考証 鎌倉殿をめぐる人びと (NHK出版新書 679)

著者 :
  • NHK出版
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140886793

作品紹介・あらすじ

複雑な時代背景、人間模様を解きほぐす!

平安末期から鎌倉時代の複雑な時代性や人間模様を、2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」時代考証チーフが解きほぐす! 本書では、頼朝の源家、義時・政子の北条氏はもちろん、三浦義村・畠山重忠といった御家人から後鳥羽上皇、公家まで、キーパーソンの人物プロファイルを完全網羅。さらに、政治・文化や武士の生活、宗教に関する最新研究から、「武士の世」の驚きの実像を浮かび上がらせる。ドラマの主人公・北条義時が駆け抜けた時代をより深く理解するための歴史教養が詰まった一冊。

感想・レビュー・書評

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  • ◆大河ドラマのガイドに[評]三田誠広(作家)
    <書評>『考証 鎌倉殿をめぐる人びと』坂井孝一 著:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/192701?rct=book

    NHK出版新書 679 考証 鎌倉殿をめぐる人びと | NHK出版
    https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000886792022.html

    ーーーーーーーーーー
    大河を見ない猫が言うのも何ですが、三田誠広の紹介がネタバレぽい。。。

  • 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の時代考証チーフが、その時代の
    人物たちについてと出来事の背景等を、考証を交え考察し、語る。
    第一部 人物考証編
     I 源家の人びと  II 北条家の人びと
     III 東国の有力御家人たち  IV 時代を騒がせた女性たち
     V 法皇・上皇と都の権力者
    第二部 歴史教養編・・・時代の背景と基礎情報を提示。
    主要参考文献有り。
    平安時代末期から鎌倉時代の初期に亘る時代の変遷の中で、
    主要人物たちと出来事、当時の時代背景等を、コンパクトに、
    かつ丁寧に考証と考察を交え、分かり易く語っている。
    考証をする側からの視点もあり、各種史料や最新研究をも
    盛り込んでいて、例えば、八重姫の伝承から幾つかの状況証拠を
    掲げて、八重は泰時の母ではないかとの仮説に至る経緯も、
    分かり易く提示している。
    また、文書発給の変遷、官職や位階の種類、追討の命令書、
    『吾妻鏡』の空白の記事は「書かない嘘」、
    学問・音楽・和歌は政「まつりごと」のツール、
    女性の実名について、曾我事件の推理等、
    大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の補完になる内容が
    盛り込まれているのも興味深い。
    ドラマ内のセリフやシチュエーションはこれか~と、
    チェックするのも面白いし、人物像の元になってる記述も。
    「二次元」の世界を、人物が生き生きと活動する「三次元」の
    世界としてイメージし、再度文章の「二次元」に変換したと
    書かれていますが、どうも私の脳裏には、想像の人物のイメージ
    ではなく、ドラマの人物たちが浮かび上がってしまっています。

  • 鎌倉幕府の開創から承久の乱までを対象とした人物史と、この時代の背景を理解するための解説による構成。著者の見解を交えつつ近年の研究動向を踏まえて叙述されていて、分かりやすい内容になっている。

  • NHK大河ドラマの時代考証を担当した著者が、登場する人物に狙いを絞って深掘りする。

    最近の歴史研究の成果も反映されて、この時代の大まかな流れを理解している向きには大いに楽しめる。
    ドラマで八重を義時の妻としたのは著者のアイディアらしい。その根拠や背景については相当の分量が割かれている。

    第二部の歴史教養編も非常に興味深い。

  • 中の人、例の大河ミテイナーイ(笑)
    だけれども、いろいろな人が入り混じり
    歴史は成立していったんだなと思いました。

    ある女性に関しての謎も
    とっても興味深いものがありました。
    なぜその人が消えてしまったのかというのも…

    それと尼将軍のあの人に関しても
    一般的なイメージとは違うことに
    驚きでした。

    女性が政に顔を聞かせるには
    いろいろと知らないといけないけど
    女性が使っていた文章は当時は…と考えると
    大変なことをしていたんだな…

  • 大河ドラマ #鎌倉殿の13人 放映中の今こそ、歴史を学ぶには最高のタイミング。この本はよいガイドになります。
    人物ごとに章立てされているので、細切れに読み進めても理解できるのがよい。
    私の場合、鎌倉時代関連の本を何冊か読んでいたので、既知のことも多かったが、付箋をつけたくなる箇所はたくさんありました。
    全部は紹介できませんが、以下、そのうちのいくつか。

    伊藤祐親…工藤祐経の父親代わりとして、とても面倒見のよい心の広い人だったと知った。その恩を仇で返すような祐経という人物は…。

    和田義盛…三浦義村との微妙な関係性を知って、和田合戦時の義村の動きに納得がいった。

    三浦義村…胤義との軋轢を知り、承久の乱での義村の振る舞いに納得。義村が三代執権に泰時を推したことを踏まえると、対・和田義盛、対・三浦胤義への背景事情からは想像できない思惑がありそうで、そこはまだ謎。

    源実朝の唐船建造…以前読んだ『源実朝 虚実を超えて』でも触れられていた唐船の記述を読み返したくなりました。

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著者プロフィール

創価大学教授
著書・論文:『源実朝 「東国の王権」を夢見た将軍』(講談社メチエ、2014年)、『承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱』(中公新書、2018年)、「中世前期の文化」(『岩波講座 日本歴史』第6巻中世1、2013年)など。

「2020年 『乱世を語りつぐ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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