藁のハンドル (中公文庫 B 1-30 BIBLIO20世紀)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122039858

感想・レビュー・書評

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  • まさに経営の天才と言われたヘンリーフォードの経営論。ヘンリーフォードの凄さはこの本だけでは語れないはず。【印象的なことば】
    ①企業の歩むべき真の道は、その使命に従い、当初から企業に信頼をおいていた人々、すなわち大衆へのサービスを追求することである。
    ②心配すべきなのは、成長していない企業である。なぜなら、そうした企業は、サービスを提供していないからである。
    ③私たちのまわりにあるものは、昨日の標準なのである。

  • 図書館にて借りた本。

    自動車王ヘンリーフォードの経営や企業に関しての考え方がわかる本。
    本質を突いてる点もあるが理解できないところもあった。

    「企業(経営)の真の目的は大衆へサービスするためにある」
    そのために、商品の値段を下げ賃金を上げること。
    またフォードは労働者も大衆とみなしていた、よって労働者も大衆と同じようにサービスすることを重要視した。
    →これこそが経営の本質だと思うが、実際やるのは難しいと思う。



    またフォードは慈善事業をよく思っていなかった。
    慈善事業をするくらいならば、弱者に働く機会や能力を与えるべきだと考えていた。
    この点は、カーネギーとの違い。


    企業経営に携わる機会があればこの考えを踏襲していきたい。

  • この本の中でいちばんシンプルなやつ

    会社の利益をどう使いますか?
    1. 会社を大きくするために使う
    2. 従業員の給料を上げるために使う
    3. 商品を見直してコストを下げるために使う

    正解は3番。
    会社が利益を得られたのは、消費者のおかげ。
    だからその利益は商品のコストを下げるために使おう。
    コストを下げれば価格が安くなる。
    だから消費者の負担は減って、うれしい。
    得た利益は、こうやって消費者にお返ししないといけないよ。

    さらに、3番をやることによって、将来的には2番と1番も達成できる、ということも言われています。
    商品が安くなることで購買力が上がる。
    すると仕事が増えるので、給料が上がるし、会社も成長する。

    再び得た利益をまた消費者に還元すれば、この好循環はずっと続いていきます。
    つまり、3番の選択というのは、好景気、好循環の第一ステップです。
    だから経営者は3番を選ぶしかない。
    大衆第一。それ以外の選択はありえない。

  • ヘンリー・フォードの自著で日本語に翻訳されている物は少ないので本書はとても貴重だと思います。経営学を学んだことがある人はもちろん、そうでなくともフォードのT型モデルが成し遂げた成功物語は、多くの人がその断片だけでも聞いたことがあると思います。しかしT型を作ったことが彼の全てではありませんし、本書を読んで、人間ヘンリー・フォードに深く迫ることができてとても感銘を受けました。

    本書を貫いてフォードが主張している「賃金動機」。これは、企業は利潤を生み出すために存在しているという「利潤動機」へのアンチテーゼであります。ただこの文言だけを見ると、フォードはあたかも従業員寄りの経営者なのかと思いきや、利潤は株主の物ではなく従業員の物でもなく、「大衆」に帰属するものである、ということでいわゆる「顧客第一主義」を貫いているわけです。企業は大衆が満足するサービスを提供する、利潤が生まれたら製品価格を下げて顧客が買いやすいようにする、そして潜在顧客でもある自社従業員の賃金を高める、これによって企業は栄えるというロジックです。

    21世紀の米国企業を見ると、株主至上主義がいまだに勢いを持っていますし、それは日本にも流入しつつあります。しかしマイケル・ポーターがCSV経営(Creating Shared Value)と言い始めているように、米国でも株主至上主義は疑問を持たれ始めていて、やはり本当に正しいのはフォードのような考え方ではないか、大衆に対するサービスが第一で、利潤はその結果ついてくる、というのが真実ではないかと本書を読んで改めて思いました。その意味で、日本は周回遅れで株主重視主義やROE経営の波が来ていますが、これは間違った流れだと個人的には考えています。ヘンリー・フォードの人となり、思想といった人物像を描くために本書は必読だと思います。

  • 考え方が強い。まずは人。道よりも車。

  • 優れた企業家の気迫と行動力を伝えてはいるが、古い。

  • ヘンリー・フォード『藁のハンドル』中公文庫 読了。自動車王フォードの理想は、かつての日本的経営の原型となった。世界恐慌以前の著書ということで、経済学的主張に一部違和感を感じるが、理念として現代に通じる箇所も多い。彼は合衆国内に豊かな「フォード王国」を築き上げた。
    2010/11/19

  • 4122039851 245p 2002・3・25 初版

  • 訳者が悪いのか、元々なのか、私には全く響かなかったし、面白いと思えなかった…。書いてあることは正しいのかもしれないけど、読者のことを全く考えないで書いてるな、という感じ。楽しめなくて残念。

  • ヘンリーフォードが自ら書いた本で、大変貴重な1冊です。

    とても、昔に書かれた本とは思えず、ビジネスで自分が何をすべきか迷っているような方の道しるべとなることでしょう。

    何のためにビジネスをするのか?会社とは何のために存在しているのか?その答えを見つけるきっかになると思います。

    ヘンリーフォードの社会の人たちの役に立ち幸せになって欲しいという想いが伝わってきて、感動して涙が出てきました。

    ビジネスに携わっている人だけではなく、私がそうなのですが、今資格受験生などの勉強をしている人にも役立つでしょう。

    合格後の自分がやるべきことを今から高い志を持って考える参考になると思います。

    最近、この世を去ったスティーブ・ジョブズのスタンフォードでの伝説のスピーチなど、偉大なる経営者というのは、極めて高いレベルの哲学的な問題にまで言及しており、非常に感銘を受けます。

    ↓ジョブズの伝説のスピーチについては、こちらが参考になりますし、動画を見ることができます。

    http://www.shikaku-king.com/article/201110/jobs.shtml

    全ての人に読んでいただき、会社の存在意義、商売の目的を一度考えて欲しいです。

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著者プロフィール

1920年代「T型フォード」で大衆にモータリゼーションを広め「自動車王」と呼ばれた大実業家。技術者出身でエジソンの工場でも働いていており、自動車の開発・事業化にあたりエジソンから多くの知恵を授かっている。

「2012年 『自動車王フォードが語るエジソン成功の法則』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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