【θ/シータ】 11番ホームの妖精: 鏡仕掛けの乙女たち (ハヤカワ文庫 JA ト 7-5)
- 早川書房 (2014年7月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (471ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150311636
作品紹介・あらすじ
東京駅上空に浮かぶ11番ホームに住む少女の悲哀と闘い。幻のデビュー作増補改訂版
感想・レビュー・書評
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十字架ではないけれど、なかなか重たい荷物を持たせたものだ。決して一人きりではなかったとはいえ、150 年も待ち続けるというのはどういう気持ちになるのだろうか。
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スワロウテイルの作者なので買ってみたがこのシリーズもよい。
相変わらず専門用語モリモリのハードな世界観だがキャラクターは取っつきやすく、作品全体として抵抗なく読める。
異次元的移動手段が確立された未来の日本、なかなか重い宿命を背負ったT.Bが狼型サイボーグの義経とともに空中に浮かぶ存在しないはずの東京駅11番ホームにて、様々なお客様を迎えていく。
SFとしてもエンタメ小説としても勧める作品。 -
【θ/シータ】 11番ホームの妖精: 鏡仕掛けの乙女たち (ハヤカワ文庫JA)
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鏡状門による「鉄道網」が実用化された世界。東京駅の上空にある、「誰も来ない」11番ホームに、少女の姿のT.B.と「義経」はいた。11番ホームを管理し、「お客様」や貨物の安全に尽くすT.B.だが、その正体は?電撃文庫で出ていたものの加筆+未収録作の完全版とのこと。電撃文庫版をおすすめしたことがあるのですが、また読んでも面白かった!T.B.のしんどい立場と義経のツンデレ、「守る」ことに全力を尽くす彼女の姿勢は特に女の子におすすめ。
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SFです。
ファンタジーの要素も多少合わせ持っているかもしれません。
電撃文庫版と比較して挿絵がない代わりに
「蘭とパンダと盲目の妖精」が収録されています。
こちらは電子書籍で刊行されていたようです。
非常に面白く読めました。大好きな本のうちの一冊です。
世界観としては、人工知能やアンドロイドといった技術が存在する、
(SFとしては)比較的オーソドックスなものでした。
生物の存在が希薄に描かれていますが、主人公であるT・Bが体験する出来事は
「生」を強く実感するものです。
ある種奇妙なそのバランスが、とても心地よく感じられました。
個人的に好きな場面は西晒湖女史の演説。
場面と合わせ、想像するとスカッとします。 -
世界中を数時間で移動できる技術”ミラーゲート”が実用化された未来。東京駅上空2000メートルに浮かぶ、11番ホームに勤務するサイボーグの少女”T・B”と、その友人のサイボーグの狼”義経”の活躍を描いた連作。
「スワロウテイル」シリーズの作者さんらしい物語といえば物語。どこかとぼけた少女が主人公で、表紙もとても可愛らしいのですが、ストーリーも、彼女たちの運命も過酷なものが多いです。
そして、世界観もかなりかっちりと出来上がっています。第一話からいきなり、日本と周辺各国を巻き込んだ謀略戦的な展開があり、
第三話でも、ミサイルがホームに撃ち込まれたり、果ては世界危機が迫ったりとスケールの大きな物語が展開されます。
しかし、そうしたスケールの大きさを、無理矢理に感じさせずしっかりと話の中に落とし込んでいるのが、非常によくできているなあ、と思わされるところです。
クライマックスシーンの派手さもかなりのもの! とても映像映えしそうで、できればアニメ映画で見てみたいです!
生きているかわからない仲間たちを待つため、150年もの間、政府によって東京駅のホームに閉じ込められているT・B。それでも、そこに訪れる人たちを、優しさで包み込む姿は、健気で本当にいじらしいです。自らの境遇があるからこそ、自分を殺してまでも、人にやさしくできるのでしょうか。
シリーズ一巻を読んだ限りでは、「スワロウテイル」シリーズよりも希望の見える終わり方でした。世界観もどちらかというとわかりやすく、文章のクセも抑えめなので、籐真千歳さんの作品を初めて読むなら、スワロウテイルよりもこちらの方がオススメかも。
スワロウテイルシリーズとのつながりもにおわされていて、続編も楽しみです。 -
購入。スワロウテイルシリーズが好きだったので、あちらと同様、理性的ではあるけど芯の強い女の子主人公がカワイくて好きです。女の子と犬と人工知能の掛け合いを、もっと読みたいので続編希望です。
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表紙に惹かれて購入したが、なかなか良かった。
ラノベっぽく書かれているが、内容は意外とエグいと思う…
特に魅力的だったのはキャラと世界観。
母性?溢れる女主人公ってのは新鮮だったし、同僚は犬(笑)。軽くイチャついてるし。
続刊もそのうち出るみたいなので楽しみ -
昔から読みたいと思ったいた作品。電撃文庫は見つからなかったので、ハヤカワの完全版で。未収録作品もあったみたいなので、結果的にはよかったかも。
SFはあまり読まない方だけど、それほどとっつきにくい世界観ではない。連作短編集ということで、すんなり情景は頭に入ってくる。キャラも立ってるし、つい夢中に読み進めてしまう。まっすぐな少女(年齢はともかく)、それぞれの信念、薄い水色のような世界が、読者を夢中にさせる。
スワロウテイルにも手を伸ばしてみようかな。、 -
今後この続きが読めるのは純粋に嬉しい