われら銀河をググるべきや―テキスト化される世界の読み方 (ハヤカワ新書juice 14)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 142
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784153200142

感想・レビュー・書評

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  • いかにもブログ本という感じの構成に文体。自分の知的レベルが低いことと相まってかなり読みにくかったというのが読後の第一印象。ベルヌ条約の存在等をはじめとして、書籍の電子化やネット時代の情報のあり方等に対する見識が豊富で、様々な思考実験的トピックも取り上げられている。ただ、扱っている内容や表現方法が現在進行形なテーマなだけに、このレビューを書いてる時点で、既に内容が古くなってしまっているだろう。(諸々の事情で4ヶ月もかけて新書一冊を読んでいる自分が馬鹿なのもあるけど。)散文とネット界隈の話題とSF的思考実験が好きな方にはおすすめ。

    以下気になったトピック。

    ・twitter感覚=袖振り合うも多少の縁、一生出逢うはずもなかった誰かとふわっと一緒に揺れる。

    ・今後は小説なんかはユーザ=享受者じゃなく製造販売業者が負担する→そんなムチャな!→じゃあ過去半世紀の民間TV放送はどうやって帳尻を合わせてたってんだよ。→GoogleBooksなら新刊だろうが絶版本だろうが最新関連広告が載せ放題/つけ放題。

    ・旧来の書店や出版社は、もはや希少じゃなくなりつつある財をどうやって相変わらずの高い値段で買ってもらおうかと四苦八苦しているわけだ。←希少なのはユーザの脳味噌の量×時間

    ・googleって世界最大の同人サークルなんですか?→Googleは毎秒ものすごい勢いで全世界という書物のパロディを創作して/させて、自らの内で流通させているわけだ。→検索用のキャッシュについて

    ・googleに対抗したい人への案→スキャニングできない書籍を出版してベストセラーにする。(#例えば飛び出す絵本とかかしら。)

    ・クラウドスキャニング→日本中のコンビニに置かれているコピー機を使う→あれは本質的にスキャナ→すでに普及している機器を使って安価に書籍の電子化を実現→ボランティアでgoogleより大量の情報を電子化→googleに対抗できる。

    ・kindleでも、最近は引用句をツイッター経由で見せっこできるようになったらしい。

    ・僕たちは、おしゃべりも議論もアイデア出しも演奏も、実時間ではなく積分時間でおこなうことの豊かさを知ってしまった。→スタジオ/レコーデットミュージックというジャンルと一緒

    ・基本は無許可でやっちゃって、後で問題になったら対処する、というオプトアウト原則に則った文明にチェンジした方が良いだろう。

    ・この場合のコミュニケートってのは、繋がること。

    ・ヒトひとりにつき、ひとつの異世界 個々人の眺めている現実が食い違ってゆく---んだけど日常生活に支障は生じない。

    ・googleというのは大海原や深海流→波打ち際がいわゆるツイッター領域→タンブラーはその脇にある生簀→紙媒体、特に書物というのは、素晴らしい魚拓や、おいしい干物や、手間暇かけた燻製や、面白い形の流木を磨いて造った芸術品なのかもしれない。それぞれに良いところがあり扱いにくい部分もある。うまく使い分ければ、いろいろ便利だが使い道を謝ればかえって全員が損をする。

    ・日本語圏はせいぜい1億人規模→文明論的な面白さの臨海に到達できない→日本の人口を10倍にするしかない→自然人以外日本語使用者を9億人増やす→ロボットや架空世界内のキャラクターに限定的な人権を与えて寄与してもらう→ヒト以外の存在を<あたらしいヒト>として認めてゆく。

    ・アメリカという異世界→アメリカって実に不思議で興味深い→日本という国を与えて眺めるのにアメリカと比較するのはオカシイ。

  • アポトーシス バウチャー 著作権 生産性を上げる

  •  SF作家の新城カズマが書籍電子化をリサーチ、そこからGoogle論を展開し、さらに著作権の法体系を巡り文明論まで発展させていく。
     というとなんだか小難しいことを書いてそうですが、会話形式で進む文体は読みやすいし、とっても面白い。
     話は飛びまくって(飛躍しまくって)ますが、非常に綿密な引用と独自性あふれる解釈には知的興奮をかき立てられます。
     いちいち「オチ」を付けて、笑って終わらせるものいいなぁ。

  • ブログの転載?という書き方のせいか、よく理解できないまま読み終わった。用語も小難しくわけわからん…
    なにかいいこと言ってそうな雰囲気は感じられたのでわかるひとにはわかるんでしょう。

  • Googleという会社の構造や、検索という行為を著者の視点で分析したり、
    小説家として著作権問題を取り上げている。
    インスパイアされた書籍紹介もあり、表現上の世界観を注釈で分かり易く解説している。

  • (後で書きます)

  • 「Google × 著作権」のBL本

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著者プロフィール

【新城カズマ・作】  生年不詳。作家、架空言語設計家。1991年『蓬莱[ほうらい]学園の初恋!』(富士見書房)でデビュー。『サマー/タイム/トラベラー』(全2巻、早川書房)で第37回星雲賞受賞。現在、大河歴史ロマン〈島津戦記[しまづせんき]/玩物双紙[がんぶつぞうし]〉を鋭意刊行準備中。

「2013年 『ドラゴン株式会社』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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