ブラックサマーの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房
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感想 : 160
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  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151842528

作品紹介・あらすじ

過去に手掛けた事件に冤罪疑惑が持ち上がり、刑事ポーは窮地に立たされるが……『ストーンサークルの殺人』に続くシリーズ第二作

感想・レビュー・書評

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  • 無骨なハミ出し刑事と融通の利かないオタク分析官の凸凹コンビ、冤罪の謎を解け #ブラックサマーの殺人

    ■あらすじ
    ポー、大変なことになった… イギリスの国家犯罪対策庁刑事ワシントン・ポーは、過去に逮捕、解決したはずの事件に向き合っていた。なんと犯人が殺した人物が生きて現れたのだ。犯人は有名レストランの三ツ星シェフで、殺害されたのはその娘であった。上長であるフリン警部、敏腕分析官のブラッドショーと共に、冤罪事件の謎を探るミステリー。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    昔ながらの無骨な刑事ワシントンポーと、人とコミュニケーションをとるのが苦手な分析官ブラッドショーがナイスコンビの本シリーズ。今回もポーの信念とブラッドショーのひた向きさに、すっかりと心奪われてしまいます。さらに今回は敵側の犯人や、警察内部からの圧力も激しく、緊迫した状況で物語が進行していく物語になっています。

    また本シリーズは、海外ミステリーで長尺なんですが、すんごく読みやすいんですよね。作者はもちろん、翻訳者がお上手なんでしょう。普段翻訳ミステリーを読まないって方にもオススメできます。

    ストーリーとしては、冤罪逮捕をしてしまった刑事が、再度事件をあさって真相に導くというもので比較的シンプルな展開。しかし捜査や聞き取りは重厚感たっぷりで、これぞ警察捜査というものを楽しませてくれます。

    本作のイチ推しキャラは、やっぱりブラッドショー。彼女の登場シーンなんかは、まさにアイドルが舞台に出てきたみたいでしたね。キャー素敵って感じ。相変わらずバランス感覚が欠如してるんですが、ポーをひた向きに守る一生懸命な姿が可愛すぎるんですよ。

    そして物語の終盤、真相がなかなかの衝撃度。意外性というより、なんて恐ろしい事件なんだというインパクトです。まさにエンタメ度が抜群の捜査ミステリーでした。

    ■ぜっさん推しポイント
    前作もそうでしたが、本シリーズはイギリスの文化や歴史を学ばせてくれるんところが推しどころなんですよね。イギリスのカンブリア州の自然や街並みはもちろん、とある特有施設なんかはまるで知りませんでした。GoogleMapで地域を調べて見たりするもの面白いです。さて本シリーズ、三作目、四作目の出来がいいと聞いてるので続編が楽しみですね。

  • シリーズ第二弾。前作からすぐに読み始めたので、カンブリアの風景とポーやティリーら登場人物達がドラマ観てるかの様に脳内再生。前作同様、猟奇的で辛い描写も多かったけどハウダニットの展開が気になって夢中で読んだ。次作が待ち遠しい!

  • 前作より好き。
    今回は夢中で読み切った。
    作中でタイムリミットがあったから、私も少し焦りながら読んでるのが自分でウケた。
    誰?ではなく、どうやって?の小説も面白い。

    あの人のサイコパスの部分をもうちょい教えてほしかったなー。
    あと、ポーへ拘る理由がちっぽけに感じた。
    そんなんで逆恨み?されるなんてやだ!
    自分が悪いんじゃんか!
    しかし、割とピンチだったよね。
    よくひっくり返してきたなーと感心。
    そして、ティリーはいい!
    可愛らしく、素直!

  • 「先を知りたい‼️でも読み終わるのがもったいない‼️」
    久しぶりにこの感覚を味わえる作品(しかもシリーズ)に出会えました。
    「ワシントン・ポー」シリーズ2作目は前作を越える面白さでした。最後そう来たかっ‼️早く3作目を手に入れないと‼️

  • 「ティリー、ちょっと頼まれてくれないか?」
    「もちろん、いいよ」
    彼女はいつもこうだ。なにをするのかわからなくても、イエスと答える。

    ※※※

    … な に こ れ ティリー最高か

    マリモさんのおっしゃるとおり、今作ではティリーがさらに可愛かったです。
    前作「ストーンサークルの殺人」では可愛さレベル0からスタートして(異論は認める)どんどんレベルアップしていき、最終的にはレベルマックスの100に到達したティリーちゃん。

    今作では噂の登場シーンからずっとマックスなはずのレベル100を超越し続けております。あー可愛かった…!

