現代短篇の名手たち8 夜の冒険 (ハヤカワ・ミステリ文庫) (ハヤカワ・ミステリ文庫 ケ 5-8 現代短篇の名手たち 8)

  • 早川書房
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (527ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151782589

作品紹介・あらすじ

神父は、その谷にただ一人で住んでいた。若者たちを皮切りに、古くからの住人たちは次々と谷を出ていき、村はすっかり寂れてしまった。今や住民と呼べるのは彼だけなのだ。それでも神父は、毎朝鐘を鳴らし、教会を守っている。そこへ…過疎の村で起こった奇妙な事件を描く「静かに鐘の鳴る谷」をはじめ、極北の荒野で、夜中の港町で、異郷の小さな町で、次々起こる20の事件。名手中の名手が贈るサスペンスフルな傑作集。

感想・レビュー・書評

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    ホックの短編集。こっちは持っていなかった。やはり文章が上手いのか、止まらなくなる。落ちはそこそこ読めるが、それはどうでも良い。ちょっと無理のある落ちもあるが。

  • 完成度の非常に高い上質なミステリ短編集。
    存じ上げなかったのですが、
    これを機に他の作品も読んでみたく。

    お気に入りは「夜の映画祭」(渋い!!カッコいい!!)
    「くされ縁」「二度目のチャンス」。
    「大物中の大物」はちょっと星新一ぽくてなお好き。

  • 裏表紙の内容紹介が面白そうなので読んでみた本。
    この作者の本を読んだのは初めてですが、1話目からちょっと驚きました。
    1話が短いということ。
    そして、その短い話の最後の1ページに別の結末が生じたこと。
    う~ん。
    中々よく出来た話だ。
    これは期待できそう・・・と改めて見ると、20話もの話が収録されていると知りビックリ。

    そのどれもが世界各国を舞台にした、さまざまな人物を主人公にした話で、主に最後の最後に全てが分かるという仕組みになっています。
    正に最後の一行まで結末が分からなかったりする。
    その反対に収録されている話の中には最初から結末が読めるものもある。

    その結末のどれもが小さい驚きがあるものの、さりげないもので、思わず見落としてしまいそうになる。
    そして本文をちゃんと読んでないと意味が不明になるものも・・・。
    私自身、何度もページを遡って読んでしまい、集中力のなさを実感しました。

    収録されている中で私が気に入ったのは、最初の「フレミング警部最後の事件」と内容紹介にある「静かに鐘の鳴る谷」
    「フレミング警部最後の事件」は、定年退職が決まった腕利き刑事が最後の事件として担当した斧による惨殺事件の話。
    途中でこれって、こうじゃないか?と思ったら見事に最後、裏切られ・・・と思ったら半分は当たっていたという内容でした。

    そして「静かに鐘の鳴る谷」は過疎の村に残り、毎朝鐘を鳴らすのが日課の神父の話。
    ある日、その教会に一人の男がやって来る。
    神父はその男の事を「悪魔」じゃないか?と危ぶみ警戒する。
    そして、その男の取ったある行動について問いただすが-という話で、とても静かな中に余韻の残るいい話だった。
    最後の一行が深い。
    この主人公が神父だという事がこの物語には大きな意味をなしていると思う。

    人間の心理を逆手にとったミステリー。
    あとがきによると、作者は『個性的なシリーズキャラクターを主人公にしたパズル・ストーリーの名手』だそうですが、これはそれらのシリーズ・キャラクターの登場しないノンシリーズ短編だそう。
    初期の頃、いろんなジャンルの雑誌に投稿するためにいろんなタイプの短編を書いていたそうです。

  • 「エドワード・D・ホックは2008年1月17日にニューヨーク州ロチェスターの自宅で心臓発作のために亡くなるまで、950篇以上の短編小説を発表した。ミステリ業界において短編小説の執筆だけで生計を立てていたのは、ホックだけだった。ホックが亡くなった今では、誰もいない」(ミステリ研究家・木村仁良、巻末解説より引用)。

    アンリ・ジャイエが丹精した極上の「エシェゾー」の如き味わいのミステリー。必読のアンソロジーである。

  • 落ちのある話ばかりで、話として完成しすぎていて、ものたりない印象を受ける。余白というか余韻が感じられなかったので、2回読むことはないと思う。

  • ニック・ヴェルヴェットやサム・ホーソーンのシリーズは読んでいたのですが、これはノン・シリーズのホック短編集です。でも期待に違わず面白かったです。短くても内容の濃い物語や、ラストの落とし方のうまさなど、堪能しました。

  • 『フレミング警部最後の事件』

    『どこでも見かける男』

    『私が知らない女』

    『夜の冒険』

    『影の映画祭』

    『くされ縁』

    『正義の裁き』

    『空っぽの動物園』

    『静かに鐘の鳴る谷』

    『やめられないこと』

    『もうひとつの戦争』

    『不可能な不可能犯罪』

    『出口』

    『大物中の大物』

    『家族の墓』

    『サソリ使いの娘』

    『知恵の値』

    『二度のチャンス』

    『スペインの町で三週間』

    『ガラガラヘビの男』

    2010年1月21日購入

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