天才数学者たちが挑んだ最大の難問: フェルマーの最終定理が解けるまで
- 早川書房 (1999年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152082244
作品紹介・あらすじ
「Xn+Yn=Znは、nが2より大きいとき、自然数解を持たない」-17世紀のアマチュア数学者ピエール・ド・フェルマーは、本の余白に数行のメモを書き残した。これこそが、のちに"史上最大の難問"と呼ばれ、数学者たちを悩ますことになった「フェルマーの最終定理」である。その後何世代にもわたって、有名無名の数学者たちや数学ファン、さらにはコンピュータまでもがこの定理の証明に挑んでは退けられ、いつしかこの定理は、解決できないものの代名詞になっていた…。だがついに、フェルマーの最終定理が解明される日がやってきた!栄光をかちえたのは、プリンストン大学数学科のアンドリュー・ワイルズ教授。しかし、その成功の陰には、悲劇的な最期をとげた日本人数学者、谷山豊をはじめ、多くの数学者たちの欲望と挫折のドラマがうずまいていたのである。フェルマーの最終定理が解明されるプロセスを軸に、古代バビロニアから現代にいたるまでの数学とその歴史の面白さを綴った全米ベストセラー、待望の邦訳。
感想・レビュー・書評
-
数の底知れない深淵さ、挑み続ける数学家たちの苦悩…。数学は不得意でしたが、その数の神秘さをチラリとでものぞけたようね本書でした。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ロマン。最後の一人に焦点が当てられがちだが、そこに至る膨大な人々の膨大な積み重ねが、今日の科学を作るという見本。
-
(2016.09.28読了)(2002.08.24購入)(2000.02.15・9版)
副題「フェルマーの最終定理が解けるまで」
フェルマーの最終定理が解けた話は、既に三冊ほど読んでいるので、この本を読まなくてもよかったのですが、2002年に購入して、積読しておいたのを忘れて、2006年にもう一冊買ってしまいました。同じものを二冊も買っておいて読まずにおくというのも悔しいので読んでしまうことにしました。
少々厚くても面白いなら大丈夫と言う方は、下記の本がいいと思うのですが、
「フェルマーの最終定理」サイモン・シン著・青木薫訳、新潮社、2000.01.30
やはり薄いほうがいいという方は、この本がお勧めでしょう。200頁ほどですし、数式とかはほとんどありません。わかりにくそうなところには、図が入れてあります。なんとなく雰囲気はわかります。
フェルマーの最終定理は、どのように解かれてきたのか、どのような人たちの考え方が定理を証明するのに使われたのか、主な人たちについては簡単な人物紹介も述べられています。
複素数とか、三角関数の話が出てくるので、高校の数学を習得してから読むのがいいと思われます。
【目次】
はじめに
1 史上最大の難問が解けた!?
2 フェルマーの問題のルーツ
3 近代数学の巨人たちの遺産
4 数学は革命の馬車に乗って
5 日本人数学者の早すぎた夢
6 20世紀数学、最後の闘い
原註
謝辞
訳者あとがき
●1から100までの足し算(80頁)
通常
1+2+3+・・・+99+100
と演算を99回繰り返すことになるのですが、別のやり方として
1 2 3 ・・・ 99 100
100 99 98 ・・・ 2 1
上記のように並べて、上下を足すと、それぞれ101になりそれが百組ですので、全部足すには、101×100と同じです。10100となります。
1から100までの足し算を2回やったのと同じですから、10100÷2=5050が求める答えです。
ガウスは、小さいころ、上記のようなことをやったといわれているのですが、この本では、
0 1 2 3 ・・・ 97 98 99 100
100 99 98 97 ・・・ 3 2 1 0
上記のようにやったのではないか、と書かれています。100×101となるので、答えは同じなのですが。
☆関連図書(既読)
「フェルマーの大定理が解けた!」足立恒雄著、ブルー・バックス、1995.06.20
「フェルマーの最終定理に挑戦」富永裕久著、ナツメ社、1996.09.20
「フェルマーの最終定理」サイモン・シン著・青木薫訳、新潮社、2000.01.30
