スイッチ! ──「変われない」を変える方法 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150504786

作品紹介・あらすじ

個人の習慣も会社のシステムも、3つのフレームワークさえ押さえれば、こんなに簡単に改善できる!「変わりたい」人必読の書。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、「変われない」を変える方法について、研究した本です。
    理性、感情、環境を上手く使いことで、誰もが簡単に変化を引き起こせると書かれています。
    とても参考になりました。
    また読み物としても面白かったです。
    ぜひぜひ読んでみて下さい!

  • 人が変わるためにどうしたらいいのかをまとめた本。
    著者の像(感情)と像使い(理性)という比喩がとても秀逸で、
    「ファスト&スロー」の速い思考と遅い思考を彷彿とさせます。

    ※ファスト&スロー(上)
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4150504105#comment

    洋書特有の読みにくさはそれほどひどくはないですが、
    それでも具体例がたくさん載った大ボリュームの本ですが、
    ポイントだけでもピックアップして読むとよいのではないかと思います。

  • 「自分や相手,組織を動かすにはどうしたら良いか」というある意味究極の質問に,理性(象使い)と感情(象),環境(道筋)にスポットライトを当て,学術研究やビジネスの現場での事例を添えながら解説する本.

    本著では変化にはパターン(再現性)があることを示す.
    そして変化を起こす者にパターンは存在しないことも示す(多様な事例)
    つまり誰でも実践できるということだ.

    数々の事例はその事例ごとの問題をセクシーに解決したという意味で魅力的で,自分の仕事や生活でも使えそうだという有益性も孕んでいる.面白く有益な本.つまりとてもいい本.
    問題解決を生業とする人にはブッ刺さる内容ではないだろうか.
    時間がない人は後ろから読めば要点は掴めばいいだろう.

    個人的に押さえておきたいポイントは以下.
    ・「解決すべき問題の大きさと,解決策の大きさが等しいとは限らない」
     小さな取り組みが大きな問題の解決に至ることケースが多々ある
    (小さなキッカケが象を動かしフードバックループへ)
    ・自分自身や相手を説得する時,象使い(理性)に訴求しているのか
     象(感情)に訴求しているのかを区別する.特に象への訴求が重要.
     →論理的思考が大事,なんて言われるけど感情(象)を動かすテクニックも大事

    ・スイッチのフレームワーク
     ー象使いに方向性を与える
      ・ブライトスポットを見つける(失敗例ではなく成功例に着目)
      ・目的地を指し示す 白黒の目標
      ・最初の一歩を示す(具体的な行動)
     ー象にやる気を与える
      ・感情を刺激し共感を誘う
      ・アイデンティティに訴える,育む
      ・行動をシンプルに・明確に定義・細分化
     ー環境を変える
      ・仕組みやものをなくす,変える
      ・習慣を生み出す
      ・仲間を集める(進捗の公開,ステコミ.伝染)

    自分自分や周囲の人に何かを働きかけたい時,自分の言動が象を刺激するものなのか,象使いを刺激するものなんかを考える癖をつけておくと,成果を得やすくなりそう.
    とくに象が動くと思い象使いを刺激するアクションをとってしまい効果が出ないという場面がいっぱいある気がする.
    (飲酒の危険性を頭で理解させることと,実際に飲酒をやめるかは別,的な)

    象を動かすには? デモをする,現場を見せるといった方法で相手に「うわっ」と感情的インパクトを与えるのが有効そうだ.

    タイトル見た時に「根拠のないうっすい量産型自己啓発本だなあ」と思ってしまった.全然そんなことなかった.ごめんなさい.
    というか,この本,反脆弱性の翻訳者じゃないか!

