- Amazon.co.jp ・本 (483ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150314156
作品紹介・あらすじ
2010年代の日本SFを代表する短篇20作を、大森望&伴名練が選出! 全篇解説を加えてこの10年の豊穣を集成した傑作アンソロジー
感想・レビュー・書評
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名作揃いで笑ってしまうわけですが、個人的にはアリスマ王が好みです。
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素晴らしい作品ばかりでした。日本のSF作品はほとんど読んだことがなかったので好きな作家さんが増えてしまった。この当時のSFだとファンタジーやラノベやゲームなどと重なる要素が多いのかと思ったが、そんなことはなくてしっかりとした作品ばかりです。
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アンソロジーでは、いろいろなことがある。
読んで嫌な気分になったのは久しぶり。
受け付けないものは受け付けない。
ダメなものはダメだった。
ただ、“読んでみないとわからない”という点では、読んだことによって確認できた。
どれとは言わない。 -
2010年代SF傑作選2部作の「1」は若手編とのこと。正直、ちょっと期待してたのと違って、なかなか読む速度が上がらない収録作品が多かったけど、多様な作品が読めて、気になる作家さんが見つけられれば丸儲けかなと。
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再読が多い。
『滑車の地』上田早夕合、『アリスマ王の愛した魔物』小川一水 は安心して読めるな。
『allo,toi,toi』長谷敬司 はやっぱり衝撃的。 -
2010年代SF傑作選1(ハヤカワ文庫JA)
著作者:大森望
早川書房
2010年代ベストセラーSFアンソロジー第1弾
タイムライン
https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 -
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1のレヴューしてねぇじゃん。
表紙の名前を見れば満足、と云えるくらいのベスト・オブ・ベスト。1巻はベテラン勢揃いということもあって、質実剛健。現代の日本SFのメインストリームを感じることができる格好のガイドブックになっていると思います。
SF何読めばいいかなぁ? というひとは取り敢えずこれを読みましょう。そして気に入った作家の短編集へ、長編へ、誘われていくとよいですよ。さぁさぁ。
やはり一番のお気に入りは小川一水「アリスマ王の愛した魔物」。SFでありながらどこか御伽噺のような、けれど仄暗い怪しさも持っている千一夜的な、あらゆる物語の要素を持った傑作のひとつだと思っている。
上田早夕里「滑車の地」も鮮烈で、飽和しそうなくらいの世界観の中に現代と変わらぬ、変わりたくない生命を描く良作。
神林長平「鮮やかな賭け」。スピーディに入れ替わり、落着したようで展開する、まるで空戦をみているかのような筆致は神林節、と云えるのでしょう。雪風のイメージ強すぎィ。
円城塔「文字渦」は、個人的には文字“禍”の表記のほうが合っていると思っているのだけれど、ともかく表題とする短編集をレヴュしているので気になる方はそちらをどうぞ。
飛浩隆「海の指」も、モチーフこそあまりにはっきりとしているけれど、その中にこそある残した者、残された者の情感をSF的技術に依ることで繊細に書き出していて名作。これぞSFの役割、と思う部分もある。
流石さすが、と何度云っても足りないけれど、一番の流石、はこれらを一冊にまとめてくれたことだと思います。
ひとに本を貸すのが苦手なわたしのような人間には必携。何冊か持っていてもいい。
☆4.2 -
それぞれの感想です。
●アリスマ王の愛した魔物(小川一水):人が行う計算機という発想が面白く、興味深く読ませていただきました。計算機はどんどん大型で複雑になっていきます(ここは実際の計算機と違って)。
●滑車の地(上田早夕里):人が追い詰められている世界。人間が破壊した環境を泥棲生物が浄化していたり、冥海をさけて人が生活していたり、空飛んだり、少し風の谷のナウシカっぽい。読後感も◎。
●怪獣惑星キンゴジ(田中啓文):いやーなかなか斬新なストーリーです。主人公が怪獣になっちゃうし。しかし、果たして知性が高いのはどの種族なのか。ラストは、そうなるか!と思いました。面白かったです。
●ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち(仁木稔):環境破壊が齎す格差社会。他人ごとではありませんね。しかし、裁判を絡めて展開される、論破が面白い!です。
●大卒ポンプ(北野勇作):う~む。これは社会の歯車になってしまっている人の反乱のお話なのだろうか。不思議な感覚です。
●鮮やかな賭け(神林長平):今、生きている世界がリアルではなくバーチャルだったら。。。 わりとよく聞くストーリ展開ですが。長~い宇宙の旅は、やっぱりリアルでは無理かな。。最後は個人よりも集合体が優先されるんだろうか。今、生きている世界も怪しいかも!?
●テルミン嬢(津原泰水):普通と違う体質というか、世間と馴染めなくても、生きていくことに苦労しても、いや、だからこそ人を好きになる(なった気になる)のだと思いました。
●文字渦(円城塔):これはよくわかりませんでした。
●海の指(飛浩隆):ああ、「廃園の天使」の世界だなあと思いました。なんていうか、人との思い(人ではなくとも思考するモノの思い)というのが一番強いのかもしれません。
●allo, toi, toi(長谷敏司)この話は、ある意味、新鮮でした。言葉って曖昧ですね。そして、人は自身の世界でその曖昧な言葉を紡いで世界を作っている。。。 こりゃ、お互いに理解しあえない筈です。