喪黒福次郎の仕事 (中公文庫 コミック版 ふ 2-53)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122046948

感想・レビュー・書評

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  • あの喪黒福造の弟だというから、いったいどんなセラピーを施すのか見ておきたい。
    弟からすれば、兄の喪黒福造のすることはひとびとを人生の落とし穴に誘い込み破滅させる魔性の行為であるとのこと。弟の福次郎はそうではなく、ひとを救い出す仕事をしているのだと宣言している。あたかも対の存在として扱われているが、彼の設定は「弟」なのである。まだまだ青二才なのである。
    彼の成す仕事は、セールスマンとしては駆け出しのようで、兄には遠く及ばない。というよりかは、彼はまったくと言っていいほど、セールスをしていない。彼がすることと言えば、気になるひとを見つけて観察して、助言することである。兄は観察にもとづき、心の隙間に関する「気付き」と行動変容を与えるれっきとしたセールスマンであった点から比較しても、仕事の質はまだまだなのである。観察にもとづいた事実を利用し、本人が気付かなければ、どこまでいっても助言やおせっかいで終わってしまう。そんなことなら他人から言われなくても、本人が一番よく知っている。知っていても繰り返す行動から抜け出せないのだ。一人前の心のセールスマンとして続けていくには、もっと修行がいる。
    こんなことを考えていると、おそらく、対の存在として弟を描きだすのではなく、ひとりの心のセールスマンの修行時代を描いた、そんな作品として考えていたのではないかと思っている。ある意味、若い頃の喪黒福造の姿なのかもしれない。もしも長期連載が叶っていたら、半人前のセールスマンの成長期が見られたかもしれない。

  • 全1巻

  • 喪黒福造の弟の福次郎が主役の本。
    人に良き道を導くのが彼の役目なのだが、
    道を外す人のほうが多い。

    Aさんの大人漫画はサラリーマンが主役で、どうしようもない奴らを制裁するストーリーが多い。
    これもそんなかんじ。

    (2013.02.21 読了)

  •  変に、弟「喪黒福次郎」に人間味を持たせたせいか、兄「喪黒福蔵」にあった「非人間性」の魅力を奪っている。だから、福次郎はただの奇人変人の域にとどまっている始末。「おまえ、何したかったの?」と、思わず突っ込みを入れたくなってくる。
     ちょくちょく福蔵が相手をした人物に似たキャラクタがでてくる。
     

  • 笑ウせぇるすまんこと喪黒福造は、たいていオチとしてターゲットが不幸になるが、弟の喪黒福次郎君はいい人(たぶん)。
    悪意なく他人に手を差し伸べた結果、その相手はそのまま普通に幸せになる人もいれば、意図せず不幸になる人もいる。
    不幸になるパターンは喪黒福造と同じだが、ハッピーエンドの話は「???落ちがないじゃん!」と思うものばかり。
    別に必ず不幸にならなきゃいけないとは言わないけれど、なんか釈然としない(笑)。

  • たまに読み返す。ネーミングの法則は兄版と同じ。

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