クリプトノミコン 4 (ハヤカワ文庫 SF ス 12-6)

  • 早川書房
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本棚登録 : 85
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150114077

感想・レビュー・書評

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  • クリプトノミコン〈4〉データヘブン (ハヤカワ文庫SF)

  • 長いが面白い、どこがSFか分からない作品
    表紙   4点佐伯 経多   中原 尚哉訳
    展開   6点1999年著作
    文章   7点
    内容 660点
    合計 677点

  • 本書は四分冊の最後の本だ。第二次世界大戦で日本軍が隠した金塊などを現代で掘り起こす物語。埋蔵金の場所は暗号化されているので、それを解読する過程にドキドキする。ラストに向かって大きな冒険があるにはあるが、冒険小説ほどではなく、暗号の解読も思っていたよりあっさりと成し遂げられてしまったので、意外な展開と言えばそうなのだが、盛り上がりにかけてしまった印象を持ってしまうのが残念なところだ。これは、自分の期待が暗号寄りだったためであり、小説としては良質のエンターテイメントになっていると思う。本書で意外にも良かったのが解説である。本書意外にも暗号について分かりやすい解説が巻末にあり、暗号に馴染みがない人が読んでも面白いと感じるだろう。

  • 読了しこれで完結。期待以上に盛り上がってくれた最終巻だった。主要登場人物が(ほぼ)一堂に会し、張り巡らされた伏線はきっちり回収。これまで出てきた内容にはちゃんと意味があるわけで、なるほどこうなると長過ぎると批判出来なくなるなー。素直に作者の手腕に脱帽。本作のそうしたつくりは暗号解読そのものと符号している。戦争や宝探しを題材にとりながらも、登場人物たちは勝利や宝そのものよりも謎解きや知的ゲームに興じることに喜びを見出してるように思えるのもまた作者の意図したものだろう。コンピュータの出現により人間のそうした志向がより浮き彫りになった現在から現代史をとらえなおしたユニークな作品だと思う。

  • 第二次世界大戦中の暗号に隠された謎とは?
    海底ケーブルの事業で窮地に陥った暗号解読者の子孫たちが、その謎に挑む。
    大戦中と現代が、暗号(クリプト)によって絡み合う。

    題名の「暗号書(クリプトノミコン)」は、もちろん「ネクロノミコン」のもじり。
    いやー、毎度ながら、物語はブツ切れで終わってますな。

    あれですね、この人の小説は、読み終わってから、「あ〜おもしろかった」と思うものではないです。
    いろいろ考えながら読んでいく過程がおもしろい。
    筋道きっちり立てた小説が好き…というヒトには向かないかもしれんね。
    しかし、SF…というには、無理があるかも。かといって、どこのジャンルに入れるかと問われると、これも困ってしまう。
    第二次世界大戦の暗号戦の話、高度な数学の話、ITビジネスの話が出てきたかと思うと、神話の話やTRPGの話やオタクあれこれ、電気街の頃のアキハバラまで出てきますから。
    本当に何でもあり。
    オタクのオタクのための小説だよなー。話をきっちりまとめられないところもオタク臭くてよいです。

    暗号てのは数学の世界です。確率やら素数やら関数やらいろいろ出てきましたが、……えーと、さっぱり分かりませんでした。
    数学はものすごく苦手な人間です。100点満点中2点とか取ったことありますからね。
    それでも、こうやってパソコンに向かって字を書いてネットに上げるという作業のうちに、そういうわけの分からん数学のお世話になっているわけなんですね。
    高度な暗号技術のおかげで、安心してメールのやりとりをしたりネットで本を買ったりもできるわけで。
    サイモン・シン「暗号解読」とかを読んでおくととっつきやすいかもです。

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