月面の聖戦 1: 下士官の使命 (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150118518

感想・レビュー・書評

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  • 展開が安易だがヒマつぶしにはいい
    表紙   5点寺田 克也   月岡 小穂訳
    展開   5点2000年著作
    文章   5点
    内容 575点
    合計 590点

  • ミリタリーSFというと、異星人との戦いというスペース・オペラ的設定が多いのですが、ここには異星人は出てきません。戦う相手は自国の企業を脅かす他国の軍隊。地球のほとんどは米国の支配下におかれ、残る場所は月。月をも自国の土地と宣言し諸外国の施設を占領するために軍隊を派遣するでのす。主人公のスタークはその米国軍の軍曹。現在をデフォルメした世界で様々な矛盾と理不尽と戦わなくてはならないのです。

    そう、このシリーズは理不尽と戦う人間の物語なのです。(意味不明の侵略をしかけてくる異星人も究極の理不尽ではないか?)

    ちゃんと動かない装備、理解不能な命令、一枚板ではない組織、じゃまする同僚、手間だけかかるプロセス・・・今に通じる「理不尽」満載。デフォルメ具合がわかりやすいこの作品はリーダーシップに関するビジネス書としても読めてしまうのです。

    タイトルの「聖戦」もまた、皮肉に響く佳作!

  • 歩兵部隊が主役のミリタリーSF!って感じで楽しいシリーズの予感
    共和国の戦士シリーズとは違ってミリタリーSF!(感嘆詞付き)なので楽しんで読めた。

    正直者の軍曹がアメリカ月面派遣軍を率いる事になっちゃうんだけど。

    地球上の資源すべてを支配しているアメリカ政府(けれども企業に支配されてる言いなり状態)。その他の国々はアメリカが興味を示さない月面で細々と開発をしてる。
    当然アメリカ軍は世界一なんだけど、士官は自分の出世にしか興味が無くて兵士は消耗品という。ありがちと言えなくもない世界設定

    アメリカ企業は月の資源も欲しくなって侵略開始。企業も植民というか開発のコロニーを建設して資源開発を始める。が、アメリカに優秀な士官はいないので戦争は膠着状態。

    お決まりの無能で真面目な将軍が画期的な作戦案『精密な数学的計算に基づく不屈の精神力で突撃すれば一人の兵士が敵兵12人に相当する(らしい)』を携え、実戦未経験のエリート師団を引き連れて地球からやってくる。

    要塞攻撃を開始して、当然、味方はほぼ壊滅。けれども突撃命令だけ延々と届く。
    でついに主人公がキレて、上官を拘束して味方の救出をはじめ、ついには派遣軍の全軍曹が味方について軍を掌握。

    今後は怒った企業に後押しされたアメリカの反乱軍鎮圧部隊と戦うのか、月面の民間人(こちらは地球企業の搾取に喘いでいる状態)と良好な関係を構築するのか?さてさて

  • キャンベルが『彷徨える艦隊』の6年前に書いたミリタリーSF小説。
    『彷徨える~』と違い陸軍(ただし舞台は月面)の話です。

    兵士の命を何とも思わない無能な士官(や上層部)の下で戦う有能な古参軍曹の戦記物ですが、背景世界や悲惨な状況や後で使う伏線を延々と綴るのにほとんどの頁が費やされ、ようやく話が動いた、と思ったら本巻は終わり。
    例によって三部作構成なのでしょうがないのかもしれませんが、本作単体ではあまり面白くありません。

    こんなん出すぐらいだったら『彷徨える艦隊』の続巻はよ!と思いますが翻訳者の都合もあるしねぇ(笑)

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