    冒頭のようなやり取りも、ティリーのは決して単なる安請け合いなんかじゃないんよね。ポーのことが大好きで信頼していて信頼に応えたくて、そしてどんな難題をふられてもしっかりと結果を出す。

    また2人が恋愛関係ではなく親友かつ最高の仕事の相棒っていうのがよいのです!
    でも何か若干いちゃこらしてない?異性の親友なんてできたことないけどこんなものなのー!?

    …と、ここまで長々とティリー愛だけを語ってしまいましたが、相変わらずミステリとしても抜群に面白かったです。
    先が気になりどんどん読ませる構成力はほんと圧巻だし、直感力のポーと分析力のティリー、2人の力を併せて一見説明のつかない事象を少しずつ解き明かしていくのが小気味よい。
    前巻ほど残虐シーンなくて安心してたら、ちょっと最後のへんで「うっ」てなりましたが…でも後味も◎だし安心して読めるシリーズ。

    ラストは次巻への含みを持たせて終わったので、今仕事めちゃめちゃ忙しいんですが手を出しちゃおかなーどーしよかなー

    • ひまわりめろんさん
      たぶん「ティリー」の日本語訳が「最高」
      たぶん「ティリー」の日本語訳が「最高」
      2022/11/28
    • mochimochiさん
      「ティリー」と「最高」は必要十分条件を完全に満たしてるということですよね全力で同意です!
      「ティリー」と「最高」は必要十分条件を完全に満たしてるということですよね全力で同意です!
      2022/11/28
  • う〜ん、やっぱり面白い。

    今回は主人公のポーが終始ピンチの状態が続く。
    ポーのピンチを救うため、チーム・ポーのメンバー、ティリー、フリンたちが一丸となって捜査していく。

    読み始めの1/3ぐらいまでは、ポー1人でどうしようもなく困ってたけど、そこにティリー登場。ティリー登場で一気に雰囲気が明るくなる。事件も解決していくのかと思いきや、一歩進んで二歩後退みたいな感じ。このまま犯人の思惑どおりになってしまうのか?私は犯人にイライラ。
    やっとあと1/3ぐらいで事件の糸口が見えてきて、少し安心して読んでたけど、だんだん犯人の怖さが際立ってきた。犯人=サイコパスがとにかく怖い。頭脳明晰で人を操る術に長けてる。こんな人は、簡単に人を殺しちゃうんだろうな。
    最後の犯人VSチーム・ポーの頭脳戦は面白かった。私は「とにかく犯人をこてんぱんにやっつけてくれ」と思いながら読んでた。

    読み終え、やっぱりティリーが好きだなと思った。
    相変わらず可愛いし、今回はティリーの凄さを改めて知った感じ。無駄な動きはせずに効率よく捜査をしていく。優秀でカッコいいと思う。

    題名の"ブラックサマー"が本当にある物なのかネットで調べてみました。実際ある物で、私には手が出ない物でした⤵︎。"ブラックサマー"の意味が分からなかったけど、題名の意味が分かったとき
    「そういうことか、なるほどね」となりました。

  • 「ワシントン・ポー」シリーズ二作目
    「ポー、まずいことになった…」というセリフはポー本人も着信音にしてもいいと思うくらい頻発…

    ポーによって刑務所送りにされたカリスマシェフ、彼は娘殺しの罪に問われたのだが、6年後の今その娘が現れて…冤罪の証拠が上がりポーは窮地に立たされる…

    冒頭の「何故こんなことに?」という状況から、時が二週間遡って章が始まる。

    解決の糸口を、見つけようと進んでいくがやはり冒頭の場面が気になり「進んでるようだけど、何故あのようになるのか?」が気になり読み進めてしまう。うまいこと引き込まれてる。

    前作が連続焼殺魔(イモレーション・マン)との対決だった為、今回は過去の事件の真相を再度洗い直すタイプの話なので緊張感の作り方が「ポーの致命的なミス」と、冒頭の場面の引きにかかってる。

