- Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150310455
感想・レビュー・書評
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耽美な用語、設定をただ単に並べただけでは耽美作品たりえない、ということがよ~く分かる作品。せっかくこれだけおいしい設定を揃えてるのに、このしょぼい物語……。
ちょいエロの百合小説を読みたい人にはいいんじゃないかな。
あと、ジャンルが「SF」というのはどうかと思う。ジャンル定義を議論するつもりはないので言い換えると、少なくとも「Science」がこの作品にはどこにもない。人類が球体人形として生まれる理由の追及も無いし、その世界における人々の反応も何も書かれてないので。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
球体関節人形がテーマのゴシックロリィタなお話。
所々個人的に気に食わない表現があり、後半でガッカリさせられた。
人形との同化など、前半は好みでした。 -
人類が人形しか出産できなくなった世界の話ということで、哲学的なテーマを感じ取ることもできるエンターテイメントを期待していたが、大ハズレ。
なんのことはない、「百合展開」というのを、意味ありげに難解な文章で書き散らかしただけであり、一般性を欠くにもほどがある。
その感覚や作法の分かる分からないが問題なのではなく、単純に、文章として、文字として、読んでいられない。
本棚に登録してしまった俺、赤面。 -
SF。ファンタジー。
ゴシック調の百合ファンタジー。
"人類から人形しか産まれなくなった世界"という設定がとても興味深い。
硬派なSFではないようで、この設定を掘り下げるわけでないのは少し残念。
独特の文章で読みにくいが、物語自体はわりと面白かった。 -
105:ついったで早川書房がオススメしてたし、表紙絵が「ハーモニー」ハードカバー版の方(ですよね?)ということで、購入。球体関節人形とか、修道院とか、子どもが生まれずに人形が生まれる世界とか、あちこちに退廃的な雰囲気を感じさせる作品でした。主人公は奇跡的にも人として生まれてきた三人の少女。彼女らが暮らす修道院に、新たに「半人半人形」であるビアンカを迎え入れることになり……という物語ですが、ゆりゆりしくもあり、ちょっとエログロ? の風味もあり、好みが分かれるかもしれません。
この方の作品は初めてなのですが、文章は非常にお上手で、とても色気と雰囲気のある物語を綴られます。お好きな、得意ジャンルを書かれたのかなあというイメージ。個人的にフローリカが好きだったので、ニヤニヤしながら読みました。私はアリなんですが……どうなんでしょう。まあその、積極的にオススメはできないのですが(笑)、私は好きですよー、と声をあげておきます。 -
どんな層を想定して書かれたのか謎。設定は惹かれる。
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球体関節人形を題材にしていて好きそうな話だと
思い読んでみたのだが、文体が好きになれず苦痛だった。
作品世界を構築する要素として必要だったのだろうが、
頑張って小難しい言葉を並べてみました感が
読んでいて鼻につくというか。
単に教養がないだけだろ? 言葉を知らなかっただけだろ?
と言えばそれまでなのだが…
字面や文章の流れから推測できるし、
調べてみてああやっぱりとなるのだけど、
読んでいてイラッとしかしなかった。
2次でも3次でも、女のコ達がキャッキャと
戯れてる様は見ていて微笑ましい。
巫山戯てキスしたりとかボディタッチとかも
百合っぽい感じなら可愛いなぁとなる。
しかしその百合っぽい感じも、
さらに進んで性欲を感じさせる段階になると、
まさしく百合になってしまうと嫌悪を感じるのは何故だろうか?
少女性というものに対して勝手に幻想抱いて、
勝手に幻滅しているだけかもしれんけど。
地球最後の女のコたちがキャッキャしてるところまでは
よかったのだけど… -
SFのレーベルだが、SFでは全くないファンタジー。内容も文体も徹頭徹尾、唯美主義的でアンチ・ヒューマニズム。「人類が球体関節人形しか出産しなくなった世界」云々にSF展開を求める人や、「秘境の修道院に隔離された少女たち」云々に甘美な耽美展開を求める人は期待を裏切られるだろう。芥川の「地獄変」や谷崎の「春琴抄」のようなテーマを現代ファンタジーとしてリライトしたらこうなるという感じ。
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何故かSFの棚にあった。
SFでこんなのあるんだ、と思って読んでみたら…なんだただのラノベか。
舞台はピレネー山脈の奥深く、一般社会とは隔絶されたある女子修道院。
進化か呪いか赤ん坊の大半が球体間接人形として、ただの物として産まれてくる現象に社会は悩まされている。修道院では人間として生まれてきた希少な少女たち3人が保護されている。お菓子と童話と着飾ることにしか興味を示さない怠惰なマリオン、強迫的にバレエに打ち込む美しいミレーネ、同じく強迫観念で人形を破壊し続けるフローリカ。そこへ新たにやってきた、肉体の大半が人形化したとても美しくて高慢なビアンカ。
シーンが変わるたびに登場人物の美貌をうんざりするほど繰り返すのはお約束。地の文が比喩と修飾の洪水で回りくどいのはご愛敬。それでも紡ぎだされた世界は背景がしっかりしていて素敵だったし、ミレーネのバレエへにかける情熱(もう下界にはバレエを楽しむ人などいないのに)とか、バレエを踊るシーンのテンポ、描写、用語の使い方とかは読んでいてうっとりしました。
問題はミレーネが密かに胸に暖めていた願望を果たし、バレエを極めることによって人形化したそのあと。
いろいろ胸にあるはずのフローリカがただのMな奴隷になってビアンカが邪悪なだけの子になって、突如めすぶたとか言って喜ぶようになったのでもう…この先は屑だと思ってやめました。なんだこの崩れ具合。
あと、フローリカの喋り方がギャグかと思うくらい陳腐なところと、ミレーネが修道院長に禁断のバレエを踊る許可を願い出るとき、途中まで敬語だったのに急に丁寧なタメ語になったり、マリオンが誰かの話を聞く時の相槌がボケかよ!て感じだったりするので、セリフは苦手…?
レズビアン要素から離れてセリフをきちんと書いてくれるようになったらまた読んでみたい作家さんだと言えるかもしれません。
途中までは面白かった。
でも絶対にこれはSFではない。