大西洋、謎の艦影 (ハヤカワ文庫 NV 360)

  • 早川書房
4.00
  • (1)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 7
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (534ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150403607

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 原題:Rendezvous-South Atlantic<BR><BR>
     「武装商船巡洋艦」。平時には客船として使われていた船を巡洋艦として改造転用し、海軍が徴用したものである。乗組員も大半がRN(Royal Navy:正規海軍)ではなく、RNR(Royal Navy Reserve:海軍予備隊(商船の乗組員出身の士官で構成))やRNVR(Royal Navy Volunteer Reserve:海軍志願予備隊(民間の各種専門家や大学の予備士官等の出身士官で構成))である。RNの中佐であるリンゼイは、自分の指揮艦を失ったことと、そこから生じた精神的な理由により、なじみのある駆逐艦ではなくてこの「武装商船巡洋艦」であるベンベキュラ号に着任することになった。副長をはじめ、平時にはこの船の乗組員であったものたちは、RNのリンゼイに反発し、戦時のやり方に慣れようとしない。そんな中でリンゼイは内なる問題と闘いつつ、この船を闘う船としてまとめ、過酷な大西洋での任務を果たそうとする・・・。<BR>
     大西洋が舞台の話は、それだけで過酷な厳しい話である。そしてさらに追い討ちをかける人間関係やら何やら。それだけに、段々一つにまとまっていく船に段々愛着まで感じてくる。帆船小説ではよく船のことを「オールド〜」を親しみを込めて書いているが、このベンベキュラ号もそうなのだな、と思える結末だった。

全1件中 1 - 1件を表示

ダグラス・リーマンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×