神谷美恵子『生きがいについて』 2018年5月 (100分 de 名著)
- NHK出版 (2018年4月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
- / ISBN・EAN: 9784142230860
感想・レビュー・書評
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悲、愛、美
すべて「かなし」と古語では読まれていたとのこと。そう見れば「かなし」とは、何とも美しいしらべなことか…。
うめきが悲しいに変わるとき、そこに他者が触れることができる瞬間があると言う。
そこまでいかにして「待つ」かがやはり鍵なのだろう。問題はその待ち方だ。
第4回にある「自分への許し」を読んで、幼少期の駆け回っていた姿を思い出した。まわりの大人はその過ごし方を疎ましく思っていたが、遊び場たる大地は私を否定しなかった。その体験が、いまの自己概念(肯定感)を作る大きな礎になっている気がする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
パスカルのパンセに続く名作だと思います。原作を読み込みます。
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原書の方が分かりやすかった印象。
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若松氏の100分de名著は2冊目なのだけど、今回も原典が見えない。
どうも若松氏の想いが先に出ている。ということで原典を読む。 -
この100分シリーズは、コンパクトでありながら、非常に読み応えのあるものが多い。
今回の神谷美恵子についても、「生きがいについて」を読むだけでは得られない背景・時代・歴史・索引・注釈が加えられていて、理解を深めるのに役立っている。
唯一の欠点は、この本を読むだけで、肝心の「生きがいについて」を読んだ気になってしまう事。。。
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若松さんの文は『生きがいについて』という作品を借りた彼の随筆、いや思想書のように感じた。
生きがいが失われた、と感じたとき、実は失わせたものと共に意識のそとに押しやられている。だからなくなったわけではないので、それを「発見」できる「眼」を持つことの大切さを説いているという。神谷さん自身が、苦悩の中で「眼」を持とうと闘っている姿が『生きがいについて』に現わされているという。「血のほとばしり出すような文字」と日記に書いたが、彼女の意識の表れと衝撃的に思った。 -
丁寧な解説。神谷の「生きがいについて」は、思想書であるとの説明は、まさに私の読後感そのものの指摘だと思った。
いつか改めて両方を、もっと丁寧に読みたい。 -
何故かあまり頭に入ってこなかった。
100分で名著シリーズ全体に言えることなのかどうかはよく分からないが。 -
神谷美恵子の著作は、ずっと読まなきゃ読まなきゃと思いつつ、読んだことがない。
これをきっかけに今度こそ読もう。
私には第3回がとても沁みた。