彷徨う勇者 魔王に花 (C・NovelsFantasia さ 6-1)
- 中央公論新社 (2013年7月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784125012575
作品紹介・あらすじ
魔帝の母と人間の父の間に生まれた七人兄弟の末っ子アランは、人の世で助けた娘オリガに恋をした。想いが叶わぬときは砂になる-制約付きで人間になれる薬を呑み、「帰りたい」という彼女の願いを叶えようと奮闘する。旅の途中、魔に襲われ逃げまどう人々を背に庇い、立ち向かったオリガ。彼女の正体は魔帝を殺す使命を帯びた勇者だったのだ!魔王アランも彼女の標的で…。第9回C・NOVELS大賞特別賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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Cノベルス大賞特別賞との事でデビュー作でしょうか。主人公アランの性格が真っ直ぐで気持ちよくストーリーもしっかりしていて、なかなか良かったと思います。主人公の他の6人の兄姉がそれぞれ違った興味深い性格をしているのに、実際作中でスポットが当たり生き生き活躍するのは約2名なのが惜しいです。あと、アランの片思いの方に重点が置かれていて、相手方のオリガがアランに気持ちが傾く描写が弱いかな。
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あまり好みではなかった
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少女小説らしい甘やかさと若干の残酷描写。
首の話はどうしても煌夜祭と重ねてしまって……そうすると骨太さとか恋愛以外の出汁もほしくなってしまい、わがままが顔を出す結果となりました。
夜空にきらきらした花びらが舞い散る透明感のある作風。
総じてティーンズを卒業した若い乙女向けの作品だと思いました。 -
最近の受賞作の中では一番好きだった。全て読み切れているわけではないので、全部が全部とは言えないが、最近の新人さんの作品にはがっかりしたりすることが多かったので心の予防線を張っていたのだけれど、このお話はいい意味で裏切られた。それぞれのキャラクターが魅力的で、しっかり書かれていると思う。次回作にも期待。
内容には支障ないけど、一つ引っかかったのは挿絵。途中で、見た目戻ってるはずなのに人間バージョンのアランくんがいたような・・・勘違い、じゃないと思うんだけど・・・うーん・・・? まあ、読む分には差し支えないからいいんだけど。 -
一言でいうなら、人魚姫のパロディ。
ただ、それでも面白いと言えるのは、描写がしっかりしているから。
特にキャラがいい。全体的に可愛らしい。
主人公、ヒロインだけでなく、サブキャラクターもしっかり書けている。
惜しむらくは、悪役の小物っぷり。
みんないいひと、という世界観から抜けると、
ストーリーに深みがでるかも。 -
魔王の一人でありながら勇者である人間の娘オリガに恋をしたアランが、魔族と人間の間を取り持とうとしたり、勇者として孤独に戦うオリガを励まし助けようとする、といった感じの話です。
プロローグでアランの母親が人間の夫との昔話をアラン達兄弟に聴かせるのですが、その時点で話に引き込まれました。
アランはオリガと出会ってすぐに、人間になる薬を飲んでしまうし、人懐こい性格で、あんまり魔王っぽくないです。ですが、薬は想いが叶わなければ死んでしまうという副作用が話全体に大きく関わってきますし、オリガを守れるようになりたいとアランが成長していく話でもあったので、読んだあとでは結構良かったと思っています。
あと、アランの兄姉が個性的で面白かったです。6人のうち登場するのは3人だけですが。 -
まるで児童文学のように美しい作品です。
最近は魔王と勇者を題材にした作品が多いですが、この作品には他の作品とは一風変わった世界観が感じられました。
特に個性的な魔王の兄弟は面白く、出来ればきちんとした挿し絵付きの紹介が欲しい程です。
ちなみに、挿し絵について不満点があるのですが、途中でアラン君の姿がおかしいような。
思わず「あれ?読み間違った?」と何度も確認しました(^_^;)