デザインの20世紀 (NHKブックス)

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  • NHK出版
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140016565

作品紹介・あらすじ

日常生活のなかで、「デザイン」が果たした役割とは何か。産業革命以後のイギリスに端を発し、20世紀社会を彩った「モダンデザイン」の担い手たち、そして試みを振り返る。

感想・レビュー・書評

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  • ウィリアム・モリスとアーツ・アンド・クラフツ・ムーヴメントから、現代に至るまでのデザインの歴史をたどりながら、私たちがみずからの生活スタイルを設計する「近代のプロジェクト」の帰趨について考察をおこなっています。

    近代以前において、デザインは生活スタイルの中から生み出されるものであり、しかもその生活スタイルは階級性と切り離しがたいものとして存在していました。これに対して近代では、デザインがまさに「デザイン」として生活スタイルから自律し、逆に生活スタイルを設計する機能を担うことになります。著者はこうしたデザインのあり方を「近代のプロジェクト」と呼んでいます。

    しかし、ドイツのバウハウスの運動からマシン・エイジを経て、「アメリカン・ウェイ・オヴ・ライフ」が世界を席巻する20世紀後半に至るデザインの歴史は、ひとたび自律を獲得したデザインが、ふたたび消費社会のうちに取り込まれていくというプロセスをたどることになります。本書は「デザインの20世紀」が歩んできた足跡を、こうした問題設定に基づいて見取り図を描き出そうとする試みです。

    戦後のデザイン史についての記述が弱いように感じましたが、著者が本書で示そうとしている問題意識は非常にクリアであり、一つの見取り図として興味深く読みました。

  • 機械化がもたらしたことは、単に便利になったことだけじゃないらしい。
    大衆社会を生み出したり、モノの消費の仕方が変わったり

    私たちはモノのデザインを消費しているのであって、機械を消費しているんじゃないってところで「確かに!!」ってなった。

  •  デザイン史が簡単に興味深く理解できる。
     特に、マシンエイジに対する話はわかりやすく面白い。

     柏木博氏の本はほとんど読んでいるので、読みやすかったんだとおもう。
     相変わらず、私の知りたい、いいたいことが書いてある。

     バウハウスに関する記述はいまいち。
     モダンデザインよ、もう一度。

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著者プロフィール

1946年生まれ。武蔵野美術大学卒業。デザイン評論家。武蔵野美術大学教授。近代デザイン専攻。著書には『20世紀を作った日用品』(晶文社)、『モダンデザイン批評』(岩波書店)、『探偵小説の室内』(白水社)、『「しきり」の文化論』(講談社)など多数がある。

「2013年 『わたしの家 痕跡としての住まい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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