脳の個性を才能にかえる 子どもの発達障害との向き合い方

  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140816080

作品紹介・あらすじ

肌や髪の色がみな違うように、脳にも多彩なバリエーションがある。自閉症はシステム化能力に、ADHDは発想力に、ディスレクシアは視空間能力に長けていることが多い。気分障害・不安障害・統合失調症は三者三様の創造力に、知的発達の遅れは社交力に秀でているとも言われる。いわゆる「障害」をもつと言われる人たちが、本書の中では、ユニークな方法で人生を切り開き、生き生きと暮らしている。自分の強みを活かした仕事をし、社会をより豊かにしている。こうしたことが可能になるためにはどのような教育観が必要なのか?環境や学習法を、どのように変えたらいいのか?インクルーシブ教育を成功させる秘訣とは?脳の個性をはぐくむための新しい方法を提案する実践ガイド。

感想・レビュー・書評

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  • 「脳の多様性」
    読んでると、このことばの素敵さありがたさがじわじわと、この私でもいいんだなと。
    どんなものもスペクトラム、状態の差はあってもつながってるという、
    文化や環境で、障害になるのか才能になるのか、というような内容に、ほっとしたというか、
    だからといって、今の状況が変わるわけではないんだけど、なんだかすごくほっとしました。

    サブタイトルに「子ども」とあるし、後半は子どもの教育にふれてるけど、
    成人当事者もすくわれる内容だと思いました。

    著者が抗うつ剤のみながら書きました、というのにも、勝手に親近感。

  • ふむ

  •  これからの教育には、「脳の多様性(ニューロ・ダイバーシティー)」という視点が必要、という本。
     障碍を持つ子どもに対して、「できないこと」ではなく「できること」を引き出していくにはどういう教育が必要かという話。

     自閉症スペクトラムの人は、システム化が得意で、予測でき、コントロールできるものに対して能力を発揮する。
     システムに集中してしまうことを長所と捉える。
     ただ、ネット上でのつき合いは文字の上のみでのことで、ノンバーバルコミュニケーションをしなくていいから自閉症スペクトラムの人に向いている、という主張については、いや、そんなこともないと思うよ、と思った。

     障碍児教育や若年障碍者支援に当たる人はぜひ一読を。

  • 長所を伸ばすことで短所をカバーすることと、適材適所の極み。
    そう簡単に埋まらない短所を埋める努力の何割かの労力で、長所をのばしてあげれば何倍もの成果が得られるのに、それを阻むものは何なのだろう。

  • 副題には「子どもの発達障害との向き合い方」とあるがうつ病や統合失調症、不安障害、ダウン症なども取り上げている。

    とかく「できないこと」ばかりやり玉にあげられてしまいがちな精神障害や脳の障害。何故その遺伝子は淘汰されずに残ってきたのか。またどのような才能を秘めているのかを障害ごとに述べている。
    障害とされるものも文化が違えば何の問題もなかったり崇められる場合もある。

    遺伝子は多様性を持たなければ全滅する危機が常にある。しかし望まれる子ども像はテストを受ける機械である。

  • ネガティブに捉えられがちな自閉症やADHDなどの個性を持つ人たちの奥に眠っている才能を引き出して、社会で立派に生きていくための手助けをしようと私達に語りかけている本です。
    障害者と呼ばれる個性のある人達には、それぞれどこかに強みがあり、その強みを生かせる場所がきっとある。
    強みを生かせる場所を見つけるためにはその才能をいち早く見つけ出し、個々にあったニッチづくり(環境づくり)が必要だとこの本は教えてくれています。
    自閉症やアスペルガー症候群、ディスレクシアなど、名前は聞いた事があるけれど、実際どのような症状なのかはよく分からないという人にも、知識を深めるために読むことをおすすめします。

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