曠野から: アフリカで考える (中公文庫 M 31)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122003606

感想・レビュー・書評

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  • 1976年に書かれた本である。
    ここではオートボルタとして出てくるブルキナファソ(1984年に独立)の友達がいるので、古本屋で目にしたとき迷わず手にした一冊である。
     首都のワガドゥグでは、さすがに情景が一変しているでしょうが、友達の暮らす町(ボボデュラソ)では、友達の生まれた村(コテドゥク)では、筆者の描く村の様子がそのまま残されている。
     ここに綴られた人間の生活を読ませてもらいながら、今から50年ほど前、この日本でもまだまだ!モノははびこっておらず、八百屋の店先のモノに値段がつけられていなかった、人と人が助け合って暮らしていた暮らしのことを思ってしまった。
     私たち日本人は何を目指してきたのだろう
     私たち日本人はどこを目指しているのだろう

  • ビジネスからの見方と人類学者からの見方でずいぶん違うのは当然としても、同時並行的に読んだロバート・ゲストの「アフリカ 苦悩する大陸」とはずいぶん違ったものだった。こういう本を読めば、政府さえまともになればうまく行くのだ、などという楽観的な見方などできようはずもないのだが。国があればその数だけ、というよりもむしろ、共同体の数だけ事情や伝統があり、それを一つの方程式で解決しようとしてもうまく行くはずがないのだ。この本に関しては、私から何かコメントできるようなことはなく、ただただその観察と経験に敬意を表しながら読ませてもらっただけだった。太平興味深い本だった。

  • (1981.08.14読了)(1976.08.13購入)
    副題「アフリカで考える」
    1974年度日本エッセイストクラブ賞受賞
    *本の表紙より*
    気鋭の文化人類学者が西アフリカのサヴァンナ地帯に腰を据えて五年余、大自然の息づかいや、曠野に生きる人々の生活様式を背景に、折々の想いを鋭いまなざしと透徹した文体で綴る異色のエッセイ。

    【目次】

    貧しさ

    王さま

    ある料理人の話
    馬と車
    歯・目・耳
    黄金海岸

    大統領が来た!
    生きものたち
    すまい

    ことば

    あとがき
    解説  柴田翔

    ☆アフリカに関する本(既読)
    「ゴリラとピグミーの森」伊谷純一郎著、岩波新書、1961.08.30
    「アフリカの神話的世界」山口昌男著、岩波新書、1971.01.28
    「ピグミーの世界」酒井傳六著、朝日新聞社、1973.03.24
    「カラハリ砂漠」木村重信著、講談社文庫、1973.04.15
    「タッシリ・ナジェール」森本哲郎著、平凡社新書、1976.01.08
    「アンゴラ解放戦争」芝生瑞和著、岩波新書、1976.01.20
    「西アフリカ」本城靖久著、駸々堂、1977.03.10
    「ザイール・ノート」米山俊直著、サンケイ出版、1977.07.05
    「トゥルカナの自然誌」伊谷純一郎著、雄山閣、1980.11.20
    「Akoro」三留理男著、集英社、1981.04.21

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著者プロフィール

(かわだ・じゅんぞう)
1934年生。東京大学教養学部教養学科卒業。現在 東京外国語大学名誉教授・日本常民文化研究所所員。著書『無文字社会の歴史』(岩波現代文庫、2001)『口頭伝承論』I、II(平凡社ライブラリー、2001)ほか。訳書 レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』I、II(中公クラシックス、2003)『ブラジルへの郷愁』(中央公論新社、2010)ほか。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

「2023年 『構造人類学 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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