- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140883488
作品紹介・あらすじ
ソフトウェアを中心に今や世界のIT産業を牽引する存在ともなったインド。しかし、それは単なる近代化によってもたらされたものではない。その背景には数理科学の三〇〇〇年に及ぶ長い伝統があったのだ。古代文献にもとづいて過去を解き明かし、現在をフィールドワークで確かめ、インドを過去と現在から相互に照射する試み。
感想・レビュー・書評
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内容は面白かったのですが、期待していた内容と違ったことが気になりました。内容は文学部の先生らしく、サンスクリット語話者の視点から太陽暦や進数やホロスコープなどの観点からの分析になります。私はIT大国の源流を辿るというサブタイトルに惹かれて買ったので、日本の数学教育との比較や現在のインドのITと数学の関係を分析してくれる著書かと期待していたのですがそういった文脈では期待はずれでした。インドの算数や数学教育を知りたいという人は別の著書にあたったほうがいいと思います。内容はいいのですが新書サイズに収めるべきではありませんね。
インド数学といえば19*19など、基礎レベルから高いレベルを要求しているという評判が日本で最近話題で理系離れを食い止めるために導入を検討してる向きもあるようですがどうやらインドでもそこまでのスパルタは行っていないようです。若干信憑性が疑われるアンケートでしたが、とある大学での調査では19*19までしている人はごくわずかだったようです。筆者も指摘していましたが国によっては12進数などの影響が色濃く残っている国もあるため単純に比較できないようです。英語やその他の印欧語族で11や12まで固有名詞があるのはそのためなんですね。進数は太陽暦などに影響されているようですね。祭事で使うための祭壇作りを幾何学的観点から分析もしています。私は日頃、確率・統計で使う数学しか使わないのでなかなか面白い内容でした。ホロスコープ・天文学と数学の関係がどうやら重要のようでそれについての記述が一番多くあります。またインドといってもその中にはジャイナ教や仏教など少数宗教などの文化がありますからそれぞれの数学文化についても書かれています。
読んでいて多くの人が「これって何の役にたつの?」って思うはずです。あなたが大学に身をおいていて「文学部の論文って意味あるの?」って疑問を持ったことがあるなら本著はあまりおすすめできません。インド数学とインド文化を根底から知りたい人のみ読んでください。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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ソフトウェアを中心に今や世界のIT産業を牽引する存在ともなったインド。しかし、それは単なる近代化によってもたらされたものではない。その背景には数理科学の三〇〇〇年に及ぶ長い伝統があったのだ。古代文献にもとづいて過去を解き明かし、現在をフィールドワークで確かめ、インドを過去と現在から相互に照射する試み。
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インド数学を起点として様々な学問などを解く。
数学の話もやや難しかったのですが、
天文学・宗教学・後半には集会の報告などがあり
斜め読みしてしまいました。 -
私のようなパーチクリンが評価出来るような内容ではなく、実に難しかった。
ほぼ頭に入らず終了。 -
インドがITで大成していることに非常に興味があり、その源泉に
触れることができると思いこの書を読んでみましたが、
期待はずれでした。内容は、インドの数学史(天文学史)です。
ただ、その中でも22/7を円周率の近似値として使われるなど
数学に強くなる教育がされていることを垣間見ることができた
ことは、興味深かった。 -
インドの数詞や暦や数理天文学なんかを紹介。
数詞はインドだけでなく他のラテンではどうとかフランスではどうとかも見てておもしろい。暦もインドでは現実よりも理論重視で実際には若干そぐわず地域差のあるものを使ってたり。アルヤーバタみたいな天才の話もしてる。ただ正直なところ雑学以上の知識にはならないとゆうか、帯で言ってるみたいな”天才を生み出し続ける数理思考の核心”に触れてるのかなと。