    ・象(感情)でゆさぶり象使い(理性)に方向性(解決策)を与える
    ・方向性は明確でびっくりするような目標
     (例:医者「X年に10万人の救えた命を救う」)
    ・人間ではなく環境・状況を変える(道筋を与える)ことを試みる
    ・課題ではなくビジョンを示す(こういう世界を作るんだ!)
    ・SMARTのフレームワークを活用した目標は”象”には響かない
     (象の反対を受けない定常的目標なら効くが,像が納得しない話では効かない)

    ・「白黒の目標」→ はっきり,かつ,解釈の幅に余地がない目標にする.all or Nothing
     
    ・人間は問題点(悪いところ)に注目しがち,解決策(いいところ)に目をつけよう.善と悪は非対称.”ブライトスポット”

    ・人間は選択肢が多いと疲弊する.(これは非合理的)24種類のジャムを置く売り場より,6種類のジャムだけの売り場の方が10倍も(!)売れた.

    ・人を動かす指針は「明確さ」「具体性が必要」
     ×毎日英語を勉強
     ◯XXXテキストの問題を毎日1問解く

    ・問題解決の罠ー>原因の深掘りでどんどん規模を大きくし,
     それに対抗する壮大な打ち手を考えても「真実だが役に立たない」
     ある町の復興:
      ×経済,雇用,自然,暮らし,行政のここがダメetc…
      ◯:”皆が10%多くお金を使ってくれたらXXX万も財政回復”

    ・変革に成功する時、リーダーは象使いだけではなく象にも訴えかけている

    ・分析的手法が有効なのは、変数が既知で、想定条件が少なく、将来が不透明ではない場面。
    ・変革に成功した大半のケースでは変化は分析→思考ではなく見る→感じる→変化で発生

    ・「肯定的幻想」 人間は自分自身を過剰に評価する
     ほとんどのドライバーが自分は運転が平均よりうまい と考える.
     →戒め.


    ========================

    「真実だが役に立たない」 True but useless

    ブライトスポット(うまくいっているところは?)

    悪いところではなく,ブライトスポット(いい結果が出ているケース)に目を向けてコピー&横展開を試みる.いい結果が出ているからと言ってもちょっとしたコツだけであることが多い(ベトナムの栄養問題,里芋の葉を使うかどうか)
    大きな問題に対しても,小さな解決策がクリティカルに効くケースが多々ある.

    ”象使いは問題を見つけた時,問題の大きさに見合う解決策を考えがち”

    象(感情)と象使い(理性)

    セルフコントロールは消耗資源,心の筋肉
     自分に甘い人,変われない人=既に疲れ切っている,筋力不足?

    会社での稟議=象使いではなく象を動かす
     もっと健康的な食物をとろう(for象使い)ー>
     牛乳にはベーコン換算でこれだけの飽和脂肪酸が詰まっている(象)ー>うわっ

    大きい容器と小さい容器に入ったまずいポップコーン
    →容器を大きくするだけで人はたくさん食べた.
    →環境(容器の大きさ)の問題を人間の問題(大食い→考えを変える)と誤解することで問題解決が複雑に

    ・スタンプカード
     8つ集めれば特典がつくものより,10個必要だが最初2個スタンプが既に押されているスタンプカードの方が1.5倍達成率が高い

    やる気が出ない象への対処法:
    ・とりあえず5分始めてみる.
    ・タスクを細かく分解する

    ・アイデンティティに訴える
     「そのアイデンティティを取り込みたい・強化したい」
     →例:絶滅危惧種のインコを守ることを通じ島民としての誇りを感じさせる
     アイデンティティは後から付与されるもの.後天的かつ成長する.
     →「あなたは発明家だ」
      缶の製造工場で各従業員が改善点を続々と提案.業績改善

     フットインザドア*アイデンティティの刺激
     ・小さな要求を通すことで「良き市民としての自分」
      「良き社員としての自分」というアイデンティティを植え付け,次の要請を通す.①自分は何者か?②自分の置かれた状況は何か?③自分と同じ状況にいる人はどう行動するか?

