サイレント・ジョー (ハヤカワ・ノヴェルズ)

  • 早川書房
3.27
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本棚登録 : 40
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152084477

作品紹介・あらすじ

病院で医師から、ウィルを助けられなかったと告げられた。助けられなかった。その言葉は銃弾となってわたしの心臓を貫いた…赤ん坊の頃、実の父親に硫酸をかけられ顔面に大火傷を負ったジョーは、施設にいるところを政界の実力者ウィルに引き取られる。ウィルは慈愛に満ちた養父としてジョーを育て、見事に彼を立ち直らせた。成長したジョーは21歳になり、今はウィルの仕事を手伝いながら、保安官事務所に勤務している。その大恩ある養父ウィルが、ジョーの目前で何者かに射殺される。ウィルの政敵でもある男の娘が誘拐され、その身代金取引を買って出たウィルが娘を保護した直後の出来事だった。養父の仇を討つべく、ジョーは一人真相を追及する。それが、ウィルの、人には知られたくなかったであろう暗い部分を、白日のもとに晒すことになろうとも。そしてその事件が、ジョーに途方もない試練と、大いなる成長を与えることになるとは予想もせずに…2002年度アメリカ探偵作家クラブ賞で最優秀長篇賞を受賞した、感動のミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 寡黙で礼儀正しい硫酸ベイビー、ジョー・トロナの立ち振る舞いがかっこ良すぎてただただ脱帽。

    幼い頃、父親に硫酸を浴びせられ顔に取り返しのつかない程の負傷を負い、施設に保護される生活を送ることになったジョー。
    ある日突如現れた現群政委員であり、地域の有力者ウィル・トロナに養子として引き取られることに。

    いつか醒める夢と身構えながらも、ウィルとその妻ローラから注がれる愛情にこの上ない心の充足を感じながらウィルの意志を受け継ぐ男に育っていくジョー。
    ある日行われたいかがわしい取引の場に同席することになったジョーに振りかかったのは、養父を失うことになる悲劇。

    その日から見え隠れするウィルの裏の顔に全く動じず、信頼と愛情を寄せながら真相を探るジョーの姿に心酔して一気読み。

  • なぜか読みづらく没入感に乏しかった。
    主人公の設定は魅力的なはずなのに感情移入しにくい描写だったのかもしれない。
    誘拐事件の顛末もふしぎな収束で納得感に乏しかったかな
    MWA受賞作だけど評価はイマイチ。

  • 上手い作家、良質な作品なのだが、
    ハードボイルドとしても、
    ミステリとしても、
    文学作品としても、
    少し中途半端さを感じてしまった。
    感動的な正統派の作品なのに、なんでかなぁ?

    2002 年 アメリカ探偵作家クラブ賞(MWA 賞) 最優秀長篇賞受賞作品。

  • 2002年度アメリカ探偵作家クラブ賞(MWA賞)最優秀長編賞受賞作で2002年度『このミステリーがすごい!』の第2位。文章は読みやすいのだけど、ストーリーのテンポが悪く読みづらかったです。それに内容も重めだから、偶に読むにはいいかもしれませんが、このような作品は続けて読みたいとは思えませんね。

  • 謎解きは期待できないが、ミステリとしては文句なしの出来。主人公のジョーのキャラが素晴らしい。冷静沈着、頭がキレて礼儀正しい、そしてどんな時でも寡黙であり続ける。仇討ちのストーリーだが、ジョーの語り口からは静寂しか感じられない。それが余計にストーリーを際立たせる。途中、事件の全容が見えかけてきたが、心理描写の巧みさから、一気にラストまで読み上げた。

  • ミステリー小説と言うよりは、一個の小説として楽しめる一冊。 主人公のジョーは魅力的です。 

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