(2016年9月30日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
「Xn+Yn=Znは、nが2より大きいとき、自然数解を持たない」―17世紀のアマチュア数学者ピエール・ド・フェルマーは、本の余白に数行のメモを書き残した。これこそが、のちに“史上最大の難問”と呼ばれ、数学者たちを悩ますことになった「フェルマーの最終定理」である。その後何世代にもわたって、有名無名の数学者たちや数学ファン、さらにはコンピュータまでもがこの定理の証明に挑んでは退けられ、いつしかこの定理は、解決できないものの代名詞になっていた…。だがついに、フェルマーの最終定理が解明される日がやってきた!栄光をかちえたのは、プリンストン大学数学科のアンドリュー・ワイルズ教授。しかし、その成功の陰には、悲劇的な最期をとげた日本人数学者、谷山豊をはじめ、多くの数学者たちの欲望と挫折のドラマがうずまいていたのである。フェルマーの最終定理が解明されるプロセスを軸に、古代バビロニアから現代にいたるまでの数学とその歴史の面白さを綴った全米ベストセラー、待望の邦訳。 -
昔買って、ずっと放置プレイになっていた可哀想な本です(笑)。
大学1年で数学に挫折したエセ理系ですが、くさっても理系なので、数学になんとなく憧れはいまだに持ち続けているんですね・・・で、ブックオフで見つけて思わず衝動買いしたのはいいんだけれども、直ぐに役立つ本でもないので、そのまま本棚へ・・・(涙)。
で、今日なんとなく手にとって読んだ見たのですが、これが結構おもしろい。まー、数学用語には全然ついていけなかったんだけどね(T-T)。でも、数学者でなくても楽しめる本だと思います。実際に、私も引き込まれましたし。フェルマーの最終定理は、近代数学史の歴史でもあったんですね。
で、ふと思ったんですが、学校でも、数学を単に教えるだけでなく、数学史とセットで教えるのっていいんじゃないか?って思いました。
絶対、その方が面白いと思うんだけどなー。
実際、オレもこの本にもっと早く出会っていたら、数学者への道を進んでいたんじゃないかと・・・(ウソw)
まー、なにはともあれ、数学科に進んだ友人と、今度、酒を交わしながら、ちょっといろいろ聞いてみたいなーと思わせてくれるくらい知的好奇心を刺激してくれる良書でした^^v -
タイトルを見て「読みたくない」と拒否反応を呈してしまう方もあろうかと思います。なにせ数学の定理の証明の話なのです。数学史上300年の長きに渡って解くことができなかった,フェルマーの最終定理が証明される物語です。日本人も大きく寄与しています。
しかし,数学的な記述は全て無視しても問題有りません,現に私がそういう読み方をしています。それでも十分楽しめます。
フェルマーの最終定理は,
「Xのn乗+Yのn乗=Zのn乗 はnが3以上の時は自然数解を持たない」というものです。例えばnが2の時はよくご存じの解があります。
「3の2乗+4の2乗=5の2乗(3*3+4*4=5*5 → 9+16=25)」です。
この本では,古代バビロニアから現代に至るまでの数学の歴史が書かれているのですが,そこが面白い。例えば・・・
「コッシスト(註:15-16世紀のヨーロッパで方程式を解くことをしていた人々)は数学者のレベルとしては古代ギリシャ人より劣っていたと思われる。彼らはお金もうけのために目先の問題に熱中し,仲間うちで建設的でない争いをしていため,ついに数学の中に美を探し求めたり,純粋な数学の探究を行うことができなかったのである。彼らは抽象的で一般的な数学理論の発展には寄与しなかった。」
これって,今時の数学理論を駆使したお金儲けを指向する人達に通じていると思います。
またこのような箇所も・・・
「18世紀においては科学研究は主に宮廷アカデミーで遂行されていた。そこでは専制君主が,当時の主導的科学者が知の探求を行うことを支援した。ある種の知識は応用され,その国家の威信を高める手助けとなった。その他の研究はもっと「純粋」で,つまり学問自体の発展を問題とし,人類の知の進歩に寄与した。宮廷はそのような研究を寛大に支援し,アカデミーで働いていた科学者たちは快適な生活を送ることができた。」
今の日本のように市場経済至上では純粋な学問には予算は付きにくいよなぁ と思ってしまいます。 -
数学をはじめて壮大なものと感じた
-
080724購入