- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140887004
作品紹介・あらすじ
「弱いアメリカ」しか知らない世代の、社会変革の想像力とは?
機能不全に陥る民主主義、「保守」化する社会、脆弱な社会保障、拡大する経済格差――
戦後国際秩序の盟主としてのアメリカが今多くの難題を抱え、転換期を迎える中で、
人口の2割を占める米国のZ世代は、社会変革の主体として注目を集めている。
テロとの闘いの泥沼化や金融危機など、自国の「弱さ」を感じながら育った彼らにとっては、
機能不全に陥る民主主義、拡大する経済格差、脆弱な社会保障こそがアメリカの「現実」だ。
長期的には政治・外交にも影響を及ぼすと見られる彼らは今、
どのような価値観や対外政策への志向を持ち、アクションを起こしているのだろうか?
米中対立、反リベラリズムからジェンダー平等、レイシズムまで。
気鋭の国際政治学者が、アメリカの今と未来をさまざまな角度から描き出し、
私たちの社会や政治の想像力を広げる渾身の書。
感想・レビュー・書評
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誤解を招きやすいタイトルだ。
本書はふんわりとした世代論(個人的な印象を世代全体に拡大するような)ではなく、骨太なアメリカ政治論である。
俎上に載るのは、バイデンとトランプ、オバマ時代(少しだけ)の、近年のアメリカだ。
Z世代の話も各章に少しずつ出てくるが、いかにも後付けっぽい。
単なる米国政治論では本が売れないから、アイキャッチとして「Z世代の~」という冠を(編集サイドから)求められたのではないか、と推測する。
それはさておき、近年のアメリカの変質と凋落を、Z世代の眼をフィルターに描き出す本として、秀逸な内容だ。
中国のZ世代は他国のZ世代と感覚が全然違うという話とか、カマラ・ハリスの人気急落の背景についての詳細な分析(ただし、著者はハリスに期待している立場)とか、面白いトピックが随所にある。
《アメリカの歴史上初めて、子を持つ親の7割以上が「子どもたちの将来の生活水準は自分たち以下になる」と考えている》84P
――という一節も印象的だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世界全体の約4割にあたる軍事支出より感染症対策や社会保障の充実を。一国の強さより弱さに向き合う政治と他国との協調を。9.11同時多発テロから新型コロナウィルス感染症、ウクライナ侵攻等を経て、次世代の臨む国のあり方を具体例で理解できる本でした。
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アメリカの今を知るに最適。大統領選に象徴されるような国を分断するトピック。それらに対しZ世代の支持は。
日本についてもこのような本があれば良いと思う。 -
現在のアメリカの問題点とその歴史を学ぶことが出来た
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知ってるようで、知らないアメリカ政治を学べて良かった。
明日からニュースや新聞を読んだときに、今までと違う角度で、アメリカ政治について考察できそうだと思った。 -
本学OPACはこちらから↓
https://nuhm-lib.opac.jp/opac/Holding_list?rgtn=022100 -
Z世代という視点を通して、国際社会の変化の中で立ち位置を変えざるを得ない、今のアメリカの姿が見えてくる。アメリカという国が直面している様々な問題を考えることにより、国際社会を見つめ直すきっかけにもなると思う。
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現代アメリカ政治史を批判的に解説している本。
私には難しいところもあったが、勉強にはなった。
タイトルから、もっと読みやすい社会学的な内容かと思っていたので、期待とは違っていた。 -
東洋経済20231014掲載