地球に住めなくなる日: 「気候崩壊」の避けられない真実

  • NHK出版
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感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140818138

作品紹介・あらすじ

知られざる「最悪の未来」を明らかに。話題騒然の警告の書。


気候の変化は認識されているよりずっと速く進み、ずっと長く続きます。二酸化炭素の排出を続ければ、今世紀末までに気温は4℃以上あがると予測されており、そうなると下記のことが起こります。

・地球規模の食料危機が毎年発生する。
・酷暑関連の死者が全体の9パーセント以上を占める。
・複数の気象災害が1か所で同時発生することが増え、損害は世界全体で600兆ドルに達する。
・紛争や戦争が倍増する。

温暖化がもたらすものは海水面の上昇だけではありません。殺人熱波、飢餓、洪水、山火事、水不足、大気汚染、パンデミック、経済破綻、気候戦争などさまざまな脅威が複雑に絡みあい、壊滅的な状況へと進んでいくのです。
本書で描かれるのは、温暖化が進む世界がどうなっていくかの未来図です。人々の生活や、社会、政治、経済の変化がリアルにあぶり出され、「最悪の未来」が訪れたらどうなるのか実感できるでしょう。
戦慄の未来を回避するために残された時間はわずかです。著者は警鐘を鳴らすとともに、エネルギーおよび輸送システム、農業・工業などの面から、大転換を遂げるために何をすべきかを提言、より良い未来へと希望をつなげます。

◆各氏絶賛!
福岡伸一氏「洪水、山火事、猛暑、海面上昇……すべては連鎖している。今、手を打たなければ最悪の未来を迎える。全世界必読の書」
坂本龍一氏「これは未来の話ではない、今、ここにある危機だ。人類はこれを乗り越えることができるのか。終末を迎えるのか。どこに希望はあるのか」
中川翔子氏「わたしたちが当たり前に過ごしてきた日々は、奇跡であり、尊い。人類滅亡の可能性から生き延びるための生存戦略がここにある」
水野和夫氏「現在の資本主義をとるべきか、未来に向けて気候変動の回避をとるべきか、それが21世紀の問題だ」
荻上チキ氏「「地球温暖化」ではなく「気候危機」の時代。グレタ・トゥンベリは「私ではなく科学者の話を聞け」と叫んだ。今何が起きているのか。豊富なデータを通じて、サイエンスの声を届ける力作」

感想・レビュー・書評

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  • この本が出版されたのが今年の三月。
    その一月前から日本ではコロナが深刻化してきていました。今のこの状況を踏まえつつ読むとまた一段と震撼します。

    毎年のように世界では大規模山火事がおき、日本でも既に今年も起きてしまいましたが「50年に一度」といわれる規模の大雨とそれに伴って河川の氾濫や大規模土砂崩れが毎年のようにおきるようになりました。

    これだけ治水技術や防災意識が高まってもあれほどの災害が頻発するのは、予見が足りなかったとか、誰かの何等かの人為的責任ということでは諮れないのではないかとこのところ思っていましたが、本書を読むとやはりこれは異常気象のなせることなんではと自分には思えてなりません。
    あきらかに気象状況がおかしいと思います。
    ここ数年スーパーに並ぶ魚で10年前にはこの辺りで獲れるとは考えられなかったものが、この辺りで獲れた「天然物」としてよく並ぶようになったのを見て「海流が相当変わってる。温かい海水域が北上している」と感じています。
    その魚が好きなので、頻繁に食べられるようになって喜んでましたが(苦笑)喜んでるバヤイではなかったんだと反省。

    自分もそうですが、まだまだ気候崩壊に対する危機感が世の中に浸透してないと感じます。

  • あとがきにしか日本のことが出てこない。アメリカの本だから、アメリカの地名ばかりで現実味があまりなかった。これから私達はどうしたらいいのか、書かれてなく、たぶん筆者もわかっていないのかな。ただ、地球温暖化が進めはこうなるよ。とアメリカのことが書かれています。

  • 地球温暖化に関して、平均気温の上昇がもたらす影響について広範に記した本。

    気温上昇による熱中症その他疾患に罹患することによる死亡。砂漠化など農業可能地域の減少と、二酸化炭素吸収過多による収穫量減少に伴う飢餓。海面上昇による都市の水没。山火事。サンゴの死滅など、海中環境変化による漁獲高減少。大気汚染。熱帯由来の感染症の温帯地域への進出。以上のような問題が引き起こす経済問題、資源収奪を目的とした紛争の発生および難民の発生。という将来起こりうる望ましくない予想がこれでもかと書かれています。

    本来であれば、ここから、では二酸化炭素排出量はどこが多くて、どのように削減していくのか、またその推進のための枠組みはどうしていくのかという論を期待するところですが、なぜか資本主義の危機を煽るラディカルな主張に対する反論などに多くの紙面が費やされ、中盤がかなりよかっただけに、結論にいたる部分は不満が残りました。情緒的な想いを紹介するのではなく、サイエンスとしてこの事象をどう捉えて対処していくのか、そこのところの記述を期待したかったです。ということで、中盤までは星4つだったのですが、一つ減らしました。

    最後に、頻発する自然災害に対して「国土強靭化」ということが政策として言われていますが、対処療法的に防災の話をするのではなく、根本原因にである二酸化炭素排出源である石炭火力発電をどうするのかなど、エネルギー政策の抜本的な転換が必要であろうと感じました。

  • IPCCは議論の余地がない大人しめの研究結果のみを採用しているという考え方の著者による、温暖化の恐怖を煽る本。

    不安を煽りまくっているが、根拠がわからない部分が多い。とりあえず参考文献をいくつか見てみたいと思う。

    例えば1600年前は、平均気温が5〜8度高く、海面水位は40m高かった、ということは初めて聞いた

    熱波で死ぬとあるが、今まで寒冷地だったところが暖かくなる側面もあるはず。

  • 2020-5-8 amazon2021-10-14読了

  • 【請求記号:210.1 ナ】

  • 東2法経図・6F開架:451.8A/W36c//K

  • 2023年1-2月期展示本です。
    最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00549861

  • 未来の脅威だと思っていた気候変動が今まさに起きていることだと思わずにはいられない今夏。平均気温が◯度上がるとどうなるのか?をシュミレーションした本。日本のドキュメンタリーでは日本が中心だけど、本作はアメリカおよびヨーロッパ、そしてアフリカが中心。一人一人でできることはあまり無さそうにも思えるけれど、社会全体で実感を伴っていることで、本気で変わるチャンスかも。というか、そうしないとやばいと思う。

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著者プロフィール

アメリカのシンクタンク〈新米国研究機構〉ナショナル・フェロー。ニューヨーク・マガジン副編集長。パリス・レヴュー元副編集長。2017年7月、気候変動の最悪の予測を明らかにした特集記事「The Uninhabitable Earth」をニューヨーク・マガジンに発表、同誌史上最高の閲覧数を獲得した。2019年、記事と同タイトルの書籍(本書)を上梓。ニューヨーク・タイムズ、サンデー・タイムズ両紙のベストセラーリストにランクインするなど世界で大反響を呼んだ。「ニューヨーク・タイムズ紙、2019年ベストブック100」選出。ニューヨーク在住。

「2020年 『地球に住めなくなる日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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