- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150506063
作品紹介・あらすじ
クリストファー・ノーラン監督最新作『Oppenheimer』原作「オッペンハイマーという誰よりもドラマティックな人生を歩んだ男の脳内に入り、彼の物語を描くことによって、観客のみなさんに彼の人生を追体験してもらいたかった」――クリストファー・ノーラン2006年ピュリッツァー賞受賞作「原爆の父」と呼ばれた一人の天才物理学者J・ロバート・オッペンハイマーの生涯を丹念に描くことで、人類にとって国家とは、科学とは、平和とは何かを問う。全米で絶賛された傑作評伝、待望の文庫化。詩や哲学にも造詣が
感想・レビュー・書評
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中巻はいよいよ本格的にマンハッタン計画が始動する。
だが、この『オッペンハイマー』というノンフィクション本は基本的にロバート・オッペンハイマーその人に注視したノンフィクションであるので、期待していたような原爆開発のプロセスが多く語られることはなかった。
ほぼ半分はロスアラモス国立研究所の成り立ちから、オッペンハイマー周りの人々との関係がメインで描かれていく。
そして、もう半分にトリニティ実験や、日本に原爆を落とすまでが描かれているのだが、このあたりはとても興味深かった。
未だにアメリカ人の多くが原爆が日本との戦争の命運を分けたと考えていると聞いたことがあるが、原爆投下の前、7月の段階で日本の敗戦は既に決まっていた。ポツダム宣言の受諾もわかっていたようだ。ではなぜ原爆を投下したのか。それはソ連への牽制だった、と。
アメリカは既に次の戦争の可能性に対ソ連を想定しており、そこを牽制するために核兵器の威力を見せつける必要があったのだと。
また、原爆投下後のアメリカの反応も面白い。
核爆弾を手に入れたアメリカは世界で最も進んだ国であり、こんな素晴らしい兵器を他国が、ましてソ連が作れるはずはない、と。
だが1949年にはソ連もプロトニウム型の爆弾の実験に成功する。そこからソ連とアメリカの核開発競争に発展していく。
2024年に生きる自分から見ると、大分イカれたと言うか綱渡りのような政治状況で驚く。案の一つとしてソ連への先制攻撃とか上がるのはわかるが、ここまで政府関係者にイカれたやつがいると、よく戦争が起きなかったなと思う。
冷戦の緊張状態が伝わるようで怖くも感じた。 -
読み方が 分かってきた
人の名前を追ってはいけない -
広島長崎に落とされる前と後がよくわかった。何人もの人物が議論していたし、反対者もいたんだと分かった。
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2023年3月映画化
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50352550