- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784130301879
作品紹介・あらすじ
地方政府は自らの領域を超える課題にどのように対応するのか。政治制度に注目して、地方政府内の対立と地方政府間の競争による分裂した意思決定、そして政党の機能不全の下での住民投票による民意の表出という、日本の地方政治が抱える構造的問題を抉り出す。
感想・レビュー・書評
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社会経済的なまとまりである都市圏と政治的なまとまりである地方政府の領域の不一致により分裂した意思決定が行われることによる問題を考察。都市の中心をめぐる競争、分裂した意思決定の中での住民投票という2つの大きなテーマでの複数の論考を収録。
分裂した意思決定の克服に向けて、都市圏レベルの問題意識で結合する政党を育むような選挙制度を創設すべきという著者の処方箋については完全には納得できなかった(政党化していないからこその地方政治の良さがあるのではないか)が、政治制度が分裂した意思決定を生み出すことによる都市の発展が阻害されるという本書の問題意識はよく理解できた。
住民投票について類型化して、人々の住民投票に対する正統性認識等について、ヴィネット実験という手法で分析した「第5章 民意をどこに求めるか―住民投票と地方議会」が一番面白かった。投票率が高いほど住民投票の正統性が高まるわけではないといった分析結果はなかなか興味深かった。 -
面白かったです。
集合行為問題、地方政府内の分裂した意思決定、都市部と自治体の領域が異なる -
東2法経図・6F開架:318A/Su73r//K