クランⅥ - 警視庁内密命組織・最後の任務 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
3.42
  • (2)
  • (5)
  • (11)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 91
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122065116

作品紹介・あらすじ

首相による非常事態宣言発令により、警察上層部から指揮権を剥奪した「クラン」。捜査一課の晴山警部補たちは、身命を賭して全ての黒幕「神」への手がかりを掴む。しかしその最中、命を狙われているはずの足ヶ瀬巡査が忽然と姿を消してしまう。予測不能の裏切り、暗殺者との決戦。刑事たちは「神」を捕らえることができるのか――。かつてないクライマックス、警察小説の歴史が変わる。書き下ろしシリーズ堂々完結。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ふだん警察小説など読まない私がこのシリーズを手に取ったのは友人が面白いと薦めてくれたからだが、見事にはまった。
    文章にリズムがあり、キャラクターの書き分けが的確にできていることから、相当に力のある書き手だという印象を受ける。岩沢、上郷、区界の描出が特に際立っている。
    これほど登場人物が多く複数のストーリーが同時並行するのに、混乱することはなかった。ちょうど完結のタイミングで、ラストまで一気読みできたのも良かったのだろうが。
    ありがちな娯楽小説になっていないことが何より好感が持てる。ただの売れ線狙いではこんな構成や終わり方を選ばないだろう。警察の闇にとどまらず、もっと大きな闇を捕らえようとしており、深いテーマ性を感じる。
    実に興味深い作家に出会えた。近刊は全く別のジャンルらしいし、今後は警察小説以外のものを読んでみたい。

  • シリーズ最終巻。
    前作までで「神」の存在に迫りつつも、多くのメンバーを失ってしまったクランのメンバー。
    ラストで上郷の逆襲が始まったところで終わり、最終巻ではいよいよ「神」を始めとする「裏理事官」などの黒幕を追い詰めていく。
    しかし、ここまで来ても、誰が味方で、誰が敵なのか、全く分からない展開で、6作目までで大分登場人物も増え、正直内容に付いていけない状況に…
    落としどころも、こんなものか…と少し納得いかない部分もあり、最終巻まで読んで思ったのは、「神とは一体何だったんだろう?」その一言に尽きる。
    少し時間を空けて、1作目から読んでみたら、また違う感想が出て来るかもしれない。
    ただ新しい形の警察小説だったのは確かなので、もっといろいろな人に読んでもらいたい。

    • ことぶきジローさん
      参考になります。やはり混迷のままに完結するのですね。
      参考になります。やはり混迷のままに完結するのですね。
      2018/02/21
  • 「クランI」から約2年半、ついに大団円。私も直助ロス…
    リアルな部分と、ありえない大胆な設定とが入り混じった警察小説で、楽しませていただきました。随分と引っ張ったのにスパッとは終わらないのですね。

  • 最終巻ということで、全面解決を期待したが、何やら消化不良の感は否めない。
    次々と起こる異様な事件、所轄から警察庁果てはFBIへと広がる登場人物と、読み手を引っ張てはきたが。
    神とは、結局誰あるいは何だったのだろう。

    また、一話完結のシリーズものなら、刊行の間が空いてもそれほどでもないが、このように連続するシリーズものは、間が空くと興味が削がれてしまう。やはり、こういうシリーズものは、刊行の都度読むのではなく、完結後まとめて読む方が楽しめるかも。

  • 沢村鐵『クランⅥ - 警視庁内密命組織・最後の任務』中公文庫。

    シリーズ完結編。書き下ろし。全くもって面白くない。同郷の作家ということで誉めたいところなのだが、誉める要素が見当たらない。苦痛を感じながら、何とかこの最終巻を読み終えたというのが正直な感想。

    殆んどが大量の会話と一人称の視点で綴られた、全く映像が見えない描写で構成されているために、神にも警察組織にも興味が湧いて来ないのだ。

    • バス好きな読書虫さん
      読み終わったんですね!ここまでの展開が面白かっただけに、本当に残念な終わり方でした…前のシリーズも終わり方がイマイチでしたが、今後良くなるこ...
      読み終わったんですね!ここまでの展開が面白かっただけに、本当に残念な終わり方でした…前のシリーズも終わり方がイマイチでしたが、今後良くなることを信じて、応援します!
      2018/02/23
  • 首相の非常事態宣言により警察上層部から指揮権を奪ったクラン。晴山警部補たちは身命を賭して黒幕「神」への足がかりを掴む。しかしその最中、「神」から命を狙われているはずの足ヶ瀬巡査が忽然と姿を消す。予測不能の裏切り、暗殺者との死闘。刑事たちは巨悪との最終決戦へ挑む。

  • 結局、謎のままだったな~。残念なような、謎のままでよかったような…でも、消化不良です。唯一よかったのは区界さんが生きてたことかな。晴山さんの存在も最後まで謎でした(笑)いいとこなし(笑)

  • テンポよく話が進みシリーズを追うごとにスケールを上げてきたがラストは霧の中のようなあやふやさ。
    神の正体が誰だったのか直助は何者だったのか、反物質なんて単語も出てきてけむに巻かれた感が大きい。
    神の正体がクランメンバーの誰かなら目的は警察閥への挑戦と目的を同じにしていたのなら、なぜ事件を起こし続けたのか。
    とりあえず勝利をおさめたが、正体が謎のままなのはまだいいとして、目的や行動がいまひとつすっきりしないのが残念。

  • 09月-02。3.0点。
    クラン最終巻。「神」を追い詰めたクランの面々、正体は。。

    不完全燃焼。ま、スピード感あり、攻守逆転有りとあっという間に読めるが、予想通りの混沌結末だった。

  • 非常事態宣言発令により、警察の指揮権は首相へと移った。「神」と「クラン」。最後の決戦の行方は――。シリーズ最終巻、かつてないクライマックス!

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

沢村鐵
一九七〇年、岩手県釜石市生まれ。二〇〇〇年 『雨の鎮魂歌(レクイエム)』でデビュー。著書に「警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結」シリーズ、「クラン」シリーズ(以上、中公文庫)と、その番外編『ゲームマスター 国立署刑事課 晴山旭・悪夢の夏』、「極夜」シリーズ(以上、祥伝社文庫)のほか、『あの世とこの世を季節は巡る』、『はざまにある部屋』(以上、潮文庫)、『謎掛鬼 警視庁捜査一課・小野瀬遥の黄昏事件簿』 (双葉文庫) などがある。
ウェブサイト〈沢村鐵のフィラメント〉http://www.t-sawamura.net/

「2023年 『世界警察4 悠久のフロスティグレイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

沢村鐵の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×