黄金の檻 (ハヤカワ文庫)

  • 早川書房
3.62
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本棚登録 : 86
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (563ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150414825

作品紹介・あらすじ

ストックホルムの高級マンションで夫と娘と暮らすフェイ。幸福に見えた生活は夫の束縛により崩れ去り、彼女はある復讐に乗り出す

感想・レビュー・書評

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  • かなり強烈なインパクト。なかなか書けるもんじゃない。

  • エリカ&パトリックシリーズが好きで、発売を楽しみにしていた本。
    ドロドロした展開だがテンポが良くて夢中で読んだ。
    作者はエリカやフェイのような強く逞しい女性を描くのが上手で、読んでいて気持ちがいい。
    ドラマ化したら面白そう。

  • エリカ&パトリックシリーズの作者だったので。

    面白いか、面白くないか、と言われれば、
    面白かった。

    若くして大富豪となった男の妻フェイが、
    浮気され娘も奪われて離婚される。
    そのあとの彼女のサクセス・ストーリーが上手くいきすぎとはいえ、
    リベンジがコンセプトというヘアケア製品と香水が売れる気がしないとはいえ、
    ちらりと見てしまった裏表紙の「復讐劇」の期待は裏切っていない。

    フェイの子供時代からの秘密も、
    殺人も犯罪行為も、
    夫の非道ぶりも、
    ラストに登場する人物も、
    ぶっ飛んでるとはいえ、読者としては「許せる」。

    悲しかったのは、
    フェイの長年の親友クリスが真実の愛を見つけながら、
    癌で亡くなってしまったこと。
    彼女にも幸せになってほしかった。

    そのクリスが恋人に癌を告白し、
    お返しにプロポーズされるところは、
    数少ない、いや唯一の美しい場面だった。

  • ☆3.5

    ストックホルムで裕福で成功した夫ヤックと娘ユリエンと共に暮らしている専業主婦のフェイ。大学時代に出会った夫はフェイの力を借りて友人と事業を起こし成功するが、今ではその事を忘れたかのようにフェイを軽く扱い冷め切った態度を取るようになる。彼女はそれに気づかないように蓋をし幸せな家庭を演じようとするが…。

    夫に裏切られた女の復讐劇。
    私がたまに読むサスペンス系の話ってこういう内容ばかりな気が(笑)
    三部構成になってるけど一部の夫の顔色を伺い踏みつけにされるのをよしとし耐える妻の描写は読んでて心地よくない。でも横暴で同情心も後悔もかけらもない夫の描写もありそのおかげで復讐は盛り上がる。
    元々主人公は頭が人一倍よく男の影に隠れるような性格でもないのでビジネスでの成功は都合が良いものの行動力、実行力は逞しい。
    翻訳者さんの後書きにもあったけど男女平等が進んでいると思われるスウェーデンでも男性優位な価値観は残っていて興味深い。妬みや見栄やらプライドやらマウンティングも世界のどこでも変わらない。
    一番可哀想なのは元彼。続編の内容は気になる。

    EN BUR AV GOLD 2019

  • カミラ・レックバリが昼ドラを書いた!
    虐げられたヒロインが、リベンジのために立ち上がる。
    のし上がる!
    体をはったエロシーンも充実だ!

    フェイ・アーデルハイム、これは彼女の物語だ。
    それが3部構成で描かれる。

    第1部 昭和の「耐える主婦」
    第2部 バブルのキャリア系
    第3部 総仕上げ

    乱暴だがこんな感じだ。
    そして、申し訳ない、私は第1部は飛ばし読みをした。
    虐げられているフェイの、虐げられっぷりが――虐げられることをよしとするようなフェイが、いじいじしてたまらなかったのだ。

    なぜフェイという名になったか、どんな生い立ちだったのか、結婚相手とはいつ出会って、どんな結婚生活だったのかが、第1部で描かれるので、すべてを飛ばすわけにはいかないのだが。

    第2部でようやく転調して、読めるものにはなった。
    ほっとしたが、しかし、このビジネスプランはいかがなものかと疑問点はいくらでも湧く。

    第3部は――総仕上げである。

    カミラ・レックバリといえば、エリカ&パトリックシリーズだ。
    『氷姫』から始まって、2021年現在10巻まで続いている人気のシリーズである。
    あの人気シリーズのカミラ・レックバリが! と言いたいが、しかし、この本はエリカ&パトリックのことは忘れて読むのがいいだろう。
    あのシリーズとは毛色のちがう、昼ドラなのだ。
    ソープ・オペラと言うべきか。

    2019年の談によると、カミラ・レックバリは、ソープ・オペラが大好きらしい。
    自分で作りたいほど好きだというのだ。
    そこに、彼女が執筆の大きなテーマとしているスウェーデン社会の病巣、根深い家庭内暴力を入れたのだ。
    これがスウェーデンでは大いに受けて、『黄金の檻』は2019年もっとも売れた本となったらしい。
    さらには、この続編が2020年3月に出されている。

    人気だ。

    しかし、私の好みから言えば、私の読みたいカミラ・レックバリではなかった。

    けれども、あとがきには嬉しいことがかかれていた。
    カミラ・レックバリは、2022年3月までに、エリカ・パトリック・シリーズの新作を仕上げる計画だというのだ。
    ひゃっほう!
    第10巻『魔女』が最終巻ではないかと思う人が少なくなかっただろうが、そんなことはなかった!

    日本語に訳されて出されるまでに、どれくらいかかるだろうか?
    ジリジリしながら、私はこれを楽しみに待つ。

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