オバマと中国: 米国政府の内部からみたアジア政策

  • 東京大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130331036

作品紹介・あらすじ

経済大国化した中国,緊張する朝鮮半島情勢,そして大震災と原発事故を経験した日本…….大きく様変わりするアジアにオバマ政権はどのような外交を目指すのか? オバマ政権でアジア外交を中心的に担った著者が,内側から明らかにする.久保文明,川島真両氏の解説を付す.

<strong>【著者紹介】
ジェフリー・A・ベーダー</strong> Jeffrey A. Bader
1945年生れ.エール大学卒業,コロンビア大学で博士号取得.国務次官補代理(東アジア・太平洋問題担当)や米国通商代表部(USTR)代表補(中国担当),国務省中国・モンゴル部長などアジア関係の要職を歴任.1999年から2000年までは駐ナミビア米国大使.2002年に国務省を退職.クリントン政権では国家安全保障会議(NSC)アジア問題担当部長(1997-1999).オバマ政権で国家安全保障会議(NSC)アジア担当上級部長(2009-2011)を務めた.現在はブルッキングス研究所の国際外交におけるジョン・C・ホワイトヘッドシニアフェローである.

<strong>【推薦のことば】</strong>
<strong>ジョセフ・ナイ</strong>(ハーバード大学教授)
ジェフ・ベーダーは,オバマ政権がその一期目において中国の台頭に対して,いかにして対処したのかを示す重要な本を執筆した.一期目で,ベーダーはホワイトハウスのカギとなるアドバイザーだった.翻訳者の春原剛は米政治を最も良く理解する日本人ジャーナリストの一人である.アジアにおける米国の役割に関心を持つ人はこの本を読むべきだ.

<strong>ジェームズ・スタインバーグ</strong>(前国務副長官・シラキュース大学マックスウェル外交政策大学院院長)
ジェフリー・ベーダーの著書は,オバマ政権によるアジア政策の根幹をなす戦略的な考え方について,信頼に足り得る洞察力を与えてくれる.米国による“対アジア再調整戦略(リバランス)”の背後にある現実を理解したいと考える人にとって,欠くことのできない初の歴史的書物と言える.

<strong>カート・キャンベル</strong>(前米国務次官補〈東アジア・太平洋担当〉)
オバマ政権の初期,21世紀に向けた米国のアジア政策の見直しの作業について,著者は本書で重要な解説をし,選挙戦の初期からオバマと深い関係を構築したことで,ジェフは,オバマ政権の大きな課題である中国とどのように向き合うかという問題についてのオバマ政権の考察を記すことができた.ジェフは重要な米外交戦略について,貴重な見識を本書で示した.

感想・レビュー・書評

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  • 【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】

  • 著者は、民主党員で国務省に勤務していた。民主党政権についても触れている。

  • 【アジアへのチェンジ】中東におけるテロとの戦いから距離を置き、アジアへのリバランスを図ったオバマ政権の対アジア政策を、当事者の一人が回顧した作品。台頭する中国を念頭に、いかにアジアと向き合ったかの一端が明かされています。著者は、オバマ政権で国家安全保障会議(NSC)のアジア担当上級部長を務めたジェフリー・A・ベーダー。訳者は、米中関係に関する著書も出版している春原剛。原題は、『Obama and China's Rise: An Insider's Account of America's Asia Strategy』。

    対日本、対中国、対インドネシア......といった二国間関係について得られるところも多いのですが、アメリカがアジアという地域をどのように大きな画で捉えていたかを知ることができる作品でもあると思います。政権とメディアの確執なども描かれており、外交プロセスを考える上でも参考になるかと。

    〜最大の課題は、中国と敵対し合うことは避けられないという仮説と、中国国内の良識派がその未来を決めるという仮説のどちらにも基づかない政策を作っていくことである。〜

    振り返るためにも☆5つ

  • オバマ政権のもとアジア外交を担当していた外交官による、今までのオバマ政権において各国に示してきた姿勢や政策の背景を、機密に触れない程度で触れられている書。本人が「これからの歴史研究において用いられたら幸い」と書いていたように、国ごとに米国の姿勢が要人の発言やおおまかな交渉過程など詳しくかかれている。アメリカにおいても政府は先導的なメディアに時折揺さぶられ、時には憮然とした態度をとっていた。また普天間基地移転問題でゴタゴタが起きた鳩山政権をかなりこき下ろしており、この部分については個人的に痛快であった。

  • オバマ政権の外交アドバイザーとして最前線に立ったジェフリー・ベーダー氏による外交の記録。各国別にどのような姿勢で外交に臨んだかまとめられている。
    オバマ政権は民主党政権であるから親中、一方の共和党は親日といった、大分簡略化され(そして不正確でもある)図式でアメリカの外交を見ていた人にとっては、このような図式を見直す契機となる書になるだろう。私自身、マスコミの簡略化された図式が、頭の中に残っていたため、この点が覆された点が大きな成果であった。よくよく考えれば、このような簡単な図式は成立しないのは、明白である。マスコミの報道を鵜呑みにしてしまいがちであるが、実際に書かれている構図が正しいのか、と考える癖を常に持ちつつ、日々の報道に向き合わなければならないと思った。(そう思ったのは、この本が説得力を持つからである。)

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著者プロフィール

ジェフリー・A・ベーダ―
ジェフリー・A・ベーダ―:ブルッキングス研究所上席フェロー

「2013年 『オバマと中国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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