輸送船団を死守せよ (ハヤカワ文庫 NV リ 1-17)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (557ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150410285

作品紹介・あらすじ

果敢な闘いでヴィクトリア十字勲章を授与された英国海軍中佐マーティノー。駆逐艦ハッカ号の新艦長となった彼は、強者ぞろいの乗組員を統率し、危険な任務を成し遂げていく。やがて最大の試練が訪れた。ソ連へ戦略物資を運ぶ護送船団の支援任務についたのだ。酷寒の北大西洋を進むハッカ号の行く手には、強力なドイツ巡洋艦との宿命の対決が!海の男たちの勇気ある闘いと感動の人間ドラマを描く、海洋冒険小説の白眉。

感想・レビュー・書評

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  • 原題:For Valour<BR><BR>
     初期のリーマン作品を思わせる読みやすさ。どろどろした恋愛も嫌な上官も出てこないというのがこんなに読みやすいとは(笑)<BR>
     登場人物も非常に魅力的。主人公、艦長のグレアム・マーティノー。副長のジェームズ・フェアファクス、一癖ありながらも憎めない下士官や水兵たち。立場的には憎まれる者たちですら、客観的に見れば決して憎まれるものでもなくて。人物自体はそう多くは出てこないが、それだけに個々人の書き込みがされている(日本ではほぼ同時期に出版された別作品とはえらい違い……)。<BR>
     唯一の不満は、センスの無い日本語タイトル。原題は「For Valour」、ヴィクトリア十字勲章に刻まれた文字。<BR>
     この勲章はイギリスで最高位の軍事勲章で、ビクトリア女王によって1856年制定されたもの。「敵前における、最も顕著な勇気、大胆なまたは卓越した勇気または義務にたいする極端な献身」によって与えられるものであり、最前線で戦ったものにしか授与されない。最も受勲が難しい勲章でもある。(WW1では陸海軍全てを通じても600名余(190名弱は死後の授与)しか授与されなかったとか)<BR>
     主人公であるグレアム・マーティノーはそんな勲章を受けた一人であり、その理由となった出来事が彼を苦しめ、また、最後へのつながりとなっていくのだが……そのタイトルを変えてしまったというのはどうにも納得しがたい。

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