    ・変化への試みは失敗を伴う,象は失敗を嫌う.失敗すると「闘争本能」が働く. 失敗に対する対抗策は”””覚悟”””

    ・評価システム
     A,B,C,DではなくA,B,C,NY (Not Yet)

    ・”変化で最もむずかしいのは像を前進させ続けることだ.象使いに必要なのは方向性だが,象に必要なのはやる気だ.そして,そのやる気は感情から生まれる.知識では変化を越す意欲は生まれない.しかし,やる気は自信からも生まれる.従って,像は自分が変化に乗り切れるという自信を持つ必要がある.人々に自信を養い,問題と比べて自分の方が「大きい」と感じさせる方法は二つある.ひとつは変化を細かくすること.もう一つは人を育てること(できればその両方)”
     
    アクショントリガー →意思決定の事前装填

    学習性無力感(がくしゅうせいむりょくかん、英: Learned helplessness)とは、長期にわたってストレスの回避困難な環境に置かれた人や動物は、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという現象

    行動は伝染する.像は群れを見渡して行動をまねる.
    ーある出来事への対応+ある出来事に対応する周囲に対する対応

    ・動物の調教(スケボーに乗る猿)ー>接近法
     スケボーに触ったらご褒美ー>乗ったらご褒美→走行できたらご褒美 tbc…
     「長い旅にはたくさんのマンゴーが必要なのだ」

  • 題名の通り、スイッチ=変化に関する本。
    自分自身、組織、パートナー、社会について、理性と感情と環境をコントロールすることで大きな変化をも生むことができると世界の具体例をもとに説明してくれます。
    変わりたいのに行動に移せない、変化を求める人には参考になると思います。あとは、やるかやらないか。

    1. 象使い(理性)に方向を教える
    ・ブライトスポットを見つける
    ・大事な一歩の台本を書く
    ・目的地を指し示す

    2. 象(感情)にやる気を与える
    ・感情を芽生えさせる
    ・変化を細かくする
    ・人を育てる

    3. 道筋(環境)を定める
    ・環境を変える
    ・習慣を生み出す
    ・仲間を集める

    学びはあったけど、少し中弛み、というか文章が長くて集中できない箇所があったので星3つです。すみません。

  • ブライトスポット、変化は細かくはすぐに実践できるので日常生活で心掛けたい。

  • これはおすすめ。

    人の問題ではなく環境の問題(帰属の誤り)について、
    例をあげてきちんと説明してくれる上に、
    対策まで教えてくれる。

    医療の質改善プロジェクトの紹介に至っては感動的ですらある。

    もうこの1冊だけあればいいや、と思える本ってなかなかないけど、
    これはほんといいわ、くらいしか書けないわ。

  • 以下、気になった箇所を抜粋
    ・複雑な選択や検討をさせられた人々は、させられていない人々よりも集中力や問題解決能力が落ちる。(P22)
    ・感情に訴えかけることで、状況は変わる(P26)
    ・変化が必要な場面では、分析のしすぎは悪影響を与えかねない。(P48)
    ・選択肢が増えると、それがどんなによい選択肢でも、私たちは凍りつき、最初の計画に戻ってしまう(P72)
    ・人は短い旅の出走ゲートにいるよりも、長い旅が途中まで終わっているほうがやる気を出す(P171)
    ・毎日小さなことを改良していけば、やがて大きなことが起こる。(P193)
    ・従業員は生まれつき「発明家」だったわけではない。「発明家」というアイデンティティが与えられ(P210)
    ・小さなイエスが次の大きなイエスへの道を切り開いた(P211)

  • 頭ではわかっていても心が抵抗する時がある。
    それは象が暴れているから。

    過去を振り返ってみると象使いばかりに負担をかけ、象を野放しにしていたことで失敗していたように思う。
    そして、失敗を象使いのせいにする。忍耐が足りなかったのだと。
    これでは、失敗を繰り返すばかりになる。象は強大な力を持つ、その力をうまく使うことが大事だと分からせてくれた本。

  • 象と象使い。象を動かすのは難しい。が、このやり方を身に着けて、日頃から使っていけば、動くのが難しい象も動かせるのか!チャレンジしたい

  • 問題点を深掘りするのではなく、うまく行っている点を深掘りする。ブライトスポットの分析。

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