    デコボコバディも健在、今回はフリンも出番が多かった気がする。

    ポー自身が抱える問題について、ラストで訪れた訪問者が何を示すのか…早く続編が読みたい。

    サイコなシェフが相手だからか料理の描写も多く、少しだけ「羊たちの沈黙」の香りが…とか思ってたら解説で触れられてた(失礼しました)

  • もう次回作が読みたい!
    何なら本作の途中からもう次回作が読みたい!(それはどうなのか)

    NCAの部長刑事ワシントン・ポーと彼の最終兵器ティリー・ブラッドショーの1番の親友コンビが新たな敵に立ち向かう
    もう最高です
    自分のクライマックスは1番の親友ポーのピンチに駆けつけるティリーの登場シーンです
    もう45回くらい読み直しました!(さらっと嘘)
    いやもうそのくらいの名シーンってことです

    己の直感に従って捜査を進めるポーとデータを自在に操るティリー
    お肉大好きポーとベジタリアンのティリー
    夜はとりあえずビールのポーと変な匂いのするお茶を飲むティリー
    なにもかも正反対の2人が揺らぐことのない信頼関係でどこまでも突き進み最後にはもちろん真相を明らかにして正義の鉄槌をくだすのです!

    いや〜爽快!

    そして今回も次回に繋がる期待感煽りまくりのラスト!
    早く次回作を読みたい!!
    頼んだよハヤカワ文庫!!!

    • 111108さん
      ひまわりめろんさん、
      「何なら本作の途中からもう次回作が読みたい!」って‥いや私も思っちゃいました(≧∀≦)
      ひまわりめろんさん、
      「何なら本作の途中からもう次回作が読みたい!」って‥いや私も思っちゃいました(≧∀≦)
      2022/04/17
    • ひまわりめろんさん
      111108さん
      こんにちは!

      ですよね〜!
      ホントはもう今作読む前から次回作読みたかったですもん!(それは絶対間違ってる)
      111108さん
      こんにちは!

      ですよね〜!
      ホントはもう今作読む前から次回作読みたかったですもん!(それは絶対間違ってる)
      2022/04/17
  • 「ワシントン・ポー」シリーズの二作目である、本書を読んでいく内に、前作のことも思い出してきた。

    前作はターゲットの一人とされていたポーが、今度は殺人容疑の危機に曝され、オープニングで、既に万事休すかと思わせる後々のシーンを入れているのも、作者からしたら、この後の内容に自信のある表れなのだろう。

    実際に最後まで読んでみたら、本書も真相を巡り、二転三転する面白い展開で、科学捜査のやや専門的な知識もあるが、後半に行くほど、先が気になるような、手に汗握る展開なのは間違いないと思います。

    ただ、前作と比較して、ポーやブラッドショーのパーソナルな物語が少なく感じたのは残念だったが、それだけ、事件に集中しなければいけなかったのと、彼らのコンビぶりが、前作から大きく成長しているとも捉えられるので、これはまた、今後の楽しみということにしておこう。

    とは言いつつも、ブラッドショーの何気ない真面目なひと言が、このシリーズの一服の清涼剤になっていることは、相変わらず健在で、ほっとする。

    ひとつ欲を言うと、犯人の真相を知りたかったのだが・・・今回のケースも、私には理解不能で、専門家に教えてもらうしかなさそうだが、そんな中にあっても、今回のポーは(私の中では)、すごく冷静に落ち着いて見えたのが驚きだった。
    前作は、かなり必死で、無茶していたように思ったんだけどね。

    そう、ワシントン・ポーは、本書から読んだ人でも実感できるように、常人では想定しづらいような辛苦の重石を背負いこんで、人生を生きている。
    特に、彼の母親の事実に関しては、私もどうしていいか分からないくらい、怒り狂いたくなる心境に駆られる。

    そんな時、ふと、病理学者の「エステル・ドイル(ドイルの名はいかにも・・)」のポーに対する言葉を思い出した。

    『あんたは永遠の落ちこぼれってこと。それがあんたをかき立て、ほかの人がやらないようなことをやる力になっている』

    私も、過去に似たようなことを他人から言われたことがある。

    ただ、この台詞から推察されるのは、落ちこぼれという言葉が、必ずしも悪い意味ではないということ。

    要するに、ワシントン・ポーが、これからも自分の生きたいように人生を歩み続けてくれれば、それだけ、私を含めた、落ちこぼれと感じている人々も、声高く、堂々と人生を歩んでいけるのではないか、ということ。

