- Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152090324
作品紹介・あらすじ
無人島に理想郷を築こうとした宗教組織が集団失踪した。そこで何が起こったのか?教団の足跡を取材中の女性フォト・ジャーナリストが発見した不可解な異物。そして彼女の周囲で起こり始める異変。数学者が、教団の教義から数学的に導き出した殺人連鎖とは何か?消滅したはずの教団は?カルト、廃墟、暗号、パラドックスなど、謎の迷宮の暗路に潜む真実を、数学論理が解き明かす、本格論理ミステリ。
感想・レビュー・書評
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謎解き部分が長くて、途中で挫折しそうになった。
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数学的帰納法を使った連鎖殺人が始まります。
数学の法則などを織り込んだミステリー小説で、方程式がつらつら書いてあるわけではないので、謎を解くカギとしての数学はなじみやすいと思います。 お話もとても面白いので、推理ものが好きな方は是非! -
話は面白かったが、人物造形とラストで★減。
主人公が出会う男性をいちいち値踏みするような描写が、正直鬱陶しい。設定としては、もっと魅力的に描けるキャラだと思うのたが。 -
数学ぷーな私でも、大変面白く読めた。あとがきも良い印象。
しかし、宗教の「業」を感じる…。 -
物語の出来としては★3つ程度の普通の作品。ただ、私の理想とする世界(社会的通念を捻じ曲げてでも演繹を貫き通す世界)が、私の価値観の通りに描かれているところが素晴らしい、というか驚かされた。この作品の舞台は新興宗教であるが、確かに演繹の絶対性は宗教の絶対性に通じると思う。ゲーデルが現れなかったら、ヒルベルトは「現代数学の父」を超えて、後世において狂信的な数学教団の教祖に祭り上げられていたかもしれない。
ところで、数学的帰納法は演繹の一種であり、帰納の一種ではないことに注意されたい。(帰納では証明を構成できませんから!) -
20100814
かなりの長編に加えて、謎というか事件に絡む様々な論理のややこしさに頭が痛くなる。読むのになかなか体力が必要だったけれど、オチはかなり微妙だった。途中まで登場人物の心情描写などにある程度力を入れておきながら、この終わり方は何なのだ。
カルト教団の「死の連鎖」論理は例えば死刑制度の是非などのメタファーなんだろうか? しかし所詮宗教者が考えること……と突き放してしまいそうになり、誰にも感情移入できない不安定の中を泳がされる。途中からは大したどんでん返しがあるわけでもないし、ミステリとしても微妙だったなあ。ただ、途中に出てくる廃墟の描写は興奮した。嵐の夜に、倒壊寸前の廃墟で浸水を避けて卓袱台並べた上に眠る……危なすぎるだろ!笑 でも魅かれてしまう。 -
宗教と数学の組み合わせが意外だったけど、確かに親和性あるなー。この殺人の動機(?)はすごいけど、やっぱり題材が宗教だとどうしても共感しづらいので、全体的にはインパクトのない作品になってしまう気が。
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カルト宗教団にまつわる謎解き。
ピタゴラス学派に基づいているので、なんでも数字換算していく宗教。
その宗教の教えは解釈によって無限殺人連鎖が秘められている。
将来が怖い。