エネアデス(抄) (2) (中公クラシックス W 51)

  • 中央公論新社
3.83
  • (2)
  • (1)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 49
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121601001

作品紹介・あらすじ

新プラトン主義と宗教神秘思想を結合した特異な思想家の遺した画期的文集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 図書館で借りた。
    エネアデス(Enneades, エンネアデスとも)とは、紀元後3世紀に生きた哲学者プロティノスの作品を弟子がまとめ上げたもの。哲学の世界では新プラトン主義と呼ばれる分野だそうな。
    下巻には、『美について』『エロスについて』『自然、観照、一者について』『英知的な美について』『グノーシス派に対して』『一なる者の自由と意思について』が収録されていおり、最後にエネアデスの要約と関連年表がまとまっている。

    上巻で中々タフだったが、下巻はほぼバテた印象。哲学の本は難しい。

  • 半分くらい飛ばしたのは正直なところ。

    なかなか読みにくい、頭に入りにくい文章で、訳のせいなのか原文の問題なのかはわからない。
    論理的というよりは神秘主義的、と言われる所以もなんとなくわかる。直感的なものを大事にする。論理は魂の方法で、英知は直知するのだ、一者はそれをさらに超えた、知るということすら一者の後のことなのだ。一者についてはだからある意味、無というのが一番近いんじゃないか?と、ところどころで思わされる。
    ただし、その無は最善の善なのだ。うぬぬ。

    新プラトン主義は、何を目指していたのか?
    ここに世界観はある。
    自己の中心を、一者の中心と重ねるようにし、そのうえで内観を通して一者を観る、そのことで解脱して一者へと、、、
    ということで、ようするに、一者をみるような徳のある生活をしろ、ということになるのかな?
    プロティノスのこの体系が、何を具体的にもたらすのか、ただの思考実験ではないだろう、そこがまだよく見えない。

  • 1巻にひきつづき、2巻。
    プロティノスの体系は、「一者」を頂点とする神学的な構造になっていることがよくわかった。
    「感性界」という、感覚や肉体的な低次の領域の上に知性界があって、さらにその向こうに最善なるものとしての「一者」がある。この構造は初期から晩年まで全然変わっていないのだが、この「一者」を個人のなかにある内的なものと考えているのか、創造主=神と考えているのか、ときどきわからなくなる。後者の場合だとすると、これはキリスト教的な一神教の理念になってしまうので、彼が信奉していたギリシャ神話の世界観を超えて行ってしまうことになる。そこがおもしろい。
    しかしこの中公クラシックス版、訳者が数名で代わる代わる訳しているので、訳語が統一されていないのが気になった。「知性」が別の文章では「英知」になっていたりする。

全3件中 1 - 3件を表示

プロティノスの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×