深海のYrr 〈下〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-3)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (550ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150411725

作品紹介・あらすじ

科学者たちは異常な行動をとった海洋生物が共通の物質を持っていることを知る。そしてヨハンソンは、一連の事態が起きた原因をようやく突き止めた。その仮説を証明すべく、ヨハンソン、アナワク、リー司令官らはヘリ空母に乗りこみ、グリーンランド海に向かう。そこで彼らが目にした想像を絶する真実とは何か?最新科学情報を駆使し、地球環境の破壊に警鐘を鳴らす-ドイツで記録的なベストセラーとなった驚異の小説。

感想・レビュー・書評

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  • 想像を超えた展開で、これまで当たり前と考えていたことが、根底から覆された。

  • 3冊読了しました。
    いやー、面白かった。
    サイコ・サスペンス・パニックSF?
    色んな要素が混ざり合って壮大なディザスタームービーみたいな話になってる。
    むっちゃ映像向きです。てゆーか、キムタクがドイツで製作されたこれを原作としたドラマに出て好評で有るとの記事を見て読んだのだけど。
    海に太古から棲む単細胞生物集合体が意思(知性)を持って人類に襲いかかる。対抗する科学者集団をアメリカが纏め上げて起死回生の一手を放つ。
    もの凄く簡単に言うとこんな話。
    登場人物多数、途中でイールに襲われて退場する人も多数。えーっ、この人まで居なくなるの?と驚くこと複数回。見せ場、クライマックス、テンコ盛りの超大作でした。私が契約してるサブスクではやってないんだよー。見たいなー。サブスク多すぎるよね。

  • 世界有数の科学者たちが辿りついた〝 Yrr 〟の正体は、水の惑星地球を1億8千万年前から支配してきた「種の記憶」をもつゼラチン質の単細胞生命体 。自然淘汰による人類絶滅のイールの論理と生存したい人間の論理は相容れない。ならば人間がイールの優位性を認めて共存していく唯一の方法は、世界の海から科学物質や汚染廃棄物、騒音を締め出すしかないと唱えるも、アメリカ軍司令官は断固粉砕を叫び、立ち塞がった。イール襲来による世界の荒廃、国際的不況や軍事バランスの不均衡が及ぼす危機的状況は、今日の世界の現状を象徴している。

  • 過去の既読本

  • ようやくすべて読み切りました。
    壮大過ぎましたね。
    そして、やがて来る未来のような気がしてなりません。
    もうその歯車は狂い始めているのかもしれません。

    そう、実は科学者を結集させたのには
    黒い黒い真相があったわけです。
    それはとんでもない思い上がったことだったわけで。

    でも、その心の悪魔は
    誰にでも潜んでいること。
    だけれどもパニック時にふと目を覚ましてしまうことも
    あるのです。

    様々な仲間たちがこの一連の出来事で
    命を落としていきました。
    残されたものも、そこに生きる意義を
    見出すことに困難を持つ人も出てきました。

    でも、それを希望にできるか…
    これは私たちへの問いなのかな。

  • 翻訳モノのくせに読みやすい。この訳者天才!などと思いながら読んでいたが、ドイツ語が原作と聞いて納得。どうりで英語を日本語に直したとき特有の痕跡がないなーと思った。

    お話自体も、いろんな方向に飛んで、次にどっちに向かうのか想像もできず、わくわくしながら読んだ。Yrr…本当にいーるのか?

  • とにかく長かった!
    生化学関係の話は難しくてもなんとなくの理解で読み進められるので大丈夫だったけど、
    それよりわからなかったのが軍艦の内部!
    自分が船舶用語にうといのもあるが、どこに誰がいるのかわからなくなることが多かった。
    見取り図があれば嬉しかったです。

  • 文庫本とはいえ、かなりの大作。大長編の上中下巻を3冊まとめて感想。読み始めてから読了までの期間は長かったけども、実際には1冊読むのに2日間ほど、実質6日弱で読み終えてしまった。読み始めると止まらない、でも一気に読むには勿体無くて、1冊読むごとに時間を空けて咀嚼したという感じ。

    4年をかけて取材したというだけあって、科学的で専門的な描写が非常に多い。普通なら面倒くさくて流して読んでしまいそうだけど、この小説は程よく噛み砕いて物語の中でうまく説明している。少なくても高卒程度の科学知識があれば「完全に理解できている」と錯覚できるほど。

    あらすじは書かないけど、キーワードはメタンハイドレート、巨大津波、ゴカイ、クジラ、深海、単細胞生物、未知との遭遇。

    先日話題になったダイオウイカも出てくるし、NHKで放送されたような科学技術や深海探査機やらクジラの頭にカメラをつけるとか、見知ったものがたくさん出てきてそれも興味深い。
    私の大好きなサメ達も出てきます。

    そして、私の気に入ったポイント。この作品はドイツ人作家の書いたもののせいかわかりませんが、近年のSFにありがちな「IQが高すぎる天才」が出てこないって事。優秀な科学者や軍人、ジャーナリストは沢山出てきますが、一般人が読んでリアリティのあるレベルの天才達である事。
    決してコンピュータより速く計算したり、盤を使わずにチェスで戦ったりしません(笑)

    もひとつ気に入った点は、登場人物がかなり多いのに、キャラの書き分けが秀逸な事。あと、メインキャラだと思ってたら死んでしまう事も多いので、油断できないのと、死んだ人を見ている側と本人の両方の視点から描かれたシーンが多いこと。とても公平。

    さらに世界中が舞台となるので、場所や人物ごとにシーンが分けられているのもわかりやすい要因かも。とても映画的です。2008年の時点で映画化の話が決まっていたようですが、その後は不明。調べてみようかな。

    これだけの長編でかなりの規模の話なのにフィクションとは思えない生々しさと、同時にディザスタームービー的な派手なエンタメ感もあって本当に面白かった。

    再読するとまた違った面で楽しめそうです。

    ただ私としては大絶賛だけど、人に寄っては大規模な事件が起こるまでが長すぎて、飽きてしまうかもしれない。上巻では起承転結の起部分がほとんど。中下巻でやっと劇的に展開していきます。
    でも上巻でしっかり下地が描かれているからこそ、科学的展開や事象が起きた理由なんかも飲み込めるんじゃないかなと思いました。

  • 下巻に来て、失速してしまった感じだった。
    上中巻は、まだ科学的で読んでてドキドキしたけど、下巻になって急に無理がでてきた。
    どんどん話が広がって、世界はどうなるのか、最後どうまとめるのか、と期待していたけど、なんだか尻すぼみ。

    上中がしっかりSFだった分、落差を感じた。

  • 海の中で発生した異変。それは未曾有のパニックの始まりだった。
    マイケル・クライトンや『アビス』を彷彿とさせる知識や情報量を盛り込みながらも超高カロリーの娯楽に仕上がっている。
    環境破壊に警鐘を鳴らす内容ながら説教臭くならず、最後まで読ませる力には脱帽だ。
    これは凄い。

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