- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121601193
作品紹介・あらすじ
イギリス古典経験論の掉尾を飾る懐疑的経験論。
感想・レビュー・書評
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プラトンの真善美にのっとり、経験論者としてのヒュームなりの真(認識論)、善(道徳論)、美(芸術論)について語った哲学書。キーワードは「因果律は経験に基づく習慣に基づく」「道徳や芸術は共感の原理にもとづく」。
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魅惑的な天才。認識論のストーカー。分析的ヘンタイ野郎。
ヒュームの丁寧な、丹念すぎる分析に読者はおのずと惹きこまれていってしまう。
認識論は言わずもがな、第三部の道徳論も傑作だと思う。
規範倫理学の立場からではなく、メタ倫理学的な立場から、つまり「道徳とは本来どうあるべきか」ではなく「道徳とは現にどうあるのか、どういう機能を果たしているのか」を適確に観察・分析している。だれも意識的に行うことのなかった、画期的な作業である。
カントの微睡みを醒まし、現代思想の先鋭の多くにも多大な影響を与えたことに疑いの余地を与えない素晴らしい内容。 -
こいつも読み出してから読み終えるまで時間かかりました。ヒュームって難しいんだもの、文章が。言っている内容は分かりやすいし、納得いく所も変な所も区別しやすいです。彼が因果について一所懸命考えてくれたおかげで、今の議論が整理しやすいです。
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いつまでも読み終わりたくないヒューム。
内省と内観の天才。
その後の自然科学と社会科学の発展をもってしても、この人ほど、人間や社会の本性に深くかつ的確に迫ることができた人は未だにいないと思う。 -
読んでいくと、とても面白い
なんだけども、どうしても読みきれない
といつのも、道徳とかの議論はなんかもう、あんまり興味もてないというか
それよりも、人間性に主眼をおいたあたりに面白みを感じてるんだけども、なんかこう訳文が馴染まないのか -
「それは、われわれが徳と悪徳とを区別して、ある行為について、非難されるべきである、あるいは賞賛に値すると宣告するのは、観念によってなのか、それとも印象によってなのか、という問題である。」
印象=本能、直感
観念=学習
と捉えるとわかりやすいと思う。私にとってこの本はとても難しくて、読みきるのが大変だった。たぶん理解はそんなにできていなだろう。ただ、第一篇七節からはそれまでよりも読みやすいと感じた。
72ページの第二段落のところはとても面白い。同じことをすれば同じ結果が得られるというのは、そうおこりうると確からしいというのを補強するだけで、それが絶対におこることを示しているのではない。 -
火が熱いことを知らない人が火に触れた時、「火に触れたから熱い」というふうに、原因→結果の形で考えることができるだろうか。ヒュームは、この「原因」と「結果」の観念の源泉をとことん考えた哲学者。それは「自由」を考えることにもつながっていく。
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懐疑論とはどのようなものか。固有名詞へのイメージなどの偏見なしに入り込める。ただ、断片的に読むと少し危ない。
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「人性論」の抄訳と「原始契約について」
人間は"印象"と"観念"しか知りえないという話が一つ。唯識ってこんな感じなんでしょうか。
道徳には、"人の本性によるもの"と"社会体制を守るためのもの"があるという話が一つ。それぞれ仁と義になるんですかね。