ウルトラマンデュアル2 (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 42
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (558ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150313470

作品紹介・あらすじ

ヴェンダリスタ星人と光の国、そして地球人類の死闘を精緻な設定で描いた『ウルトラマンデュアル』。書き下ろし続篇を堂々刊行!

感想・レビュー・書評

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  • #日本SF読者クラブ 前作から9年後の世界を描いている。ウルトラマン好きの方にとっては、良い本だと思いますよ。しかし、前作もそう感じたのですが、物語に「起承転結」とか「序破急」といったものが感じられない。言葉悪いですが、始めから終わりまでダラダラしているような、そんな感じ。ただ文章は読みやすいです。

  •  「ウルトラマンデュアル」の直接的な続編。
     地球を占領しにきたヴェンダリスタ星人とそれを阻止する光の国の宇宙警備隊の激戦の後、光の国の聖女を乗せた戦艦はヴェンダリスタによって廃墟にされた東京の一角に墜落し、その「飛び地」に立てこもる。「飛び地」以外の全地球は数人のヴェンダリスタ星人残党によって支配されてしまう。光の国の戦闘員は全滅しており、人類の有志が人類であることを捨て、ウルトラ化の処置を受けて、飛び地でヴェンダリスタの送り込む怪獣と戦っている。その中のごく少数が戦闘型の能力を持ち、さらに選ばれた者だけが巨大化して戦うデュアル変身が可能である。
     前作ではヴェンダリスタ星人の援軍と光の国の援軍がやってきて、ヴェンダリスタ星人を倒し、ウルトラマン・デュアル「シラヌイ」の二柳日々輝は地球防衛のために外惑星軌道の宇宙警備隊に合流するところで終わっている。
     その後、である。地球防衛軍が創設され、光の国の宇宙警備隊の仕事を担うために、ウルトラ化の処置を受けるものが公募される。国際防衛大学のエリート、栗村円と一ノ瀬環はウルトラ化の処置を受けるが、マドカは処置が中途で終了してしまい、タマキは予想に反して戦闘型になれない。世間のバッシングを受け、マドカは行方をくらまし、国際防衛大学の学生のアパートに身を隠している。
     ヴェンダリスタ星人を撃退したということで人類は宇宙で有名になったらしく、友好条約を結ぼうという宇宙人たちがやってきているが、彼らの意図は知れず、信用ならない。その宇宙人たちが送り込んだと思しき怪獣が現れる。マドカは人のためになるということに葛藤を抱えていて、その自分の意図を証明するかのようにひとり変身して怪獣に立ち向かっていく。
     マドカの再生が物語の重要な綾ではあり、今度のデュアルはマドカとタマキのデュアルではないかと予想させつつ、本作も群像劇である。密かに「飛び地」を支援する組織〈序の口〉に属する高校生だった友利三矢は国際防衛大学を卒業し、防衛軍のしかし、施設部門というさえない部署で葛藤している。だが彼のなかにはもうひとりのウルトラマン、ウンリュウがひそんでいる。ヴェンダリスタ星人に憑依されていた三矢の親友・片倉誉は防衛軍の医師となっているが、彼のなかにはヴェンダリスタ星人キップのかけらが残っている。光の国の聖女ディアを守るため、ティアの半分を宿していた伊波滴は、地球防衛の仕事には携わらず、バイトをして過ごしている。そして日々輝が勤務し、環が赴任してきた宇宙警備隊には謎の強力な生命体が接近し、環とコンタクトしたあと、地球へと向かっていくのだった。
     三島浩司の小説はいつもモラールなものだというが、本書ではウルトラマンの愛他精神が、利己的なものなのではないかという命題の周りを回っているようである。ただこの問題はそうクリアには描けないし、このテーマについては何だかわかったようなわからないような成り行きになっているのも致し方がないところか。

  • 『ウルトラマンデュアル』の続編。前作から約8年後。地球では新たな宇宙からの危機に備え地球防衛軍が組織され、光の国からは人類をウルトラ化する機器が与えられた。円と環は共にウルトラの女戦士を目指すものの円だけがウルトラ・オペレーションに失敗し、日本中から嘲笑されてしまう。一方地球には新たな驚異が迫りつつあった…。この世界の宇宙警備隊誕生の真実が明らかにされたり、前作の登場人物たちの後日談を交えながら、新たな時代へ踏み出した二人の女性の苦闘と再生、“誕生”を描く物語。
    苦闘の中で真実を知り、何度うちひしがれてもやがて再生し、宇宙にあまねく愛を示すため戦士となり、戦い始める。地球が光の国になれるかどうか、その階に立った所がラストなので凄く先が気になります。物語のテーマを体現するのは円ですが、登場人物の多くに影響を与え、未だファーストステップであるにも関わらず銀河系に影響を与えるほどの能力を身に付けてる日々輝の存在感も凄い。円と日々輝の上司であるバゴが好人物で好き。

  • <突>
    先日アマゾンプライムビデオで『ウルトラマン オーブ』シーズン1を観た。格闘シーンにあまりCGが使われていない事がヒジョウに好ましかった。怪獣もひと目で"ぬいぐるみ"と分かってこれも又微笑ましい。とても嬉しい作品であった。
    ところでこの5月末には,ハリウッドで制作されたゴジラが世界同時公開になるらしい。題名は『ゴジラ キング オブ モンスター』。なんでも東宝が制作費を拠出しているらしい。今までみたく権利貸与だけの作品とはちょっと違うはづなのだ,ってこの本とは全く関係ない話だった。誠にすまぬ。

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著者プロフィール

1969年生まれ。関西大学工学部電子工学科卒業。『ルナOrphan'sTrouble』で第4回日本SF新人賞を受賞し、2003年にデビュー。その他の著書に、『ダイナミックフィギュア』『シオンシステム[完全版]』『ガーメント』『ウルトラマンデュアル』などがある。

「2021年 『クレインファクトリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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