101歳。ひとり暮らしの心得 (中公文庫 よ 57-3)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122067745

作品紹介・あらすじ

今日という日はいつも新しくこれからの人生の始まり。でも、けっして孤独ではありません。まわりの人々に支えられて、自宅の小さな菜園で野菜作りを楽しむ。しかも、新聞や雑誌の特集を持ち、社会的な意義を持つ会合には出席するという行動力を維持している生き方には、中高年読者に勇気を与えてくれています。本書におさめられている一編一編のエッセイによって、毎日の小さな喜びを大事にする生き方が、いかに心を明るく前向きにし、周囲にも良い感化を及ぼすかも納得できます。いま望むのは、悔いの残らない毎日を過ごすこと。病気や病院とどうつきあっていくか?日々大事にしていることは? 101歳の吉沢さんが教えてくれた人生の知恵。

感想・レビュー・書評

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  • 昨年3月、101歳で他界した家事評論家の吉沢久子さんは一昨年「100歳の100の知恵」という本を出したくらいだから亡くなる直前までお元気だったのだと思う。これはその本やその他を再編集・加筆したもの。たいへん参考になった。

    実際私も仕事の関係で、この数年間に100歳以上のお年寄りと5人ほどお知り合いになった。みんな穏やかに歳をとり、認知症を患っていても、亡くなる直前まで外に出れるくらい元気な人が多い。頭のクリアーな方も多い。秘訣を聞いても、そう簡単には教えてくれない。

    そういう意味では、この吉沢久子さんはクリアーに秘訣を語ってくれています。繰り返しが多いという勿れ。それだけ、秘訣はシンプルなんだと思う。

    1ページまるごと「秘訣◯◯(例えば、美しいものは小さなものでも見逃さない)」と見出しだけを書き、つぎは1-4ページかけて、中くらいな字体で、優しく内容を語りかけるという体裁です。

    曰く。
    ・歳を重ねた分「いい思い出が増えていく」と考える。
    ・歳をとると、できなくなることが増える。変わる工夫をしてみる。それと、潔くあきらめる。
    ・年下の友人は人生の宝物。そんな機会を持つ(毎月数十人のメンバーが交代でひとつのテーマを発表する「むれの会」を主催。40年以上続いている)。
    ・いくつになっても、新しいことを始める。
    ・手紙は毎日何通も書いている。郵便ポストまで手紙投函が外を歩く機会になっている。
    ・「断捨離ブーム」に流されない。思いつきで簡単に暮らしは変わらない。変えない。
    ・家事は手抜きでもいい。投げやりにはしない(内容読むと、私は大変反省させられました)。
    ・介護保険創設に携わった人なのに、未だに介護保険を使っていない。昨年、初めて申請だけはした時に役所の人と「その歳でどうして被保険者証がないんですか!」と押し問答をしたほど。もちろん甥とかには助けてもらっている。
    ・いざという時の備え。「身の回り入院セット」寝間着用に仕立てた俗衣、バスタオル、おしぼりタオル、下着、洗面用具、乳液、コンパクト、口紅、ヘアブラシ、ポケットティッシュが①、ご飯茶碗、湯呑みと茶碗、箸と布巾、はごき、便箋、ボールペン、封筒、原稿用紙、万年筆、認印、健康保険証が②「災害セット」も。
    ・66歳からひとり暮らし。60代は自分の生き方を考える時期。「日本人の生活史」について学び、まとめた
    ・遺言は弁護士に渡している(今が3代目の弁護士)。無理な延命処置はしない。お葬式について。財産処分について書いている。本は図書館が受け入れOK、献体の登録も。

  • 毎日の小さな喜びを大切に、前向きに悔いの残らない時間を過ごす――101歳で大往生をとげた吉沢久子さんが教えてくれた、幸せな暮らしかたの秘訣とは?

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著者プロフィール

吉沢久子

一九一八年、東京生まれ。文化学院卒業。生活評論家、エッセイスト。十五歳から仕事をはじめ、事務員、速記者などを経て、文芸評論家の古谷綱武氏と結婚。家庭生活の中からの見聞や、折々の暮らしの問題点、食文化などについて提案し、執筆や講演活動、ラジオ、テレビなどで活躍。姑、夫と死別したのち、六十五歳からの一人暮らしは三十年を超えたが、二〇一九年三月、一〇一歳で死去。著書多数。

「2021年 『100歳の100の知恵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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