政策型思考と政治

著者 :
  • 東京大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130300827

作品紹介・あらすじ

都市型社会の新しい状況には,新しい理論が必要である.政治の分権化・国際化・文化化が進むなかで,市民の可能性は,また政治・政策・制度・政府はいかに位置づけられるか.本書は分節政治の構想,政策型思考の定位に伴う国家観念との別れの書である. 東畑記念賞受賞

感想・レビュー・書評

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  • ≪大転換≫としての都市型社会の成立という時代認識のうえで、≪分節政治≫の構想、<政策型思考>の定位という新しい政治理論について論じている。具体的には、都市型社会の成立が広がれば、政府は、自治体、国、国際機構に三分化するとともに、政治は、この各政府レベルにおける≪政策・制度≫の模索・選択についての、市民の「組織・制御技術」となる、としている。
    1991年に出された本としては、地方分権についての考え方など、非常に先見的な内容になっている。しかし、都市型社会の成立に伴い、国家観念は崩壊・終焉したということを前提にしているが、国家は2010年代においても、いまだに重要なアクターとして機能しており、その認識は著者の願望に過ぎないといえる。このように、本書の記述は実証性に乏しく、観念的に過ぎるように思われる。また、政策主体として「市民」を高く評価しすぎのようにも感じた。

  • 独学で自治体のことを勉強しようと読了。自治体の意義・役割を再確認した。

  •  某管首相が政治思想の原点だと所信表明してからは、やや落胆しているのですが(本当に彼は松下氏の思考を理解しているのか大いに疑問)、自治体職員としての矜持を持たなければと確信を与えてくれた著書です。

  • ■政策には唯一絶対の正しい解がないということがよくわかる一冊。

  • 前期の授業テキスト。かなり難しかった。

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著者プロフィール

1929年福井県に生まれる.現在,法政大学名誉教授.元日本政治学会理事長,元日本公共政策学会会長.
著書:『市民政治理論の形成』『現代政治の条件』『現代日本の政治的構成』『戦後民主主義の展望』『現代政治学』『シビル・ミニマムの思想』『都市政策を考える』『現代婦人問題入門(編)』『市民参加(編)』『市民自治の憲法理論』『新政治考』『職員参加(編)』『市民自治の政策構想』『都市文化をデザインする(編)』『市民文化は可能か』『社会教育の終焉』『ロック「市民政府論」を読む』『自治体の国際政策(編)』『都市型社会の自治』『昭和後期の争点と政治』『政策型思考と政治』『戦後政治の歴史と思想』『現代政治の基礎理論』『日本の自治・分権』『政治・行政の考え方』『自治体は変わるか』『都市型社会と防衛論争』『戦後政党の発想と文脈』『自治体再構築』『転型期日本の政治と文化』『現代政治*発想と回想』『国会内閣制の基礎理論』『自治体改革*歴史と対話(本書)』など.

「2010年 『自治体改革*歴史と対話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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