地球の未来のため僕が決断したこと

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152100436

作品紹介・あらすじ

温室効果ガスの排出量をゼロにするしか、我々が生き残る道はない。「気候大災害」を回避するために、ビル・ゲイツは政治・経済・科学のあらゆる側面から分析を進めてきた。10年の調査が結実し、パンデミックをも予期した著者の描く未来像が明らかに。20年ぶりの著作。

感想・レビュー・書評

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  • 温室効果ガスを出しているのが鉄鋼業などものづくりの過程が多く。(一般のエアコン使用がそれほど多くないデータは良かった)

    withコロナの時代で読みましたが、
    参考になりました。

  • 地球温暖化に疑いの余地はない。国連の報告書でもこの事実が確認される。
    CO2の世界の排出量は年間で510億トンでこれを2050年までに0にする必要がある
    内訳は電気を使う27パー、ものをつくる31ぱー、ものを育てる19ぱー、移動する16パー、冷やす暖める7パー。
    電気をつかう:現在世界の3分の2が化石燃料。
    太陽光や風力は間欠的エネルギーだが電気は常に必要。再エネを普及させると間欠性の問題が大きくなるため、安価なバッテリーの開発や他のエネルギー源が必要。原子力は有効な手段。
    ものをつくる:コンクリートや鋼鉄を作る際、炭素を結合する過程でCO2が発生する。
    工程の電化、炭素回収、効率的な資材活用が必要。
    貧困国の人々がより良い暮らしをできるように、エネルギー使用量は増やすべきで経済成長を止めるべきではない。そのエネルギーがクリーンなものである必要がある。
    気候変動の被害は貧困国である。農業が主要産業であるため。気候変動の原因になることをほとんどしていないのにその影響を受けることとなるため、最も貧しい人たちを救うためにもゼロを達成する必要がある。
    ゼロ達成は慈善事業ではない。新しい技術でブレークスルーを起こし、産業を生み出すことで、雇用創出と排出削減の両方が実現できる。
    そのために、グリーンプレミアム(既存技術と新技術のコスト差)を小さくする必要がある。市場原理、経済合理性から。
    それには必ず政策として取り組む必要がある。民間だけでは研究開発にコストがかかりそのリスクをとれない。
    また、2030年ではなく、2050年ゼロをゴールにして取り組みを進めるべき。例えば石炭火力発電から石油火力発電に更新したら2030年は達成できても、耐用年数を考えるとその時点で2050年の達成は難しくなってしまう。

  • ビル・ゲイツさんは本気で地球を救おうとしている。迫り来る気候変動、地球温暖化という人類の問題について書かれた一見難しそうな内容。それがこの本では我々一般市民が理解できるレベルにまで分解して、シンプルな言葉で分かりやすく説明してくれている。ゲイツさんが如何に頭脳明晰で、説明上手な人なのかを思い知らされる。

    地球温暖化に歯止めをかけるには、温室効果ガスの排出をゼロにしなければいけない。そのために各国、そして我々がすべきことは何か。ゲイツさんが歳月をかけて学び蓄積した知識を、わずか二千円弱で読めるなんて凄いことだと改めて思う。

    アメリカ、日本、中国など高・中所得国の話ばかりではなく、低所得国に重きを置いている点には驚かされた。例えば炭素税を導入するという例で、「低所得国からの製品は大目に見る必要がある。低所得国の優先事項は経済成長をすすめることであって、すでに非常に低い炭素排出を削減することではないからだ。」とゲイツさんは述べている。各国で同じ数値を目指すことを平等とするのではなく、それぞれの国の状況に応じた処置を行い、あくまでも地球全体で発展しながら温室効果ガスの排出をゼロにするという目標に向かう姿勢などは読んでいて感銘を受ける。

    ただ、ある程度発展した社会の仕組みの中に、炭素排出をゼロにするための変更を途中から組み込むのは難しいと痛感した。初めから炭素排出がゼロのシステムを組み込んだ上で社会を作れたならよかったが、今となっては関係各所への利害が複雑に絡みすぎており、その時々のお金さえあれば解決できるというレベルの問題ではなくなってきている。

    でもたしかにお金は必要で、ゲイツさんが莫大な資金を投入して企業や研究を支えてくれているのはありがたいと読みながら思った。本当は各国の政府が率先して大金を注ぎ込むべきなのだろうが…「技術、政策、市場に同時に働きかける」「3つが同じタイミングで同じ方向を向いていないといけない」というゲイツさんの考えに同意するし、各国で取り組んでほしいと心から願う。

    気候変動をめぐる議論は二極化しており、矛盾や混乱を招く話が多い。そんななか、炭素排出ゼロ達成に向けて現実的で具体的な計画を議論の中心に据えるべく、我々一般市民が気候変動に関する会話を増やすきっかけをつくりたいという思いで本書は書かれたそう。ゲイツさんの凄さもさることながら、地球が今抱えている問題について深く真剣に知ることができる良書。

  • 温暖化対策のため、いま何が必要かを概説した1冊。
    2年前に出た本だが、今年の猛暑など、状況の切迫を痛感させられる出来事が多いので、読んでみた。

    この問題についての知識が一通り得られる、秀逸な入門書になっている。

    温暖化の入門書はすでに汗牛充棟だが、いま1冊だけ選ぶとしたらこれではないか。多様な論点がバランスよく盛り込まれているし、お花畑的理想主義とは無縁で、著者の視点は極めてリアリスティックだ。

    それでいて、著者は根本の部分で楽観的で、希望を感じさせる点もよい。

  • ビルゲイツのトイレのプロジェクト規模が、
    凄すぎて、参考にも何もならないけど
    ビルゲイツ財団の取り組み方や、コストの調整
    世界を巻き込むチカラ、実行力
    どれとっても素晴らしい!
    ビルゲイツの奥さんも素晴らしい人だ。

    地球規模かー。ビルゲイツの生きてる、
    同じ時代に生きてる事が嬉しい。

  • 本書は、ビル・ゲイツ氏がエネルギー貧困問題を通じてここ20年間に知った気候変動の実態と今後の対策について書き下ろしたものである。エンジニアの立場から温室効果ガス排出量をゼロにするための考えを記している。

  • 2023/08/26

  • 近年読んだ本の中でもとてもためになった著書だった。
    ビルゲイツがやろうとしていることの信念が感じられる。
    高いモチベーションは、どこからくるのか。素晴らしい人だと感じた。

    自分の資金を投資という形で提供しているが、そのことが、気候変動の問題に対する著者の回答である。

    温室効果ガスの削減
    1 ものを作る
    2 電機を使う
    3 ものを育てる
    4 移動する
    5 冷やしたり暖めたりする
    この活動全てに対策が必要となってくる。

  • ビル・ゲイツが考える、地球のために何ができるのか?の本。あまりにも規模が壮大すぎて途中でついていけなくなった。

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著者プロフィール

1955年、シアトル生まれ。13歳のときにプログラミングを始める。1973年、ハーバード大学に入学。在学中にポール・アレンと共にマイクロソフト社を創業。MS-DOS、Windows の開発により、同社は世界的ソフトウェアメーカーに。2008年以降は慈善事業に専念するため同社の仕事から徐々に離れる。『フォーブス』の2015年世界長者番付1位。

「2015年 『[生声CD&電子書籍版付き]対訳 セレブたちの卒業式スピーチ ――次世代に贈る言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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