酒中日記 (中公文庫 よ 17-9)

制作 : 吉行 淳之介 
  • 中央公論新社
3.03
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本棚登録 : 100
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122045071

感想・レビュー・書評

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  • お酒が好きなのか嫌いなのかか、飲んでいるのか飲まれてるのか、いろいろな方がいるので見ている分には楽しい。

  •  吉行淳之介(1924~1994)編「酒中日記」、2005.3発行。酒にまつわる文士32人のエッセイ集です。未読の作家、結構多かったです。服を脱がそうとするホステス達と格闘する吉行淳之介、男に逃げられ毎晩やけ酒を飲んでる噂の瀬戸内晴美、奈良漬屋の前を横切っただけでフラフラになる宮尾登美子、などなど。酒の話は自分が自分流に楽しめばいいのであって、人に聞かせるものではないと、あらためて感じましたw。 

  • 2017/3/5購入
    2017/8/22読了

  • 作家がまだまだ文士然としていた時代。日暮れとなるや集魚灯に誘われるかのようにネオン街に繰り出し、酒をはさんで談論風発。2軒3軒とはしご酒。午前様にご帰還。そして翌朝は決まってひどい二日酔い…。32名の作家が自身の酔態を赤裸々に語るリレー形式の日記風エッセイ。

    トップバッターは本書の編者である吉行淳之介。昭和41年、42歳の時。トリは吉村昭。昭和63年、61歳の日記で終わる。

    【吉行淳之介のえげつない二日酔い】
    神田神保町のうなぎ屋から飲みはじめ、仕事場のある山の上ホテルに戻るまで6軒のハシゴ酒。翌日にはこんな強烈な二日酔を経験したことがないと呻く。

    【山田風太郎の迷言】
    酒を鯨飲し、したたかに酩酊。寒風の中を徘徊。それが原因で血尿たらたら。そんな事は一向も解さず徹夜で麻雀。「麻雀は血尿をシタタラせつつやるに限る」と!

    【野坂昭如の酒の肴は「五木寛之」】
    飛ぶ鳥を落とす勢いの五木寛之をこき下ろしながら、飲む酒は極上だったような。

    【開高健はあくまでもコピーライター】
    ウイスキーを飲みつつ文章を書くのはむつかしい。酔って酔わず、醒めて醒めずという状態をコンスタントに保つのがむつかしい。

    直木賞受賞前夜から当夜までのドキュメンタルな記述も面白い。田中小実昌・阿刀田高・山田詠美の日記には、ドキドキ感と受賞後の狂乱が昔も今も変わらないことがうかがえ、様々な文学賞あれど直木賞・芥川賞が別格であることを再認識。

    当時の作家たちは文壇バーがあることもあって、とにかく銀座がお好き。それと、友人の作家宅での家飲みに昼酒、飲んでいる酒場に呼び寄せたり、酒場でブラックジャックに興じるなど、古き佳き昭和の長閑さを文士の酔態で知れる甘露な本です。

  • 「小説現代」に連載されていた人気シリーズの文庫版。吉行淳之介を筆頭に、開高健、遠藤周作など名だたる文豪達による珠玉の酒日記。宴席での名言・名シーン満載です。直木賞、芥川賞など各賞の舞台裏を綴る著者もおり、そうした面でも楽しめる逸品。

  • 堕落の路

  • 吉行淳之介編「酒中日記」には、文豪の酒道の数々が述べられていて興味津々である。初版が1988年、講談社からの発行ということだから、かなりの古豪たちの肉声にも接することが出来る。それがとても稀有な同書の持ち味となっている。ちなみに再録再編集された文庫本が中央公論新社より出版されているのである。

    編者、吉行淳之介の前書きにてこの随筆集は始まっている。「某月某日」の日記というスタイルにて、各執筆者たちの酒にまつわるあれこれが展開されていく訳である。読み進めでいて心地よいのは、古豪とも称される筆者の筆致のそれぞれが、決して武勇伝に陥ることがないということである。これはまさに新発見である。文豪、古豪と云えば、おいらにとっても雲の上的存在ではあるが、彼らの多くが「酒」に対して成功談よりも失敗談に終始していたということは、文豪たちの日常を表すある種のシンボルとして注目に値するだろう。

    リレー式にバトンタッチされていく同書の編集は軽んじて、おいらは好きだった作家、懐かしさの濃い作家の順にページをめくって行くことにした。吉行さんから始まって、北守夫、そして以下飛び飛びに、五木寛之、笹沢佐保、野坂昭如、渡辺淳一、筒井康隆と読み進んで、生島治郎に戻って、一呼吸置いていたところである。

    生島治郎さんと云えば、「片翼だけの天使」という名作で、トルコ嬢(今はこれ、禁句だっけ?)との一途な純愛を描いた先生である。この偉い先生をスルーしてしまったことを反省。改心しつつ文章を追っていると、直木賞受賞前後の記念碑的日々のあれやこれやが、酒中日記ならぬ酒中御見舞いのごとくに丁寧な筆致で記されているではないか! 昭和42年秋の生島先生の晴れの日を思いつつ、改めて心からの乾杯をしたところなのでありました。

  • だいたい昭和40年代に連載された、文壇の有名人たちによる酒飲み日記。各人の文章はほんの数ページで、お互いに関連する話になっている場合もある。作家同士の交流や、祝い酒、接待酒などなどさまざまな場面での覚え書きのようなエッセイが続く。生島治郎氏の夕食の献立を聞いて回る話や氏自身の直木賞受賞の晩の話など、なかなか面白い。雰囲気として百?先生の日記みたいですが、気がつくとひたすら銀座のバーのはしごやらホステスさんのはなしやらそんなのばっかりなので少し飽きてくる。しかし皆さんの飲んでいるお酒が意外と偏っているのには驚く。基本的に洋酒の水割りなんですね。ポートやマディラなども出てきますが、「夜中飲み明かした」ってあんなもの大量に飲むものじゃないと思うんだけど。まあ風変わりで話の種にってことなんでしょうけどね。

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