- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152100832
作品紹介・あらすじ
誰と知りあっても、誰の記憶にも残らない。そんな孤独な人生を歩むアディ。取り返しのつかない間違いをして、書いた文字も、写った写真も残せないのだ。だけど、ニューヨークの古書店で、彼女は自分のことを憶えていてくれるヘンリーと出会い、恋に落ちた……
感想・レビュー・書評
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同じ神と取り引きしたもう一人の過去と現在、アディともう一人の日々。相変わらす設定はファンタジーだが、中身は恋愛小説な感じ。アディの長いはずの300年もなんだか薄味にしか感じられない。でもやっぱりストーリーは悪くないんだよなあ……不思議。結末は好き。
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講座を選べば次は学科を選ぶことになり、学科を選べば職業を選び、職業を選べば人生を選ぶことになる。人生は一度きりなのに、どうやってそんなことができるんだ。
「時が厄介なのは つねに足りないということだ。もしかしたら十年、もしかしたら一瞬。だが人生の終わりはいつも早すぎる」
信念は重力に少し似ている。あることをじゅうぶん多くの人が信じれば、それは足元の地面と同じくらいたしかな本物になる。
世界は広く、彼が自分の目で見たことがあるのはほんの少しだ。旅をして、写真を撮り、人々の話を聞いてみたい。もしかしたら自分の物語も紡ぎたくなるかもしれない。なんといっても、人生はとても長いと感じることもあるけど、過ぎてしまえばあっという間だ。だから一瞬も無駄にしたくない。
ぼくはきみを憶えている。 -
自由に生きられる無限の時間を得た代償に、誰の記憶にも残らなくなったアディ。“自分のもの"を持つこともできず、他人の住まい、他人のものを拝借して暮らす生活を強いられる。彼女の孤独な人生の支えとなったのは、美しいものや驚きを見つけていくことだった。パリで、ヴェネツィアで、ロンドンで、ミュンヘンで。そして300年の時がたった・・・。2014年、ニューヨーク。アディが古書店で出会ったヘンリーは、ただひとり、彼女のことを憶えていられたが・・・。彼を愛したアディの、誰も知らない、誰にも忘れられない物語。
久しぶりに設定が面白くて夢中になって読む作品に出会った。しかも途中まではこれは幸先良さそうだと思った途端にアディ同様、読者も突然のカミングアウトに奈落へ突き落される・・・(苦笑)何かあるなと思ってたらそういう罠があるのね。いったいどうするんだろう?とハラハラしていたら、彼女の選択は納得はするけど切なかった。彼女が300年で学んだ「しぶとい考え」を残すことをヘンリーの手に託して彼女は生き続けることを肯定した。自分の人生を記すことでアディは虚しさを感じずにすんでいるのなら、この先彼女が解放されたときにも、同じようにインスピレーションを与えて初めて見るものを楽しむんだろうか。ヘンリーという存在に初めて救われたから、喜びに打ち震えた彼女を思うと、これから無限に生きることの意味が少し弱く見えてしまった。 -
やっと読み終わった!!!300年というのは長いようで一瞬に感じた。ストーリーが進むのがゆっくりで何度か読むのをやめようと思ったけれど、下巻の半分くらいでスピードが増してきて読み終わったときは読んでよかったと思った。
長いし、詩的な文章で読みにくいかもしれないけど、読了後はスッキリした気分になれるので、途中で諦めずに読んでほしい!!