ソポクレス『オイディプス王』 2015年6月 (100分 de 名著)
- NHK出版 (2015年5月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
- / ISBN・EAN: 9784142230518
感想・レビュー・書評
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ギリシャ悲劇の三大作者のひとりであるソポクレスの代表作「オイディプス王」を取り上げて「100分de名著」。島田氏は「物語」の原型として位置付けて、神話から人間劇へ、起承転結の構造を持つこと、などの特徴を挙げています。ただ、割と平板であり、余談も多く、光文社文庫「オイディプス王」の巻末にある河合さんの解説の方が充実した内容ですね。いずれにせよ、これでシアターコクーンで上演中の「オイディプス」を観る準備ができました。
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2500年前に書かれたものとは思えない、ドラマチックな内容でした。人間の過ちは繰り返される?
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この本で参考になるのは物語の中身ではない。むしろ物語の形式である。例えば,「貴種流離譚」(p71)であり,「起承転結は、物語の大量生産を可能にする型枠のようなもの」(p52)などなど。作品を作る前に一度確認しておきたい。
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面白い
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(2015.07.26読了)(2015.05.27購入)
Eテレのテキストです。「オイディプス王」の解説本です。
解説本を先に読むか、原典を先に読むか、といつも悩むところですが、今回は、原典を先に読みました。
このテキストで、紹介されているのは、「オイディプス王」「コロノスのオイディプス」の二冊ですが、他に、関連本として、「テーバイ攻めの七将」「アンティゴネー」の二冊があるので、ついでに読んでしまいました。「アンティゴネー」はソポクレスの作品ですが、「テーバイ攻めの七将」はアイスキュロスの作品です。
「オイディプス王」は、島田さんも解説で述べているように、実によく構成された、ミステリーとしても読める作品です。
スフィンクスの謎の話も出てきますし、精神分析のエディプス・コンプレックスの原典でもあります。
【目次】
【はじめに】「物語」の元型がここにある
第1回 運命とどう向き合うか?
第2回 起承転結のルーツ
第3回 人間の本質をあぶり出す
第4回 滅びゆく時代を生き抜く
●英雄(34頁)
「英雄」とはたとえ人間の子であっても、その英知やたぐいまれな運と力をもって神々に対抗し、神々に一目置かせてしまう存在のこと。英雄の証明さえすれば、たとえ人間の子であろうと神の座に並ぶことが可能です。
●ギリシア悲劇(44頁)
対話や議論が視覚化され、上演されるものが、ギリシア悲劇なのです。
☆関連図書(既読)
「オイディプス王」ソポクレス著・藤沢令夫訳、岩波文庫、1967.09.16
「コロノスのオイディプス」ソポクレス著・高津春繁訳、岩波文庫、1973.04.16
「テーバイ攻めの七将」アイスキュロス著・高津春繁訳、岩波文庫、1973.06.18
「アンティゴネー」ソポクレース著・呉茂一訳、岩波文庫、1961.09.05
(2015年7月29日・記)
内容紹介(amazon)
運命にあらがい、
向き合うことは可能か
ギリシア神話の名君オイディプス王が「自分探し」の果てに破滅する姿を描いた、詩人ソポクレスによる悲劇『オイディプス王』。スリリングな論理展開、起承転結形式、「父殺し」のコンセプト─2500年ほど前に執筆され、今なお古今東西の物語のルーツとされる本作を、「運命」をテーマに読み解く。 -
■書名
書名:ソポクレス『オイディプス王』 2015年6月 (100分 de 名著)
著者:島田 雅彦
■概要
運命にあらがい、
向き合うことは可能か
ギリシア神話の名君オイディプス王が「自分探し」の果てに破滅す
る姿を描いた、詩人ソポクレスによる悲劇『オイディプス王』。ス
リリングな論理展開、起承転結形式、「父殺し」のコンセプト─
2500年ほど前に執筆され、今なお古今東西の物語のルーツとされる
本作を、「運命」をテーマに読み解く。
(From amazon)
■感想
神話ですね。The 神話!という感じです。
父親殺し、運命がテーマの神話です。
私としては、今さら特に読まなくてもいいかな?という内容でした。
つまらあくはないのですが、神話の一つでしかないし、そこまで
神話の中で面白いわけでは無い気がします。
神話好き以外には、オススメしない本です。
■自分がこの作品のPOPを作るとしたら?(最大5行)
The 神話!
父親殺し、近親相姦、英雄、王、スフィンクス、流行り病。
ここから想像できるお話しの一つです。
自分で作った物語と比べてみて、楽しんで下さい!
■気になった点
・父殺しはダイナミックな価値の転換です。 -
久しぶりの100分de名著。テキストは放送をすべて見終わってから。本当は同時進行が理解が深まるんだろうけど。「オイディプス」ってなんか聞いたことがある気がすると思ってたら、エディプス・コンプレックスのエディプスはオイディプスのことだった。
起承転結の、すべての物語のルーツだとか。有名なスフィンクスのなぞかけもこの作品だったとは。小学校のときに同級生から聞いたのが最初だった気がする。
100ページほどで読めるらしいし、いつか読んでみたい。
小泉八雲もちょっと興味がある。 -
島田先生かっこよすぎる。毎回放送と合わせて学習が楽しかった。イケメン先生だとオイディプス王はこんなに面白いことが伝わり方もまた格別でした。本テキストも現代と照らし合わせ古代の書かれた名著がいつの時代も普遍のテーマの原型を抱えていることがわかる。