よみがえる源氏物語絵巻: 全巻復元に挑む

  • NHK出版
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140810880

感想・レビュー・書評

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  • 国宝の源氏絵巻の彩色を復元すると、目を凝らしてもわからなかった絵巻の世界が身近になりました。着物の柄に驚かされます。細かい柄を截金のように描き込んでいます。庭には野草が植えられ風になびいています。襖も細密に風景が描かれていて、絵巻には色彩が溢れています。これを見たら、もう原画で苦労して絵解きをすることはできません。

  • 国宝となっている絵巻の拡大図はあまり掲載されておらず、どういうものが実際にいまの世界に残っているのかもどかしい気持ちもあったが、丹念に復元にあたった画家、研究者、古くからの文化を伝える人々、わずかに残る平安からの風景、それらがきっと平安時代の思いを映していると思えた。細かな色彩や描写ももちろんだが、彩色が戻り、改めて大胆な構図にうっとりと惹かれた。

  • 国宝の源氏絵巻の彩色復元の過程を追ったノンフィクション。

  • 復元模写全十九図が見開きで載せられており、色鮮やかで詳細な箇所までよく確認できて、非常に見ごたえがある。現存するあの源氏物語絵巻が描かれた当時には、舞い散る桜の花びらが、庭の花樹が、人物たちの着る衣装の紋様が、こんなにため息が出るほど華やかで美しかったのかと驚く。
    さらに復元の過程を、これもオールカラーの数多くの画像と共に紹介していて、こちらも非常に読みごたえがある。ほとんど色味がくすんで見えないような部分まで、残っているわずかな色の絵具を元素レベルまで分析して当時の色を特定したり。肉眼では見えない紋様を特殊な写真に撮ることで浮かび上がらせたり。色あせた昔の絵画や工芸品の色合いをCGで復元するという取り組みは以前からあった、それを資料や想像によるだけでなく同定しようという試みが、わかりやすく詳細に説明されていて、非常に面白かった。科学的分析だけでは決して完成しないものだろう、絵師の方々が、京都や滋賀に赴いて描かれたであろう風景を実際に眺めたり、模型で復元したり。科学的根拠と想像力を合わせて創造し、できあがった復元図というのが素晴らしい。

  • 大きさもちょうどよく、見やすく美しい本です。源氏物語絵巻が復元されて綺麗に蘇るのが素晴らしいです。でも、復元される前の絵巻とはやはり色合いが違うような…難しいんですね〜。登場人物全員引き目鉤鼻なので見分けがつかないというか。移り行く美意識も興味深いです。

  • 復元された平安の色彩世界の精細さが良いですね。
    源氏物語絵巻を900年の時を越えて、
    現代によみがえらそうという復元プロジェクトを
    同時進行ドキュメントとして紹介した本です。
    源氏物語ファンも十分に楽しめる内容です。
    NHKで放送していたのを見て手に取りました。

  • 以前NHKで放送されたものを本にしたもの。その放送を見て興味をひかれていたので、今回買ってしましました。

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