- Amazon.co.jp ・本 (680ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152102652
作品紹介・あらすじ
刑務所から出た18歳のエメットは、母が暮らしているはずのサンフランシスコに車で弟と向かうことに。だが、その車はエメットの悪友二人に奪われてしまう。車を取り戻すためエメットはNYに弟と向かうが--。10日間の少年4人の旅と成長を描く傑作ロードノベル
感想・レビュー・書評
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1954年、アメリカ。
18歳のエメットは更生施設を出所し、弟が待つネブラスカの自宅に戻って来たが、そこには施設から逃げ出したダチェスとウーリーもいた。
エメットと弟は、母が暮らしているはずのカリフォルニアに行き、心機一転、新しい生活を始めるはずだった。だが、ダチェスとウーリーに愛車のスチュードベーカーを奪われ、仕方なく二人の後を追ってニューヨークに行くことに。
ダチェスは、上流階級出身のウーリーの一族がニューヨーク州北部に所有する屋敷の金庫の金をみんなで山分けすると豪語していたのだ。
孤児院のシスター、胡散臭い牧師、妻と別れた善良な黒人男性、売れないシェイクスピア俳優、憧れの作家――道中、エメットと弟は多くの出会いと別れを経験する。
ミステリマガジンの最新号の特集を読んでいたら、翻訳ミステリ一覧の最後に本作が取り上げられていた。謎解き要素はほぼなく、ただただ登場人物の語りと道行を楽しみました。それにしても
食べ物描写が上手ですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今作の表紙やロードノベルというのが前2作のエイモア・トールズ作品の印象と合わず、困惑しながら読み始めた。
読み始めてすぐに思った。
ま、間違いなくエイモア・トールズだ…!
センチメンタル具合というか、全体的にうっすら湿った感じが。
4人の少年を中心にした群像劇で、まあみんなよく喋る(会話だけでなく内心も含め)。
この「語る」というのが著者の重心にあるんだろうなぁと思う。
中盤以降は先が気になってめくる手を止めたくなかった。
結末も、最初は驚いたけれどこれしかないなと思う。
サリーがとにかく良かったなぁ。
「もちろんわたしは善なる主がわたしたちひとりひとり、わたしたち全員に与える使命を持っていると信じているーーわたしたちの弱さをゆるし、わたしたちの力を調整し、わたしたちだけを想定してデザインされている使命だ。でも、ひょっとしたら、主はわたしたちのドアをたたきにきて、砂糖衣をかけたケーキみたいにそれを差し出さないかもしれない。ひょっとしたら、主がわたしたちに求めているのは、主がわたしたちに期待しているのは、主がわたしたちに望んでいるのはーー主のひとり子のようにーーわたしたちが世界へ出ていって、自分でそれを見つけることがなのかもしれない。」
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やっぱりこの作家は面白い
エメット、ビリー、ウーリー、ダチェス…登場人物が魅力的 -
読み応えありすぎ。度は終わらずで、しかし、このラストは??