経済哲学原理: 解釈学的接近

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  • 東京大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130402484

作品紹介・あらすじ

今日の経済学が切り捨ててきた問題と方法とは何か。ディルタイ、ハイデガー、シュンペーターらをふまえ、経済学に「価値」や「歴史」を基礎づける包括的な場を構想する。経済哲学の体系をしめす著者の集成。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、論理実証主義に基礎を置く科学哲学の下、自然科学に類似した「問題と方法」の立て方をとってきた主流派経済学に対する問題意識から、主流派経済学によって切り捨てられてきた「問題と方法」を基礎づける包括的な場として経済哲学の構想を提起するものであり、解釈学による経済哲学への接近の試みである。
    本書の論述は、現在に対処する経済哲学を考えるに当たって不可欠の思想的系譜に光を当てようとしたものであり、ディルタイ、ハイデガー、シュンペーターの3人の思想が本書の中核を構成している。
    本書における解釈学的接近においては、社会科学は「精神と社会」ないし「理念と制度」との相互関係を「解釈的循環」としてとらえられている。そして、本書における経済哲学の全体構想として、経済の存在論に接近し、あわせてそれに認識論と価値論を接合するということを提示している。
    本書は、経済哲学の構想とはいうものの、経済にとどまらない、重厚な哲学史の考察となっており、正直、1~2割程度しか、その内容を理解することはできなかった。しかし、内容がかなり示唆に富むものであることは感じられた。特に、経済学において、時間性の概念を取り込むことが重要であるということを感じた。

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