スワロウテイル/幼形成熟の終わり (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
4.02
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本棚登録 : 519
感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150310462

作品紹介・あらすじ

関東湾の自治区に男女別で隔離されている人間たちは、人工妖精と共に暮らしていた。その一体の揚羽は亡くなった後輩が葬式で動く死体になってしまった事件の謎を追う。一方、自警団の曽田陽平は人工妖精の顔剥ぎ事件の痕跡を捜査していた。どちらも当初は単発的な事件だと思われたが、突如自治区を襲ったテロをきっかけに、これらの異変が自治区の深い闇のほんの一端であることを二人は思い知る…。話題の人気作第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • 前~中盤はルビが素晴らしい語りの応酬、荒事満載の後半戦~クライマックス。そしてラストの、どう見ても出来過ぎだけどこの展開からどうやったらそうなるんだっていう予定調和。 すごい。
    ライトノベル的なキャラクターの造り込みと、練りに練り込まれた台詞の読み応え。
    これはまた続きを読みたい。シリーズ的にこの後がどう続くのかは気になるところで、ぜひ読みたい。

  • "揚羽" がとてもガキっぽくて (「子どもっぽい」というより「ガキっぽい」という表現が似つかわしいだろう) 強い違和感がつきまとう感じだった。あと、チャットでの言葉選びはかなり残念だ。

  • 物語の進行は中々複雑で登場人物それぞれの思惑が全く違っているのが面白い。
    世界設定の根本に寡頭政治に似た、知識特化した幾つかの氏族が選民の如く何の留保もなく当たり前に存在しているのだが、いったいこれにどんな目的を持たせるのか。
    前シリーズθでは全く手をつけられていなかったので、そろそろ出てくれないかとは思っている。
    まあ、相変わらず片側世界なので難しいかな

  • この世界観が好きかな
    でも、今は架空の小説かも知れないけど、遠くない未来にこのような環境に変わらないと言えるのでしょうか

  • 愛への切望と諦観が同時に存在する、
    そんな心持ちの人物たち。

    技術が進んだ近未来だろうと、人の意識とその業は変わらない。

  • スワロウテイル/幼形成熟の終わり (ハヤカワ文庫JA)

  • 108:性行為によって感染する「種のアポトーシス」のため、自治区に隔離された人間たちと共に暮らす人工妖精(フィギュア)の物語。前作よりSFっぽさは薄いのですが、アイデンティティとか、人工知性とか、やはりSFしてるなーという中で、登場人物たちの苦悩やひたむきさが丁寧に描かれていて、とても面白かったです。作者さんの「書きたいこと」や「書くことへの情熱」がひしひしと感じられて、窮屈な感じも受けるので、もう少し紙面を割いたほうがよかったのかも。勅使河原はともかく、早乙女関連はちょっと設定盛りすぎ感がありますが。
    前作の内容をうっすらとしか覚えていないので、また読み返したいなあ。ルビの振り方が独特で、合う合わないが分かれそうですが、気にならない方はぜひとも。

  • 確かシリーズ第一弾を読んだ時は、その世界観がまったく肌に合わず、読むのが苦痛でさえあったけれど、揚羽や傭兵、鏡子、椛子。人工妖精という存在には好感を持っていた。

    しばらく間を置いてから、第二弾を読めば、自分はこの世界を好きになるんじゃないかと期待し、読んでみたら予想以上にこの世界は魅力的だった。

    難しい。ややこしい。と思う箇所も少なくはなかったけれど、言葉ひとつひとつ、そのチョイスが読んでいて楽しかった。

    何かを考えさせられるようでいて、考えることを放棄させるような圧倒的な世界観。きっと私の理解力の範疇を超えていて、褒めたいのか貶したいのか分からなくなる。そんな作品。笑

  • 前回男性自治区側から追放されたはずの揚羽が何でいるのか疑問だったが、なるほど、その発想はなかった。
    でも、真白って寝たきりじゃなかったけ?
    なのにどうしてメスふるったりして暴れられるの?
    というかボクっ娘かわいい。
    顔が自らのアイデンティティになるのは人間も人工妖精も変わらなかった。
    個人的には椛子陛下の絵文字がツボだった。

  • 複数の人物の視点から物語が進んでいって、最終的に綺麗にまとまるのは本当に見事であると思う。
    読み始めて違和感を感じた部分も含めて非常に面白かった。

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