    ちなみに、三作目の「キュレーターの殺人(仮)」の邦訳も決定したそうなので、また、ポーやブラッドショーに会えることを夢見つつ、楽しみに待とう。

  • 前作「ストーンサークルの殺人」でドハマリしたワシントン・ポーシリーズ第2作。

    本作も期待を裏切らない内容でした。

    かつてポーが刑務所送りにしたのはカリスマシェフのジャレド・キートン。

    彼は実の娘を殺害したとしてポーに刑務所送りにされたサイコパス野郎です。

    逮捕から6年、そこに現れたのは殺されたはずの娘。

    知らない男に誘拐され監禁されていたと言い、血液検査から得たDNA判定にてキートンの娘であることが証明されます。

    その結果、冤罪として釈放されることになるキートン。

    その後行方をくらます娘、そしてポーの車からはその娘の血痕が発見され、ポーは一転容疑者となってしまう。

    キートンがサイコパスだと疑わないポーは前作でW主演として活躍したバディのティリー、上司にあたるフリンと共同し事件の謎に挑みます。

    残されたタイムリミットは僅か、果たしてポーはDNAの謎を解き、キートンの犯した罪を証明出来るのか‼︎

    って、もちろんラストでは出来ちゃうんですが、巻頭のポーが警察に捕まるシーン、そして時間が戻り本編のクライマックスが近づいてきた後半に全く同じシーンが再登場してきますが、思わず身震いしちゃいそうなぐらいウマイって思わされちゃいました。

    そして最終章、そこで登場したのはポーの父親。

    さてさて、シリーズ第3作でどんな展開が待ち受けているのやら。

    本作では前作ほど目立たなかったティリーの活躍、期待しちゃいますよね。

    登場人物の名前の付け方に茶目っ気を感じますが、著者であるM・W・クレイヴン、間違いなく本物です☆



    説明
    英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー受賞作『ストーンサークルの殺人』につづく
    〈ワシントン・ポー〉シリーズ第二作 ついに登場!
    カリスマシェフは冤罪か。それとも殺人鬼かーー? 刑事ポー、絶体絶命!


    かつて刑事ポーによって一人の男が刑務所送りにされた――カリスマシェフとして名声を誇ったジャレド・キートン。 彼は娘のエリザベスを殺した罪に問われたのだ。だが六年後のいま、その娘が生きて姿を現した! キートンは無実なのか? あらゆる証拠が冤罪を示し、窮地に立たされたポーを助けるべく、分析官のブラッドショーが立ち上がる。強烈な展開が読者を驚倒させる、英国ミステリ・シリーズの第二作。解説/三橋曉

    • ひまわりめろんさん
      ヒボさん
      こんばんは
      いつもブックリストやレビュー楽しみにしております
      自分と好みが近い気がして勝手に親近感を覚えて参考にさせて頂いてます
      ...
      ヒボさん
      こんばんは
      いつもブックリストやレビュー楽しみにしております
      自分と好みが近い気がして勝手に親近感を覚えて参考にさせて頂いてます

      今作も面白かったですね
      今後は母親の呪縛から解かれたポーの恋愛模様なんかも描かれることになりそうなお相手候補も登場したりしてますます続編が楽しみです

      自分はシリーズの最後はポーの捜査手法を身に付けてパーフェクトな分析官となったティリーがポーの元を旅立つ…なんてラストを夢想してます
      このシリーズはティリーの成長物語だと思ってますので、自分はティリー・ブラッドショーシリーズと捉えてたりしてw

      長々と失礼しました〜
      2022/04/21
    • ヒボさん
      ひまわりめろんさんおはようございます♪
      コメントありがとうございます(*^^*)
      私もいつも勝手に参考にさせて頂いてますよぉ〜。
      本作も面白...
      ひまわりめろんさんおはようございます♪
      コメントありがとうございます(*^^*)
      私もいつも勝手に参考にさせて頂いてますよぉ〜。
      本作も面白かったですね☆
      全くタイプの違う2人が違ったアプローチで謎に挑むってお得感があります。
      しかも、読者心をくすぐるラスト、うまいなぁって思いながらまんまと術中にはまっている自分が...σ(^_^;)
      次の展開、楽しみに待ちたいですね☆
      2022/04/22
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