- Amazon.co.jp ・本 (417ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122067967
作品紹介・あらすじ
新元号「令和」最初の総選挙投票日――。出世拒否、バツイチ、オーディオ狂で50代ながら捜査一課ヒラ刑事の真行寺巡査長は、その夜、新大久保で焼肉屋の喧噪の中にいた。選挙速報によると、首相の名を冠した金融緩和政策を批判し立ち上げられた新党が、予想以上に議席を獲得しつつあるという。新党支持派の若者たちが盛り上がっていると、店内に怒声が響く。「令和令和とはしゃぎやがって!」。常のごとく巻き込まれる真行寺だが、このときはまだ、自らが日本経済の裏を覗き見るハメになるとは知る由もなかった……。
圧倒的なスケールに「真行寺マニア」激増中のハマる警察小説シリーズ、待望の第4弾!
感想・レビュー・書評
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榎本憲男『エージェント 巡査長 真行寺弘道』中公文庫。
シリーズ第4弾。書き下ろし。
警察小説というよりも今のご時世を反映した経済政治小説みたいな内容。好き嫌いが極端に出そう。
個人的には今一つしっくり来なかった。シリーズ第1弾のみが群を抜いて面白い。
本体価格820円
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新元号「令和」最初の総選挙投票日――。出世拒否、バツイチ、オーディオ狂で50代ながら捜査一課ヒラ刑事の真行寺巡査長は、その夜、新大久保で焼肉屋の喧噪の中にいた。選挙速報によると、首相の名を冠した金融緩和政策を批判し立ち上げられた新党が、予想以上に議席を獲得しつつあるという。新党支持派の若者たちが盛り上がっていると、店内に怒声が響く。「令和令和とはしゃぎやがって! 」。常のごとく巻き込まれる真行寺だが、このときはまだ、自らが日本経済の裏を覗き見るハメになるとは知る由もなかった……。
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8月-8。3.0点。
巡査長真行寺シリーズ。令和最初の総選挙、あるもめ事がきっかけで映画宣伝会社の社長が殺害される。
どんどんきな臭くなっていくストーリー。
相変わらず、広げた話を着地させるのが上手い。
次作も期待。 -
シリーズ4作面の今回は政界が相手と思いきや、米国や中国も絡むストーリー。政界の登場人物にはそれぞれこの人がモデルだろうな、と思わせるキャラになっていて、ご本人の顔を想像しながら読んでしまいました(妙にしっくりくるから不思議です…)。
米国の脅威が見え隠れはするものの、最終的には中華街の店で一触即発になった程度で”かすった”かなという程度。ラストの埠頭のシーンはまさかの展開でちょっと拍子抜けしたような、乗船が間に合ってほっとしたような…。
5GやMMTやオプトなど現代の世相を思わせるネタが散りばめられている点はもはやお約束、こういった世の中ネタの絡ませ方はタイムリーなところをついていてさすがと思わせられます。本シリーズのおもしろさの一つにこういったネタの一つひとつが「ほんとうに起こるかも」という内容であることではないかと感じます。2作目のブルーロータスで登場した北海道の自動運転研究所は最近トヨタが富士山麓に作ると発表した”街”と似ていますしね。
こういったスケールのある”事件”に対峙する真行寺のキャラはといえば、ちょっと一匹狼的、でも決して上司に対して反発するわけではなく、公務員として守るべきところは守り、それでいて適度にハメを外すという、いわばアウトロー的な魅力に溢れているわけです。こんなキャラが組織としてではなく、一人の人間として事件を少しづつ解き明かしてゆくという構図はやっぱり”絵”になりますね。黒木が登場することで事件解決へと向かうスピードがupするのもよいアクセントになっていると思います。 -
ややこしいシナリオだったが面白かった。きちんと白黒付けずに終わるのがこの作品の特徴かな。無理に決着付けないというのもなかなか味わい深い。
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巡査長真行寺弘道シリーズ第四弾。
「令和」初の衆参同時選挙で自民党から離党した2世議員(小泉進次郎を思わせる)の立ち上げた新党が議席を伸ばす。その選挙結果を巡って起こった居酒屋での暴力事件。その被害者が翌日、痴漢の疑いをかけられたまま線路に突き落とされ轢死する。
黒木からのメッセージを受け、この事件を調べ始めた真行寺は、次第にこの国を巻き込む大きな陰謀を知ることになる。。
今回も本来の事件はどうなったんだ?と言わずにはおれない程の脱線に継ぐ脱線。真実を知りたい病の真行寺はどんどん日本を取り巻く闇へと突き進んでいく。
それでも、今流行りのMMTの理論を経済音痴の私にもわかりやすく説明してくれる頃には最初の事件なんてもうどうでもよくなってくるのがこのシリーズの面白さ。
さりげなく社会に溶け込むロボット「オツレサン」の不気味さ。便利さの先にある危険。「すべては情報だ」という黒木の言葉が身につまされる。
今回の陰謀も、今や経済大国となった中国を見るとあながち荒唐無稽なことではなく薄寒くなる。
今回、真行寺は何も収穫なく捜査一課に帰っていくんだけど、それでも不承不承ながら庇おうとする水野課長の懐の深さ。普通なら許されないよね。
さて残るはあと1作。読みますか。 -
もはやミステリーの枠から遠く離れても平気な感じ。新しいジャンルになりつつある。
ただ、こんなに現実をなぞらなくても良いかな? -
「令和」初の総選挙当日――。首相の経済政策を酷評し躍進する新党に批判的な男が、騒動を起こす。現場に居合わせた真行寺は騒ぎに巻き込まれるが……。