動物妖怪譚 上 (中公文庫 B 21-13 BIBLIO)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122047914

感想・レビュー・書評

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  • 上巻では、鬼天狗河童等、動物よりも妖怪寄りに紹介。
    出典が兎に角中国や日本の広範な古典に基づき、細かい。
    参考資料としてこれ程有用なモノはちょっと類例を見ない。

  • 鬼の途中で大分長いこと放置していたため、序盤の記憶がほとんど無い。
    この動物についてはあれとこれとそれと(原文付)、という形で列挙してある。出典の該当箇所について、原文と現代文による要約が付されているため、原文を見たいという時に便利か。

  •  大正15年刊行の「趣味研究 動物妖怪譚」を読みやすくした文庫です。

     表紙が綺麗でまず惹かれました。中身は、当時までにわかっていた動物妖怪について、種類・年代で整理されています。
     鬼・天狗・河童・人魚・海坊主・雪女・竜などなど、詳細に分類されています。

     妖怪を研究することは、妖怪を消してしまうことと言われています。

     妖怪の正体を暴き、素性を明らかにしてしまうからです。

     それは妖怪好きとしては哀しいことですが、科学を急速に取り入れ、合理的に進もうとしていたこの時代に、妖怪なぞに振り回されるのはいかんと著者が考えたのは必要だったと思います。

     筆者は「この書を読む人たちが、迷信から科学へ一歩でも近付いて下されば、著者の望みは足りたのである。」と書いています。

    「山間の寒村ならばまだしも、大都会の真中で白昼迷信が行われる。嘆かわしいことである。」

    「不思議の征服も怪物の正体暴露も皆科学智識の発達の御蔭だ。」

    「不思議を作り出して之を征服していく所に人間の進歩がある。」

     その辺が読みどころです。

  • 古より「怪を成す」とされてきた動物について、これほどまでに纏められた文章は、なかなかお目にかかれません。それも文庫で。「鵼」には瞠目しました。(「京極夏彦、推す」の帯は買ってしまいますよ。ズルい…)

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