠さず、明かします! 医者はこんなことを考えています。「良い医者」とめぐりあうための必読書です。
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開業医の正体というタイトルに惹かれて、手にとりました。
患者、看護師、お金の全て、この先生の感じていることをキチンと書いてくれていると思いました。
とても患者を大切にされる良い先生ですね。
興味深い本でした。 -
東2法経図・6F開架:B1/5A/809/K